インド映画「バーフバリ」を観ました。モチーフは二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』で、インド神話的な英雄物語でした。
さて、今日は猿王のムドラー(ハヌマーン・ムドラー)をご紹介します。
このムドラーのモチーフは『ラーマーヤナ』です。
『ラーマーヤナ』は「ラーマ王の所行伝」という意味で、全編、善と悪が戦いを繰り広げています。ラーマは正義をあらわし、ラーヴァナは虚偽をあらわします。
コーサラ国の首都アヨーディヤーに王子として生まれたラーマは、異母弟バラタの母カイケーイーの策略のため、追放され、妻のシーターと異母弟ラクシュマナとともに森に退きました。ラーマは森の悪魔を退治しましたが、これに魔王ラーヴァナが怒り、美しいシーターを気にいっていた彼は、策を用いてシーターを誘拐してしまいます。
ラーマはシーターを探す旅の途中で、猿の王位継承のいさかいに介入し、猿族の援助を受けることになります。ラーマは、猿族の中でもっとも武勇にたけた風神ヴァーユの化身ハヌマーンの力を得て、ついにシーターの居場所を突き止め、猿の群勢とともにランカー島に渡り、激しい戦闘の結果ラーヴァナを殺し、シーターを奪還します。
ところが、監禁中の貞節を疑われたため、シーターは火の中に身を投じます。しかし、火の神アグニによって、その潔白清浄であることを証明され、無事に火の中から出てきます。
かくしてラーマはアヨーディヤーに凱旋し、国民の歓呼の中で王位につきます。
猿王はハヌマーンのことです。
ハヌマーンの顔はルビーのように光り輝き、吠える声は勇ましく、天空を飛翔して力が強く、インドではとても人気のある神様です。
ハヌマーンムドラーをご一緒に楽しみましょう。