雨の中、大和文華館を訪れました。
花の美術館として有名ですが、今は花の少ない季節で、
写真の花々が、(うつぎ、あじさい、サルスベリも)
むくげ 芙蓉(左にカミキリ)アメリカフヨウ(白)
アメリカフヨウ(ピンク)ヤマユリ(鳳来寺ユリ)
館内では学芸員、宮崎ももさんからまず最初に
当館所蔵品(陶磁器は約140点から90点)のみの展覧会だが、
各館長らが、バランスよく作品を所蔵し続けております。
しかし今展示は二つの分野の作品がありません。
一つは施釉陶(かいゆうとう)の、
奈良から平安時代にかけての作品を所蔵していないこと。
二つ目は、京焼の乾山以前の仁清らの色絵の優美さに比べられる
乾山のさび絵(絵は兄:光琳、乾山は字や形)の作品が、
琳派400年(サントリー美術館)へ出展のため展示できないとのこと。
乾山(夕顔文)
それを補うためスライドで丁寧に説明を受けました。
その後、作品を前に丁寧に説明をしていただきました。
日本の焼き物の歴史は縄文(16500年前)から延々と続いており
・土器の誕生から展開
(縄文土器、弥生土器、土師器:古墳時代)
重要文化財の鷹狩男子像・埴輪があります。
・須恵器と施釉陶の誕生(古墳~平安)
自然釉から人口釉へ、そしてロクロの使用
須恵器奈良二彩
・焼締陶と施釉陶の隆盛(鎌倉~室町)
ロクロをやめている。六古窯の誕生
信楽
・茶陶の隆盛(桃山~江戸前期)
わび茶の世界が広がります。
黒織部沓茶碗 志野柳文鉢
・磁器の誕生と展開(江戸前期~後期)
柿右衛門(有田) 鍋島
・色絵陶器の誕生と展開(江戸前期~明治初期)
京焼の名人が、金沢(春日山)・大津(湖南)・淡路
紀州(偕楽園)・奈良(赤膚)そして薩摩へ技術指導。
特に金襴手は江戸後期には京都へ逆もどり、京薩摩の誕生。
おしどり香合(仁清)春日山焼(青木木米) 薩摩
なかなかの熱弁で、次から次へとあっという間に終了。
ゆっくりと、もう一度館内を回りましたが、
おしどり香合を含む、すばらしい香合もあり、必見ですね。
人も少なく、ゆっくりと焼き物の歴史が感じられました。