気軽に茶道をしてます。

日々のお稽古とともに、できるだけ手作りのお菓子で
お茶を楽しんでいる様子や、四季折々の変化もお伝えします。

幻の菓子、良寛様お好み白雪糕(はくせつこう)を

2015-07-09 00:06:59 | 主菓子とお干菓子
 
包装紙には行灯の前で本を読む良寛さんの姿とともに、歌が添えられております。
世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞ我はまされる
・・・世間と交際しないというわけではないが、
   独り気ままに暮らすのが私には合っているのである。・・・
  右に歌が  
幻とされる良寛様お好み、白雪糕(はくせつこう)を頂きました。
良寛さんが出身地、新潟・出雲崎を偲び、滋養に富む
白雪糕をほしいとの手紙を出されているこのお菓子は、
三百年前の『和僕三才図会』白雪糕の項によると、今の落雁様でありますが、
生米で作られており、面倒な菓子のため忘れ去られたそうです。

昭和五年になり、出身地、出雲崎の大黒屋さんが、
『和僕三才図会』を参照して、菓子として日持ちさせるために、
炒ったもち米とうるち米を使用し、再現されております。

茶の菓子としてよく使われる落雁の由来は中国からともいわれており、
薬・滋養として発展し、良寛さんが白雪糕を所望されたのも、
身を寄せていらした家の赤ん坊のためだそうです。
良寛さんは後世、評価が分かれておりますが、
人を思っておられるこのエピソードからも
私には子供と手まりをつくイメージそのものです。
また関西では落雁のことを”はくせんこ”と呼びますが、
この”白雪糕(はくせつこう)”からなのですね。

なかなか訪れる機会のない新潟へもうかがいたいものです。