以前、NHKで長岡輝子さんの特集を見たことがあります。102歳で亡くなられた長岡輝子さんは、生涯輝いていらっしゃいました。
日本ヨーガ学会の全国大会で、ご講演をお願いしたこともあります。
宮沢賢治さんの「雨ニモ負ケズ」の朗読は長岡さんを越える方はもう現れないのではないでしょうか。
さて、その、NHKの番組で長岡さんが朗読した読み人知らずの詩も素晴らしかったのです。
奇しくも、その詩に、再び遭遇しました。
「ヨーガの四季」の編集の合間、気分転換に観た映画「ツナグ」です。
原作は直木賞作家の辻村深月さん。時々、コメントをくださる小林美加子さんの従姉妹にあたるかたです。
人を愛することがこれほど切なく美しいものなのか…を改めて感じさせてくれます。
深月さん自身がお若い世代なので、乙女な部分も魅力の一つですが、大人の苦悩や年を重ねる美しさもよく描かれています。素晴らしき女流作家です。
私たちは目に見えることしか信じることができませんが、目に見えないものの力は確かにあります。
村上和雄先生は、サムシング・グレートと名づけました。
この目に見えないものを作品にしたのですね。
「目に見えてるものだけが真実ではない。大事なことは心で見る」というセリフが、この小説、映画のテーマの一つでしょう。
樹木希林さんはスゴイ女優さんです。セリフの間合いが素晴らしい!
劇中で孫と掛け合いに使う詩とエンディングに流れる詩が、何と長岡輝子さんの朗読されていた、あの詩と同じでした。
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この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり
働きたいけれども休み
喋りたいけれども黙り
失望しそうな時に希望し
従順に平静に己の十字架をになう
若者が元気一杯で神の道を歩むのを見ても妬まず
人の為に働くよりも
謙虚に人の世話になり
弱って、もはや 人の為に役立たずとも
親切で柔和であることー
老いの重荷は神の賜物
古びた心に、これで最後の磨きをかける
まことのふるさとに行くためにー
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これはヘルマン・ホイヴェルス神父の著書からの抜粋「最上のわざ」の一部分だそうです。
樹木希林さんは長岡輝子さんがよく舞台で朗読していた、この詩を映画に提案したとか…。
映画はいいですね。心が豊かになります。落ちついたら小説も読んでみようと思っています。
中標津に着き、ホテルでゆっくりしています。車の騒音も何もない静かなホテルです。(荻山貴美子)
「最上のわざ」原作にはなく樹木希林さんが映画に起用することを提案されたと従妹より聞きました。私も映画をみて、この詩にとても感動しました。
「ツナグ」映画も原作もそれぞれ感動があり、従妹の作品のなかで私が一番お気に入りの作品です。どうかたくさんの方に見ていただきたいと思います。ありがとうございましたm(__)m
老いの過ごし方は皆、人それぞれですが、この様な心がけも又一理かな。何てことも感じます。
若い辻村さんを、これからも、見守ってみたいと思います。
最適ではないかと・・内心思いました。
今日、ブログを拝見して同じ琴線を感じて(生意気を申してすみません)メールを書き
ました。
残念ながら「ツナグ」はまだ拝見しておりませんが、『最上のわざ』という詩には出
会っておりました。
たまたま私が感動して紹介した 渡辺 和子著 「置かれた場所で咲きなさい」(p.
121) に出てきた
『最上のわざ』ということばを見て 生徒さんの一人がインターネットからプリント
したものを紹介してくださいました。
念のため私もネットで調べて大変感動しました。
26日の池袋の師範科で先生がポーズの説明の中で「病気で動けなくても合掌はでき
ますね」とおっしゃった時に
この詩を思い出して「あっ」と思いました。
先生はヘルマン・ホイヴェルス神父と同じことを感じておっしゃっていると。
そして今日拝見したブログで引用していらっしゃる詩に感動なさったことを知り
素晴らしい得難いグルに出会っている幸せを感じ、思わずメールしてしまいました。
ありがとうございました。