その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

空蝉

2012年08月15日 | Weblog

 

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空蝉

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蝉の種類だと思っている方がいた

まじめな顔で聞かれてびっくりしましたが

これは蝉の抜け殻のことです

このう空蝉という言葉は

平安時代から使われ始めたそうです

もともとは、「現し身(うつしみ)」からの変化だそうです

長くて十数年とも言われる蝉の地中での生活

孵化した幼虫の抜け殻は

その年々で数の多さも変わりますが

今年も随分と枝の橋や草の茎壁などに残されています

人々にとって、この空蝉は

何かしら哀れさを誘うようで詩歌の題材になります

又歌の枕詞として「わびし」「むなし」などにかかります

源氏物語に出てくる空蝉は~

空蝉という女性に思いを寄せる源氏の思いを拒み

薄衣を一枚残して姿を消します

その薄衣が蝉の抜け殻にたとえられているものですが

俳句でも明治以降たくさん詠まれています

 

「空蝉のいづれも力抜かずゐる」 阿部みどり女

「空蝉を葉毎につけて隠れ蓑」 松野ひろし

「今しがたぬけ出たらしき蝉の殻」 藤田志津子

 

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