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空蝉
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蝉の種類だと思っている方がいた
まじめな顔で聞かれてびっくりしましたが
これは蝉の抜け殻のことです
このう空蝉という言葉は
平安時代から使われ始めたそうです
もともとは、「現し身(うつしみ)」からの変化だそうです
長くて十数年とも言われる蝉の地中での生活
孵化した幼虫の抜け殻は
その年々で数の多さも変わりますが
今年も随分と枝の橋や草の茎壁などに残されています
人々にとって、この空蝉は
何かしら哀れさを誘うようで詩歌の題材になります
又歌の枕詞として「わびし」「むなし」などにかかります
源氏物語に出てくる空蝉は~
空蝉という女性に思いを寄せる源氏の思いを拒み
薄衣を一枚残して姿を消します
その薄衣が蝉の抜け殻にたとえられているものですが
俳句でも明治以降たくさん詠まれています
「空蝉のいづれも力抜かずゐる」 阿部みどり女
「空蝉を葉毎につけて隠れ蓑」 松野ひろし
「今しがたぬけ出たらしき蝉の殻」 藤田志津子
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