”外断熱” ~人に勧めるなら自分から~

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今年も子供たちは元気いっぱい!!
乗るゼGT-R、MY・・・15!?

熱容量とは

2006-11-19 22:56:01 | Weblog

内気温 16.2℃ 湿度 61.4% アルミサッシ室内側温度 10.1℃

みなさん、こんばんわ。

今日は雨なので、屋外の気温・湿度測定はしていません。
単に雨に濡れたくないだけなんですが・・・

ただ、たぶんサッシの温度と外気温は一緒だと思います。
(気になって調べてみたら、10.3℃でした)

■熱容量について

木造とRC造は熱容量が違うので・・・
という話をよく耳にします。

私は理科系でありながら物理・化学はまったくだめだったので、以前投稿した輻射熱同様苦手な話です。

みなさん、室内には素材として、壁紙や木製家具、鉄製家具、スイッチボックスなどいろいろありますよね。
室内温度が仮に21℃だとして、それらの温度って何℃だか知っていますか?

触ってみると、みんな温度が違うように感じませんか?

でも、みんな21℃±1℃くらいに収まっているはずです。

つまり、どんな素材であれ、時間をかければ気温に追従するということなんです。

この時間をかければ・・・というのが熱容量と熱伝導が関係します。

熱容量は熱を蓄える量、熱伝導は熱を伝える速さとなり、熱容量が大きくかつ熱伝導率が小さければ、その材質の温度変化は鈍いと言うことになります。

同じ表面温度なのに、触った感触として温度の違いを感じるのは、熱伝導率が違うからと言うことになります。

まあ、この疑問はキッチンの床をタイルにすると寒い感じがするという話から始まったんですけどね。
フローリングでもタイルでも同じ表面温度なのにタイルの方が寒い・・・
それは熱伝導率が違い、かつ熱容量も違うのでいつまで経っても、寒くないと感じるまでにならないということです。

ちなみに、逆を言えばキッチンをタイル張りにした場合、床暖房をセットにしたらフローリングの床暖房よりスイッチを切った後も暖かさを維持できますよね。
(厚いタイルにすれば質量が増え、熱容量も増えます)

室内温度は、気温とそういった室内の素材温度の中間で体感します。
つまり、気温21℃、素材温度10℃であれば、体感温度は15.5℃となります。

外断熱住宅の場合、コンクリート壁が内側に露出しますので、熱容量の高いこの素材は蓄熱するのに時間がかかります。

ですから、木造住宅と違って、素材がすぐに気温に追従しないため、エアコンを連続運転しないと快適性が損なわれてしまいます。

逆に、一度気温とコンクリートが同調すれば、なかなか温度が変化しないため、エアコンを切ってすぐ寒くなるようなことがなくなります。

ちなみに、空気(+水蒸気)も熱容量がありますので、本来すぐに冷えるものでもないんですが、換気や漏気、断熱不足による素材温度の低下などで室内が冷え込むことになります。

また、床暖房は輻射熱なので、空気は暖まりません。
よくモデルハウスに行くと、
「床暖房をしているから、空気が暖まります」
なんて言いますが、あれはウソです。

輻射熱は物体に衝突して熱エネルギーとなるので、言わば室内の素材温度を上昇させます。
室内気温が15℃でも、素材温度が25度ならば体感温度は20度になります。


科学者として

2006-11-19 00:11:24 | Weblog

外気温 14.4℃ 湿度 55.4% アルミサッシ外部側温度 13.8℃
内気温 17.3℃ 湿度 58.2% アルミサッシ内部側温度 13.7℃

みなさん、こんばんわ。

コンクリートやサッシ、クロスや木材など、気温に対してどのくらいの温度を持っているのか知りたくなったので、非接触式表面温度計を使っていろいろ計測しています。

今回は、断熱性がないと言われるアルミサッシの内外面温度を掲載しました。
これを見る限り、アルミ自体が外気温に影響されているのが分りますよね。
外気温が下がっていけば、アルミ内部側温度も追従して下がると思います。

■まだまだ換気の話

さて、トイレの話が続いたら、今度は換気が続くのか・・・なんて言わず、更に換気の話。

そもそも、換気でこんなに悩むこと自体がおかしい。
問題は、提示されたものに”なぜ”を投げかけても納得する”回答”がないから。

私は不動産業界に入る前は某印刷会社の技術系でした。
とある”水のろ過”のプロフェッショナルの方とお会いしたときの話。

「我々は科学者なんだから、科学の対象について理論的な説明と考察が必要」

と指摘されたことがあります。

科学の対象とは、
「ある仮説に対して、その仮説が間違っていることを証明することができるもの」
とあります。

”換気”はまさに科学であり、水の流れと同じく流体力学で計算が可能なはず。

しかも、”換気”は人間にとって有害な物質を屋外に排出し、または外気を取り入れることで有害物質を薄める”というまさに絶対必要条件なもの。

それを、電気設備工事に任せて予算面と表面的な性能だけで換気システムを選択していることが大きな問題だと思います。

建売住宅などでは、気密性能の低い建物にシックハウス法の施行で仕方なく各部屋個別に吸気口と機械排気をつけている、などは”ざら”にあります。

24時間換気が義務化しているんですから、どうして義務化したのか、建築中の建物の気密性に対して最適な換気計画の構築など、よく考えてもらいたいものです。

すみません、除湿すべき地下室の換気扇に、全熱交換型換気扇が付いていて、ちょっと呆れてしまいまして・・・ みなさんは怒る理由分かって頂けますよね?
そうです、全熱交換は室内の水蒸気を屋外に出さず、室内に戻してしまうからです。

続いて可変性の話。

可変性とは、将来の家族構成の変化や、健常でなくなった場合などで”間取変更”が必要となった場合の改造の可能性を言います。

例えば、子供部屋2つが間仕切られていた場合、子供が家を出てしまえば1つの部屋にできるよう、間仕切壁を解体できるようにするとか。

コンクリート造の建物の場合、更にシビアに計画する必要があります。

マンションなどは、スラブ階高を高くして、床下の配管を引き直せるようにしたり、壁を木構造にしたり。

建築中の外断熱住宅は、外壁で耐力を取る構造とし、間仕切りはほぼ木構造としています。
ただ、家族の変化には対応できるんでしょうが、配管ルートの変更が出来ません。
マンションのように、床スラブの上に配管を通せば出来るんですが、建築中の建物は、スラブの下に配管が走ります。つまり、水周りの配置を替えるには、スラブを貫通させなくてはなりません。

スラブ下に配管を通すのは、メンテナンス性の確保として、床をはがさなくても下の階の天上裏で配管交換ができることを狙ったものなんです。

メンテナンス性を優先して可変性をスポイルさせている、ということになりますが、水回りの位置の変更や増設はできない分、逆にそのような必要がないように廊下やトイレを広くし、エレベーター室を確保しているというわけです。

地下室を作らなければスラブ階高を高くできたんでしょうが、地下室のメリットを求めた結果ですから、切り捨てる部分はどうしても出てきてしまいますね。