気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

春日山遊歩道から若草山山頂へ

2017-12-07 18:44:07 | 散策
1998年登録の世界遺産「古都奈良の文化財」の資産群の
一つに「春日山原始林」が入っているのをご存知ですか。
標高は498m、約250haの広さがあり、古来より春日大社の
神域とみなされ、841年からは狩猟と伐採が禁止され、
自然に対する信仰と日本人の自然観が結びついた文化遺産と
して登録されました。学術的にも非常に価値が高いとされて
おりますが、でも実は、厳密には原始林ではなく、歴史的に
豊臣秀吉がスギの木1万本の伐採をしており、台風災害からの
回復のための補植や砂防ダムなどの手入れもされております。
樹木の種類は、常緑広葉樹(カシやシイ)の暖帯林が多くを
占め、その間に点在する1600本余りの春日杉は直径1m以上
250年~400年生の老杉が混じり、隠れた紅葉の名所です。
またおよそ800種の植物やモリアオガエル、ヒメハルゼミ、
カスミサンショウウオなどの昆虫や動物も生息しています。

若草山頂へと落葉の絨毯に囲まれた水谷茶屋から水谷川の
右岸沿いに道を取り、左側に可愛いお店が途切れると、
砂利道の春日山北部遊歩道へ
 
200m程で「仏頭石」が10mほど奥の山肌にひっそりと
 
1520年大僧都覚遍木食のために円玄(仁)が発願造立された
銘があり、高さは107㎝、六角形の頂部に如来様の仏頭が
丸彫りしてあります。その下六角形の六面に六観音様
(十一面・准胝観音・如意輪・聖・千手・馬頭)を彫り
蓮華座の下に狛犬を相対して彫られております。
又仏頭席の左側に線彫りの「洞の地蔵」様が・・・

その先、月日亭休憩所付近に苔むした杉の木
 
砂利道に車が止まり、一日三組の料理旅館「月日亭」が、
春日奥山の林、10年前に伺ったことが思い出されました。

直ぐ近くの堰があり、ここで春日大社の社殿に流れ込む
水路が分かれており、

その堰の上流側に「月日磐」がありました。
日と三日月を模した陰刻が施されております。

氷室神社の延喜式にこの場所に、氷室が置かれたと

落葉を踏みしめさらに登ると、

10月の台風の豪雨で倒れた巨木の杉が、谷を塞ぎ
撤去され、その切り株が
 
若草山駐車場から最後の登りで、若草山展望台
三重目で、鹿もおりましたが、ワンちゃんも、西は
大和盆地で平城京から薬師寺・・・と
生駒山、信貴山、二上山、葛城山、金剛山そして
南は大和三山から大峰の山々が・・・
 
犬の向こうの三角形の山が297mの「御蓋山」浮雲峰とも
トロイデ式の溶岩丘で、春日の神が最初に降りられた蓋山
山頂に本宮嶽があり、禁足地ですが、「春日山錬成会」で
年に数回登らせていただけるとのこと。
大伴家持が詠んだ歌(万葉集巻八1554)
大君の三笠の山の黄葉(もみぢば)は
  今日の時雨(しぐれ)に散りか過ぎなむ

奈良の昔は、紅葉は、黄葉だったのですね。
 
でもここはまだ頂上ではありません。北側の小高い丘が
鶯塚古墳で、南に前方部をもつ4世紀後半の前方後円墳
全長130m前方部幅50m後円部幅61m 高さ9mで、前方部
頂上に石碑と三等三角点341.64mがありました。 

清少納言が枕草子第十七段に
「みささぎは うぐひすのみささぎ 
     かしはぎのみささぎ あめのみささぎ」の
「うぐひすのみささぎ」がこの古墳で、元明陵と記すが?
仁徳天皇皇后の磐之姫陵説もあったようです。

天気が良く、風もなかったので展望台でゆっくりと。