みなさん、こんばんわ。
引渡しを受ける予定の7月は、近年ではかなり暑くなる時期という事で、引渡しまでにはエアコンの取り付けを終了しておきたいところ。
建築中の外断熱住宅の断熱性能を、Q値=2.5W/㎡Kと推測した場合、1階フロアの空調を必要とする面積が約70㎡なので、1℃当たり熱量が、
2.5W/㎡K×70㎡×1K(℃)=175W
となりますよね。
今年の関東地方は暖かかったこともあり、私が測定した範囲でも12℃を下回ることはなかったんですが、仮に0℃から20℃に室温を上げるとしても、
(20℃-0℃)×175W=3500W
ということになります。
エアコンの選定から考えると、3.6kwの商品ということになるんですが、ラインナップから見ると、2.2kw、2.8kw、4.0kw、5.0kwというのが”売れ線”の商品のため、無理に3.6kwのエアコンを選ぶよりも、4.0kwのエアコンの方が安かったりします。
量販店でエアコンを見ていると、大体営業の方が、
「お部屋の広さは・・・構造は・・・一戸建てですか?」
なんて聞いてきますが、質問の通りに答えていると、
「それだけの広さなら、7kw以上のエアコンが必要ですねぇ」
と言ってきます。
熱量の計算から、4.0kwの商品を選びたいと言っても、
「それじゃ、まったくエアコンが効かない!」とか、
「いくら高断熱だって、その出力のエアコンを選ぶなんて聞いたことがない」
とか言われます。
こんなこといちいち説明するのも面倒だし、電化製品の営業マン相手に住宅のことを言っても埒があかないので、最近では部屋の広さとかを伝えることはしなくなってしまいました。
さて、エアコンをどう選ぶかなんですが、いろいろと問題があります。
エアコンの冷媒管とドレーン管は、マンションなどと同様の隠蔽配管になっています。
画像を見ていただくと、冷媒管が2本、ドレーン管が1本見えますよね。
こんな感じで、屋外に置かれる室外機と接続されます。
隠蔽配管ですから、この配管は床や壁を剥がさない限りこのまま使い続けることになります。
隠蔽配管は配管交換ができないことが前提なので、エアコンメーカーによって、冷媒管内の清掃または管そのものの交換が絶対条件であったりすると、先々の商品選定が限られてしまいます。
ナショナル製のエアコンなどは、冷媒管の交換が必要ないようですけどね。
今回、問題になっているのは、セルフクリーニング機能付きのエアコンです。
いわゆる、お掃除機能付きといエアコンですね。
このお掃除機能のポイントは、単にエアコンの掃除をする、ということだけではないんです。
というのは、エアコンの室内機にフィルターが入っているかと思います。
このフィルター、取扱説明書には掃除機などできれいにして下さい!なんて書いてありますが、実は、ユーザーは掃除なんかしないだろうということを前提に付けています。(たぶん)
あのフィルターって、やけに目が粗いと思いませんか?
本来、フィルターは目が細かくて初めて埃をキャッチできるんですが、目を細かくしてしまうと頻繁に掃除をしないと詰まってしまい、エアコンの能力ダウンに影響してしまいます。
メーカーサイドとしては、能力ダウンを指摘されるよりは、目を粗くしてエアコンに埃がたまる方がまだマシということもあるのではないかと思います。
しかし、お掃除機能付きのエアコンは、機械がフィルター清掃することを前提に作られているので、フィルターの目を細かくすることができます。
ですから、フィルターをお掃除機能できれいに保つということよりも、フィルターの目が細かくなっている ということがミソなんですね。
また、この話にはさらに続きがあります。
お掃除機能付きエアコンには、取った埃を外気に開放するタイプと、室内機内に取り付けられたゴミ受けで回収するものの2つのタイプがあります。
後者は、三菱、日立、富士通ゼネラルで、前者はその他のメーカーとなっているようです。
取った埃を外気に開放するというのは、いちいち埃を捨てる手間が省けるということなんですが、これは、エアコンに空気清浄機能を追加し、汚れた空気を大気に開放すると同時に埃も放出する、という形を取っています。
つまり、大気開放型は、冷媒管、ドレーン管のほかに もう一つ配管が必要なんです。
うちやマンションのような隠蔽配管では、基本的に2種類3本の配管しか通していませんから、大気開放型のエアコンは使えないということになります。
そのため、今後隠蔽配管のある建物には、第3の配管を用意する必要があるということでしょう。
お掃除機能のない、普通の冷暖房であれば関係ないんですが、COP
(入力したエネルギーに対して、どのくらいのエネルギーを出力できるかの係数。数字が高いほど、効率が良い)
の高いエアコンは、商品ラインナップとしてはお掃除機能付きエアコンとなっているんです。
付加価値の高いエアコンに、より良いコンプレッサーを備えている、という感じでしょうか。
うちは、画像にあるとおり、現在は2種類3本の配管が準備されています。
現場監督も、そんなエアコンがあることは知らなかった様子。
排気管をつけるなら今しかないんですが、来週火曜日に、設備業者と急遽打ち合わせをすることになりました。