蟻取物語

蟻の採集や飼育に関する研究成果を、写真等を活用して公開する。

55 暖冬 ケブカクロオオアリ№2

2007年01月31日 11時34分44秒 | Weblog
今日は4月上旬並みの暖かさ。
今時の蟻にとっては、健康に良くない。
写真のケブカクロオオアリコロニーは、
モゾモゾと動き出した。
このコロニーは、
越冬管理の写真のものとは、別のコロニー。
女王蟻は、ケース内ペアリングによるものである。

このコロニーは、
生き生きとしており、元気であるから、
この異常気候ものりこえてくれるだろう。

     ふじひろ  

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54 暖冬 ケブカクロオオアリ№1

2007年01月30日 16時37分56秒 | Weblog
暖冬のため、
ケブカクロオオアリのこの初期コロニーは、
中途半端なまま、春を迎えそうだ。
越冬幼虫がないので、
女王蟻が産卵してくれるか、心配である。

女王蟻やワーカーの腹部に白い立毛が見える。
肉眼ではよく分からなかったが。
確かに、ケブカクロオオアリである。

     ふじひろ   
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53 越冬管理 アメイロオオアリ

2007年01月26日 11時48分50秒 | Weblog
昨年、鹿児島で採集した
アメイロオオアリの初期コロニー。

どちらかというと、
温暖地帯に棲息しているので、
室内温室で、10℃以上を維持するように心がけている。

まとめとして、
越冬時の温度管理について、
自然管理以外の方法で行うものの種類について記述する。

温室で一定の温度を維持するもの
アメイロオオアリ

インキュベーターで18℃を恒常的に維持するもの
クロナガアリ

インキュベーターで1℃以下を1ヶ月程度を保持し、
その後、野外で管理するもの
(亜高山地帯に棲息する種類)、
カラフトクロオオアリ、ムネアカオオアリ
ヤマクロヤマアリ、ツヤクロヤマアリ、アカヤマアリ

     ふじひろ   


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52 越冬管理 ムネアカオオアリ

2007年01月25日 11時42分44秒 | Weblog
5年前、奥多摩で採集したムネアカオオアリの脱翅雌を
飼育したコロニー。
人工蟻巣は、箱型のもの。
ケブカクロオオアリの
ケース内ペアリングで使用したもと同じ。

低山地帯のムネアカオオアリは、
ミカドオオアリと同じ手法で管理できる。
亜高山地帯のムネアカオオアリは、
カラフトクロオオアリと同じ手法で管理する。

     ふじひろ   

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51 越冬管理 ミカドオオアリ(4年目コロニー)

2007年01月24日 12時07分29秒 | Weblog
4年前、ミカドオオアリの脱翅雌の採集からスタートしたコロニー。
1年目は、小さくてひ弱なワーカーが4匹が羽化。
幸いなことに、幼虫が3匹が越冬に成功し、
2年目へコロニーを継続させることができた。
3年目、コロニーは一挙に拡大、中型ワーカーも羽化した。

人工蟻巣は角材を掘り込んだもの。
巣のサイズは、7㎜、80㎜、深さ7㎜。
半分ほど使用しているので、
今年は、大き目の人工蟻巣を用意することにしている。
全員で引越しするか、
それともサテライトを形成するか?
結果が楽しみである。
 
      ふじひろ   

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50 越冬管理 ミカドオオアリ

2007年01月23日 12時28分07秒 | Weblog
昨年採集したミカドオオアリのコロニー
採集時には、ワーカー50匹ほどだったが、
今は100匹を超えている。

越冬前に、充分な栄養を与えてあるので、
ワーカーの死体は一匹も見当たらない。
人工蟻巣は、
直径90㎜、高さ120㎜の樹木の中をくりぬいたもの。
この人工蟻巣を、
密封したアクリルケースの中に、
湿らしたスポンジと共に入れてある。

     ふじひろ   
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49 2007プロジェクト ヨツボシオオアリQ3コロニー(2)

2007年01月22日 12時00分58秒 | Weblog
2005年5月採集の脱翅雌2匹からスタートした
ヨツボシオオアリのコロニー

2006年5月にも、Q2でスタートさせたコロニーがあるが、
このコロニーも順調に進んでいる。

自然状態では、
脱翅雌は樹木の皮下に小さな部屋を作り、営巣する。
今年のQ3コロニー計画のポイントは、
人工蟻巣の大きさの程度にある。
20㎜立方からいくつかのサイズのものを用意し、
試してみたいと思っている。

    ふじひろ    


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48 2007プロジェクト ヨツボシオオアリQ3コロニー(1)

2007年01月21日 11時56分26秒 | Weblog
写真は、ヨツボシオオアリ脱翅雌10匹営巣   

ヨツボシオオアリは魅力的な蟻である。
ウメマツオオアリ、ヤマヨツボシオオアリ、ナワヨツボシオオアリと比べ、
大きく、艶のある体色が美しい。
人工蟻巣や飼育環境が悪化しないかぎり、
脱走することもない。
強制的に引越しさせると、
元の蟻巣に戻ってくることがある。
けなげな蟻である。

2005年5月、15匹のヨツボシオオアリの脱翅雌を採集した。
一箇所にいたので、同一のコロニーのものと思われる。
木製の人工蟻巣に、
10匹、3匹、2匹に分けて入れ、飼育を開始。

まず10匹蟻巣だが、
8月、50匹ほどのワーカーが羽化した。
昆虫ゼリーを与えたところ、盛んに栄養交換を始めた。
2,3日経った頃から、女王蟻同士の陰湿な咬みつき合いが始まった。
9月末には、足や触覚が欠けたものが7匹、
死んだものが2匹、健在なものが1匹だけになった。
秋の終わり頃には、全体が壊滅した。
3匹蟻巣も、同じ経過を辿り、壊滅した。
ところが、2匹蟻巣は何の問題もなく
コロニー拡大を続けたのである。

2匹女王はOK、3匹女王はダメ。
結果はそういうことになったが、
これはどういうことを意味するのか?

この問題を解明すために、
ヨツボシオオアリ脱翅雌3匹からの
コロニー化に挑戦することにした。

     ふじひろ  

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47 2007プロジェクト サムライアリQ2コロニー(3)

2007年01月19日 11時42分22秒 | Weblog
クロヤマアリ初期コロニーに寄生の機会を狙っている
サムライアリ脱翅雌

クロヤマアリ初期コロニーのワーカーは、
攻撃性に乏しく、友好的あるいは逃避的である。
このコロニーへのサムライアリの寄生は容易であるが、
ワーカーが10匹程度で少なく、
サムライアリのコロニーとして、発展していくことは、望めない。

そこで、
サムライアリQ2コロニー計画は、次の手順により行う。
1 6、7月にクロヤマアリの脱翅雌を採集する。
  5匹以上は欲しい。
2 1匹づつケースで飼育する。
3 石膏で巣内部が観察できる人工蟻巣を作る。
4 最初に羽化したコロニーを、
  人工蟻巣に入れる。
5 他のコロニーも、女王を除いて人口蟻巣に入れる。
6 7月、同巣のサムライアリ脱翅雌を採集し、
  2匹を人工蟻巣の庭部に入れる。

寄生に成功し、クロヤマアリの数が少ないときは、
蛹の投入が必要になる。

どのような結果になるか、楽しみである。

     ふじひろ   
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46 2007プロジェクト サムライアリQ2コロニー(2)

2007年01月18日 15時37分04秒 | Weblog
クロヤマアリに寄生成功したサムライアリ
左端がサムライアリ女王、その右が殺されたクロヤマアリ女王

サムライアリが自然状態で、
どのような寄生経過を辿るのか・・・・・

ひとつの事例を挙げてみよう。
クロヤマアリの巣を掘った時のことである。
クロヤマアリワーカーの団子が出てきたのである。
その大きさ12mmほど、デカイ。
その団子を崩すと、その真ん中にサムライアリの女王がいたのである。
しかもスゴク元気。

ケース内での観察では、寄生の成功は容易でない。
クロヤマアリ女王の殺害は、当日中に行われることが多いが、
その後ワーカーを手なずけることは簡単でない。
成功した事例では、
まず数日かけてワーカーを手なずけ、
その後、クロヤマアリ女王を殺害するという経過を辿ることが多い。

ところで、
サムライアリ脱翅雌が、クロヤマアリ女王を殺す時は、
クロヤマアリ女王の腹部に咬み付き、じっとしている。
ライオンが獲物の首筋を銜えている姿勢に似ている。
従って、クロヤマアリ女王は五体そろっており、
バラバラにされることはない。

     ひろふじ   

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45 2007プロジェクト サムライアリQ2コロニー(1)

2007年01月17日 12時02分24秒 | Weblog
2000年7月上旬、梅雨の晴れ間の日、
サムライアリの巣を掘ったのだが、
その時、女王蟻がなんと5匹もいたのである。
かなり大きなコロニーだったので、
同巣の脱翅雌が戻ったものと思われる。
この事実を話しても、信じてもらえないが、
この時から、私はサムライアリは多雌も可能という考えにたっている。

2005年6月、大きなコロニーで
女王蟻1匹を採集した。
翌年(2006)6月、同じ巣でサムライアリのワーカーの蛹を採集した。
この事実は、この巣に別の女王蟻がいた証ではないかと思うのだが・・・。
サムライアリは別のサムライアリの巣に
奴隷狩を行うことがあるから、
これも確証にならないという。

そこで、
今年はサムライアリ多雌説を実証するため、
脱翅雌2匹を同時に、
クロヤマアリのコロニーに寄生させる試みを計画している。

サムライアリの多雌を確認できている方がおられれば、
コメントでお知らせくださるよう、お願いします。

      ふじひろ   
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44 リウマチ蟻紀行 乗鞍高原№8 2006(後)

2007年01月16日 12時11分22秒 | Weblog
8月3日、梅雨明け2日目。
今朝も、エゾアカヤマアリの交尾は行われなかった。
14時頃、休暇村近くの大きな塚を崩してみたが、
羽蟻はいなく、蛹もワーカーのものであった。
これも長雨のためか。

登山道の下り道で幸運が待っていた。
カラフトクロオオアリの脱翅雌5匹、
ムネアカオオアリの脱翅雌3匹を採集、
自然園近くで、
ヤマクロヤマアリQ3コロニー、
ツヤクロヤマアリ脱翅雌1匹を採集した。

成果の検証
1 エゾアカヤマアリの交尾は確認できなかった。
 天候の不順が主たる原因と思われる。
2 カラフトクロオオアリ脱翅雌 4匹(1匹死亡)
 かなりラッキー
 2匹は越冬中(仮死)、2匹は友人に
3 ムネアカオオアリ脱翅雌3匹
 ワーカー羽化するも、すべて胸赤
4 ツヤクロヤマアリ脱翅雌1匹
 ヤマクロヤマアリワーカーと越冬中
5 ヤマクロヤマアリQ3コロニー 越冬中

      ふじひろ   
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43 リウマチ蟻紀行 乗鞍高原№7 2006(前)

2007年01月15日 12時10分08秒 | Weblog
プチホテル アルピノ

2004年は北海道丸瀬布へ、
2005年は福井県美濃又へ、
ケブカクロオオアリの探索紀行に出かけた。
そして2006年、再び乗鞍高原へ。

目的は、
1 エゾアカヤマアリの交尾の確認
2 カラフトクロオオアリの脱翅雌の採集
3 ムネアカオオアリ(胸黒)の脱翅雌の採集
4 ツヤクロヤマアリ、ヤマクロヤマアリの
  脱翅雌、またはコロニーの採集

8月2日、スーパーあずさ1号で7時新宿を出発。
11時50分頃、アルピノに到着、
荷物を預ける。
宿の人の話だと、昨日まで雨だったとのこと。
13時、センター前からバスで三本滝まで行き、
徒歩で休暇村まで下りてきた。
カラフトオオも、ムネアカオオも見つけることは出来なかった。

8月2日、朝から快晴。
7時から30分間、
エゾアカヤマアリの蟻塚を観察するも、
羽蟻は蟻塚から出てこなかった。
周遊バスがあるということで、
まず休暇村に向かった。

9時10分、アカヤマアリの脱翅雌を採集した。
石を持ち上げると、キイロケアリの大きなコロニーが。
真ん中に10㎜ほどの球形の虫がいた。
実は、これ女王蟻。
イタダキと思った瞬間、女王様が忽然と姿を消した。
巨大な縦穴があり、その中に落ちるように、消えたのだ。
残念至極。

この日も、同じ道を辿るも、
カラフトクロオオもムネアカオオも見ることができなかった。

ふじひろ   
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42 リウマチ蟻紀行 乗鞍高原№6

2007年01月14日 16時37分14秒 | Weblog
乗鞍高原で過ごした
8月2日から6日までの日々は、
私にとって体と心に精気をあたえる貴重な日々となった。

2、3、4日は、三本滝までバスで行き、
そこからゆっくりと休暇村に下りてくる行程をとった。
3日の日、休暇村ではバスに乗れない人びとが、
激怒の嵐。配車がスムーズにいかないのだ。
ノーカーの最初の夏、思わぬ出来事が起きる。
三本滝で、バスのステップから降りるとき、
膝がズキッと痛む。

カラフトクロオオアリ、ムネアカオオアリ、アカヤマアリ、クロヤマアリの
脱翅雌を採集した。
アカヤマアリ、クロヤマアリの蛹を大量に採集、
アカヤマアリのコロニー作りの準備もできた。

5日、一の瀬のキャンプ場へ向かう道沿いに、
立て看板があり、
「エゾアカヤマアリは・・・・・高原の日差しの強さを和らげるため塚をつくる・・・・」と書かれてあった。
蟻塚は、温度を上げ保温をするために作るのであって、
日差を和らげるために作られるのではないと思われるのだが。
因みに、温度が上がると、塚の高さが低くなるという
実験結果もあるので・・・・・・

鈴蘭から一の瀬へ向かう道の入り口近くに、
「ベル」という喫茶店がある。
庭に樽を逆さにした、日本蜜蜂の巣箱があり、
働蜂が盛んに飛び交っていた。
(2006年に訪れたときには、無くなっていた。残念)
この店の蜂蜜ヨーグルトは絶品。

       ふじひろ   
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41 リウマチ蟻紀行 乗鞍高原№5 エゾアカヤマアリの交尾

2007年01月11日 12時15分04秒 | Weblog
2003年8月3日、初めてエゾアカヤマアリの交尾を目撃した。
30年近く通い続けたにも拘わらず、
観察できなかったのには、訳がある。
それは、交尾時間帯の意外性にある。

この日、朝食前の時間、7時に外を散歩していると、
蟻塚の40cmから50センチ上空を、
雄蟻が飛行しているのが見えた。
朝日が斜めから蟻塚に差し込んでくる時間帯である。
少し肌寒い。
やがて雌蟻が葉の茎を登り始めた。
雌が茎の上に登りつめると、
雄が雌のやや下に降り、茎を這い登って雌と交尾を始めた。

翌日も同じ時刻に同じように、
交尾が行われた。
この日、写真に収めることができた。

朝7時から30分間の間に、
交尾が行われるとは、予想だにしていなかった。
雌は飛行せず、葉、茎の上で交尾が行われることも分かった。
3日間の観察では、飛行していく雌は一匹もいなかった。
交尾を終えた雌は、巣に戻る。
エゾアカヤマアリが多雌であることが容易に理解できる。

     ふじひろ   
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