その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

週末コラム 17

2013年02月16日 | Weblog

 

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週末コラム 17

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今週も鳥の話題で「世界の鳥文化」

世界的に文化的ポテンシャルの高い一神教で

最初に登場するのはカラスのようです

旧約聖書の世界では、大洪水の折、ノアの方舟の上で

最初に放たれた鳥は、カラスでした

しかし、カラスは方舟には戻らず、次いで放たれたハトが

オリーブの若葉をくわえて戻り、ノアの期待にこたえました

航海の際に、鳥を放して陸地を探索するのは

古代バビロンの航海術で、ウト・ナピシュテムという賢人が

ノアの方舟とまったく同じやり方で、大洪水から動物たちを救護しています

カラスは、旧約聖書では「悪い鳥」の筆頭に挙げられていますが

環太平洋モンゴル文化では

(シベリアから北アメリカのインディアン、南米アステカ文化)

太陽の中に3本足のカラスがいるという神話があります

インドからインドネシアにかけては、鳥面人身のガルータというワシが

神格を備え、国営ガルータ・インドネシア航空のマークでおなじみですね

古代エジプトの文化では、ハヤブサが神格を備え

隼面人身の図柄が有名ですね

鳥を神格化する文化は、ほかにもまだ沢山あります

聖書に登場する鳥は30種類、万葉集に詠まれる鳥は57種

人間の文化と深いかかわりがある動物なんですね

 

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おおいぬふぐり

2013年02月15日 | Weblog

 

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おおいぬふぐり

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空色小花

空色の花をつけるオオイヌフグリ

和名の起こりは実の形から発しています

学名はペロニカ・ペルシカといい、ペルシャのぺロシカの意味

ペロニカとは、処刑されるためにゴルゴダの丘にひかれてゆく

イエスに布を捧げたパレスチナの女性の名前

そして、その布はイエスの血に染まります

「夕づける風冷えそめぬみちばたの

   空色小花みなみなつぼむ」  木下利玄

千葉県柏では、花を愛でるどこかの団地の主婦たちが

提案して「ホシノヒトミ」と名付け、広まっているとか

明治の半ばごろ日本に入ってきた帰化植物ですが

今ではすっかり春の花として定着しました

いよいよ春の花が足元の草から木の枝から競い合って

花を咲かせようとしています

待ちに待った春が間もなく開演です

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紅梅

2013年02月14日 | Weblog

 

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紅梅

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 平安時代に中国から渡来した紅梅

白梅よりも一般的に少し遅れて咲きます

今年は白梅が咲いて、2日目に紅梅が咲きました

白梅の気品高さに比べると、あでやかで幹もほっそりと優しいですね

剪定の時に知ったのですが、枝を切ると

木の髄も紅色をしてるんですね

紅梅といっても品種が沢山あって多彩です

一重から八重、枝垂れなど、又花色も紅、濃い紅、深紅

バリエーションが豊かな花です

白梅は実も取りますが、紅梅はもっぱら鑑賞用

そしてあでやかな分香は白梅に劣ります

「くれなゐのゆく手となりぬ梅の道」 井沢正江

「紅梅に引寄せられて歩みけり」 赤羽からす

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スノードロップ

2013年02月13日 | Weblog

 

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スノードロップ

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地中海原産の球根草

水仙に似た葉の間から10cmほどの茎が伸びて

白い3弁の花びらが下を向いて一個開きます

スノードロップとは雪の雫の意味で、雪のあるうちに咲くので

ユキノハナとかマツユキソウの和名があります

似た花にスノーフレークがありますが

この花は背が高く、3~8個の花をつけます

白い花が清楚ではかなげで・・雪の雫のようですね

今年は昨年よりも随分と背が低く5~6cmほどで

雨の雫で地面の土が花びらに跳ね返ります

「スノードロップ雪なき年は小さく咲く」 谷野夏山

「スノードロップ夜は涙のかたちして」 早崎信子

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鶯(ウグイス)

2013年02月12日 | Weblog

 

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鶯(ウグイス)

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梅に鶯といえば散り合わせの良い二つのものの例です

どちらも古くから日本人に好まれ

鶯には、「春告鳥」「匂鳥」「歌詠鳥」「花見鳥」など

沢山の異名があります

2月頃の、ホーホケキョの鳴き声は、雄が雌を誘う囀りで

その第一声を「初音」と呼び珍重します

「経読鳥」の呼び名も、この鳴き声を法華経に引っかけたものです

ケキョと鳴くのは「鶯の谷渡り」といい

時鳥8ほととぎす)が生んだ卵を鶯の巣に託す習性から

模倣性の強い鶯が時鳥の声を真似るためといわれています

鶯に関連する季語に「老鶯(オイウグイス)」がありこれは夏の季語です

又冬の季語には「笹鳴(ささなき)」というのもあります

「鶯の啼くや小さき口明けて」 与謝 蕪村

「うぐひすや一寸鳴いてみ隠れてみ」 藤森かずを 

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蕗の薹(フキノトウ)

2013年02月11日 | Weblog

 

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蕗の薹(フキノトウ)

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キク科の多年草 早春に川岸や田畑の土手など

毎年違った場所で発見して、こんなところにもあったと

見つけては春が来ていることを喜びます

土や折り重なった木の葉を押し上げて顔をお出します

これは、花茎で、大きな鱗状苞が重なっています

これが次第にほぐれて、小頭花が散房状に集まって開きます

雌雄があり、ふっくらとしているのは雌の花茎、雄の花茎は細い

植物園にも咲くのですが、見つけた翌日また写し直しに行くと

もう摘まれていて跡形もなくなっています

植物園ですからちぎって持って行くのはやめてほしいものですが

平気で持って帰って食すんですね・・さぞや苦いだろうと(笑)

小川の土手に咲くフキノトウは早春の水音を交えて音楽的です 

「見つけたる夕日の端の蕗の薹」 柴田白葉女

「長病みの母に摘みけり蕗の薹」 青柳照葉 

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週末コラム 16

2013年02月09日 | Weblog

 

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週末コラム 16

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美人の裏面

今週末の話題も鳥の話で・・・

カワセミという鳥を皆様ご存知ですよね

生きている宝石といわれるほど美しい小鳥

別名を「ヒスイ」といわれ、漢字では「翡翠」とかきます

「翡」 は雄のカワセミを、「翠」は雌のカワセミを指します

ともに羽が入っている文字ですから鳥類を意味します

宝石のヒスイはあとから「カワセミのようにうつくしい」ことから命名

このカワセミは美男美女の権化のような存在なので

近づいたらきっと馥郁とした香りが漂うと思いがちですが実は、猛烈な悪臭がします

英語では「Kingfisher」といい漁師の王様という意味です

東北の一部では、この鳥のことを「クサンポ鳥」といいます

臭い鳥という意味です

成鳥は水中に飛び込んで魚を捕らえるので

絶えず羽づくろいをして身綺麗にしていますが、繁殖期の巣の中は

魚の腐ったにおいに満ち溢れています

魚を消化した液状の糞を、雛が巣の出入り口に向かって射出します

巣穴の坑道は外に向かってゆるい下りになっているので

糞は、白いペイントのように坑道を流れ

雛が巣立つ頃には外に流れ出てきます

その臭いこと、百年の恋も冷めてしまうほど・・

又成鳥が魚を捕まえると岩や木の枝に叩きつけて殺します

そんな情け容赦のない殺しかたは、息のつまる残酷さです

しかし、雄は最愛の雌にとらえた魚をプレゼントします

雌が飲み込みやすいように必ず

魚の頭の方から口移しに渡します、心なごむ瞬間です

この時期は、カワセミの甲高いピッという鳴き声とともに

精力的に魚を捕まえます

ちなみの雄雌の見分け方は、嘴の下側が赤いのが雌、黒いのが雄です

お近くの川や池で見かけることが多くなりますので

ぜひ観察してみいてください

 

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2013年02月08日 | Weblog

 

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 奈良時代以降に日本に渡来したといわれる梅

梅は見る時期で趣が変わり長い間楽しめる春の花ですね

野生化して物も含めて300種以上ある梅

その花が一輪だけ咲きました

いよいよ梅に季節がやってきます

梅は朝方たくさんの気を放出します

梅を見るなら午前中といわれる所以ですね

梅は白と赤・・色分けがはっきりしていて気持ちがいいね

 

「白梅と紅梅の枝と空に逢ふ」 原裕

「勇気こそ地の塩なれや梅真白」 中村草田男

 

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春浅し

2013年02月07日 | Weblog

 

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春浅し

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暦の上では立春が過ぎたものの、本格的な春ではありません

今年は、関東地方にも、雪が積もったりしてます

僅かながら春らしさを心に感じていても

まだ冬の厳しい寒さを引きずっている頃を言います

「春浅し」には、「行く春」「春惜しむ」などのような

深い情感を込めた同義語がたくさんあります

「春浅し」には、情を込めて飾る言葉はほとんどありません

季語として使われたのはずいぶん遅く明治に入ってからだそうです

しかし、春の兆しを感じることには変わりがありません

暖かい地方では、梅が芽吹き、空にはメジロが飛び交います

雪の中にフキノトウを見つけるのもこのころ

「早春」という季語がありますが、「春浅し」の方が柔らかな感じですね

写真は「フキタンポポ」ですが、名前を目にする機会が少ないかも

少し説明をします

科名:キク科 属名:フキタンポポ属

和名:蕗蒲公英 款冬:(カントウ)  学名:Tussilago farfara

ヨーロッパ、シベリア、中国、北アメリカ、カナダの道端、荒地などで見られるそうです

日本では、観賞用に栽培され、一部野生化もしているそうです

花は、陽があたると開き、夕方には閉じます

 
花後に、フキに似た葉が生長します 
早春に花を、夏に葉を採取

花を乾燥したものを、漢方の生薬(しょうやく)名で款冬花(かんとうか)と呼びます

「木より木にかよへる風の春浅き」 臼田 亜浪

「浅春や大川の色動かざる」 立松けい

 

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フクジュソウ

2013年02月06日 | Weblog

 

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フクジュソウ

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 陰暦だと新春に花が開くところから

福寿草、元日草などの名前があり、凍った土をあげて咲きます

元々日本に野生する宿根草で、根茎から短い茎を立てて

菊に似た黄色で可憐でふくよかな花を開きます

朝開花して夕方眠る花で、茎も短いために

鉢植えに適していて、ひげ根が沢山あり強い生命力があります

盆栽にして正月用品売り場などにも並びます

「福寿草家族のごとくかたまれり」 福田蓼汀

「日のあたる窓の障子や福寿草」 永井荷風

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