その日その時 写真で見る歳時記

気ままに写した写真に気ままな言葉たちの集まり

諸葛菜(しょかつさい)

2012年04月18日 | Weblog

 

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諸葛菜

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この花も江戸時代に日本にやってきました

観賞用に栽培されていましたが、野生化したものが増えています

別名「むらさきはなな」「おおあらせいとう」「花大根」

花大根については三国時代に諸葛孔明が

栽培して奨励したことでなが知れ渡っています

「花大根」は「大根の花」とは別物で混同している人もいます

 

俳句春の季語になっていて緑の葉と紫の花が

美しいコントラストを醸し出します

「諸葛菜大空の色たたへ咲く」 邊見京子

「諸葛菜咲き伏したるに又風雨」 木原秋櫻子

 

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貝母の花(ばいものはな)

2012年04月17日 | Weblog

 

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貝母(ばいも)の花

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中国原産で日本へは江戸時代に来たそうです

別名を「編笠ゆり」「春ゆり」「初ゆり」「母栗」などといいます

昔は鱗茎を漢方薬として用いていたようです

野山に自生している小型のコバイモですが

最近はすっかり見なくなって久しいですが

葉の形やうつむいて咲く姿が面白いはなです

黒ユリと同じ仲間です

・・・ 

「やうやうに咲きし貝母はさびしき花」  森田峠

「母の座はあるときさびし貝母咲く」 柴原未智代

 

 

 

 

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青木の花

2012年04月16日 | Weblog

 

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青木の花

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青木は日本各地の山地に自生していたり

庭木として栽培されてきました

年間を通じて葉が青くまた枝が青いため名がついたそうです

雌雄異株で小さな飾りボタンのような花が咲きます

秋には真っ赤な実がなり、この実はよく知ってるけれど

花についてはあまり見たことがないと~

花自体が小さいので気がつかないだけでしょうが

今の時期にたくさん花をつけます

俳句の春の季語にもなっているほど身近な花です

 

 写真は上が雄花 下が雌花

 

 

 

「青木咲きしづかに妻の日曜日」 大屋達治

「降り出して森昏くなる花青木」 内山俊子

 

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土曜トピックス 28

2012年04月14日 | Weblog

 

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土曜トピックス 28

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今日の土曜トピックスの題材は

見方を変えると~について

 

「年々歳々花相似たり・・」という言葉があります

この後に続く言葉は・・「歳々年々人同じからず」と続きます

口調がよいことから昔から親しまれた漢詩の一部です

その意味は「花は、毎年似たように咲くが

それを見ている人間の方は同じではない」と

誰しもこんな感慨を抱いたことがあるはずですが

ゆっくり考えてみると、これは科学的に考えても

正しい比較ではないと思う

花のほうだって、年々歳々変わるのであり

むしろ人間の方が、年々歳々相も変わらず

桜の下でどんちゃん騒ぎをやっている

この詩の作者は劉廷芝(りゅうていし)という初唐の詩人です

老いの悲しみを訴えた作品だといいますが

この老人がどれほどの高齢だったかわかりませんが

その時に目の前で咲いていた花よりも

余命が短いとは考えられません

もうすぐ散る瀕死の花に向かって

「あなたはともかく、私は老い先短くて悲しい」といって嘆いてる

冗談ではないかなりいい気なものである

こういう勝手な思い込みを人間はよくします

例えば「早起きは三文の得」を英語圏では

「早起きの鳥は虫を捕まえる」というそうです

どちらも鳥目線というか鳥の肩を持ちすぎています

虫の方からすれば「早起きの虫は鳥につかまる」

とても三文の得どころではない

命までなくしてしまいます(笑)

一見正しそうなことも見る立場を変えると

まるで逆の見方ができます

最近のアンケートや報道機関のニュースは

どうもこの偏った見方をしてる気がしています

日頃から正しい判断を養っておきたいものです

新入社員が最近どうもこの傾向に

流されてる気がして話題にしてみました

 

写真は「チシオモミジ」という楓ですが

すべての植物が春には新緑になるのではない

この楓は若葉かこんなに赤いのです

 

楓類は赤い新芽から美しい緑になりそして秋にはまた赤くなります

つまり規定概念で春は新緑秋は紅葉

ばかりではないということですね

 

 

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木五倍の花(きぶしのはな)

2012年04月13日 | Weblog

 

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木五倍(きぶし)の花

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森の中を散策していると

鈴なりに小花をつけた花穂が風に揺れて

目に飛び込んできます

垂れさがる姿が簪飾りのようで美しい

この木は雌雄異株で雌花は中を覗くと

真ん中に雌しべがあり花の外へ少し突き出ています

雄花は8個の雄しべが目立ち

雌しべもありますが雄しべよりも短いです

写真は雌花 雄花がカメラでのぞける位置になくて

まだ今年は写せていません

秋にはブドウ状の実をつけますが

この実をヌルデの五倍子(フシ)の代用に

黒色染料として用いたことからついた名前だそうです

また江戸時代にはお歯黒の材料にも利用されたそうです

 

「枝しなひきしぶの金の鎖垂れ」 岡田日郎

「雨ながき十々里(とどり)が原の花きしぶ」 古舘曹人

「雨つたふ木五倍子の花のうすみどり」 古谷のぶ子

 

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勿忘草(わすれなぐさ)

2012年04月12日 | Weblog

 

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勿忘草(わすれなぐさ)

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今年はやっと花がついた

もう咲かないのかと思っているほど花が遅い

例年ならもうすっかり背が高く伸びてるのですが

今やっと花が出てきた程度

別名 藍微塵(あいみじん) ミヨソティス

歳時記の春の季語になっている花ですが

ヨーロッパ原産の花で

ドイツの伝説や名前が多く句に読まれています

 

「藍微塵遠き師の恋歌の恋」 石原八束

「小さう咲いて勿忘草や妹(いも)が許(もと)」 村上鬼城

 

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銀葉アカシア

2012年04月11日 | Weblog

 

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銀葉アカシア

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ギンヨウアカシア(銀葉アカシア、ミモザ) Acacia baileyana

原産地:オーストラリア 

別名「ミモザアカシア」 マメ科アカシア属

ミモザ(Mimosa)はオジギソウなどの植物の属名だそうです

葉が銀灰色をしているので 「銀葉(ぎんよう)アカシア」と呼ぶそうです

    料理で「ミモザサラダ」というのがあり、トマトの上にタマゴの黄身を

こまかくいっぱいかけた様子が、この花びらをふりかけたようすに

似ていることから、つけられたということらしいです

一般的に日本で呼んでいるアカシアはニセアカシアだそうです

フランスではこの銀葉アカシアから香料採取して香水にするそうです

俳句の世界では初春の季語にもなっています

今年は随分花が遅れて咲き方は地域によって

極端にずれがあるようです

 

「逢ふたびのミモザの花の遠げむり」 後藤比奈夫

「ミモーザの花の下にて海青き」 山口青邨

 

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れんげ

2012年04月10日 | Weblog

 

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れんげ

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マメ科の2年草ですが今年は咲くのが遅れて

やっと今頃花が咲き始めました

花びらがまだ下がったままですがやがて上向いて

ミツバチが飛び交うようになると

気温も上がるのだろうか

今年はかなり長い間寒さが続きます

昔は畑のあるところに行けば必ず見られた風景が

今では探してもなかなか見つからなくって来てます

4月半ばになっても

まだミツバチが活発に活躍する姿がまばら

歳時記などでは3月仲春の季語になっています

俳句では蓮華の花を

「げんげん」とか「げんげんばな」とか「げんげ田」

また「蓮華(れんげ)」を「紫雲英(げんげ)」と書きます

・・・

「野道行けばげんげんの束捨ててある」 正岡子規

「げんげ田に入りて先ずまろびけり」 松崎鉄之介 

 

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連翹(れんぎょう)

2012年04月09日 | Weblog

 

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連翹(れんぎょう)

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 モクセイ科の低木

中国原産で庭や垣根公園などにに植えられていますね

和名のレンギョウは漢名の音読みだそうです

しかし中国では「トモエソウ」のことで

誤って付けられたそうです

輝くばかりの鮮やかな黄花が春の喜びを感じさせます

同じ仲間に蔓が長く伸びるツルレンギョウもあります

日本への渡来は古く、平安初期には薬として

宮廷に献上されたと記されています

また、この花が好きで有名な詩人で彫刻家の

高村光太郎の4月2日は「光太郎忌」ですが

別名「連翹忌」とも言われます

 

「連翹に一閑張の机かな」 正岡子規

「吹き降りとなり連翹のいさぎよし」 菖蒲あや

「連翹の雨にいちまい戸をあけて」 長谷川素逝

「連翹の一枝づつの花ざかり」 星野立子

 

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土曜トピックス 27

2012年04月07日 | Weblog

 

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土曜トピックス

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桜の開花状況などは新聞でも報道されますが

その時に「さくら前線」という文字を目にしますが

さくら前線は季節学というものがあって

その中の「等期日線」の一種なんだそうです

ある季節現象が現れた日付を地図に記入して

その期日の等しいところを結んだ線が「等期日線」です

サクラの開花だけではなく、さまざまな現象について

「季節前線」が描かれています

季節学はフェノロジー(phenology)といい

フェノメノン(現象)の学問の意味ですが

気象的には季節変化する現象を指すそうです

主として動・植物を取り扱うので一般的には

「生物気候学」と訳されるそうです

そもそもの始まりはスウェーデンの博物学者リンネが

1751年に発表した「植物哲学」に始まるそうです

日本では古くは平安朝の観楼記録があり

江戸時代の歳時記類にも花の季節が記されていますが

季節学と呼べる扱いはされてなかったそうですが

1880年(明治十三年)当時の気象台所属の

内務省地理局が刊行した「気象観測法」には

生物季節の報告形式が定められているそうです

そして明治三十六年には燕の渡来日は緯度一度について

一・四日の割合でオク入れる論文が発表されているそうです

昔の桜前線図には南カラフトや朝鮮半島のサクラも描かれていて

桜前線の歴史を見るだけでもなんだかすごく楽しそうになってくる

そんな思いを込めて桜の進み具合を考えると

桜の花をぼ~っと見てるだけではいけないような

思いもかけないところにも学問があるんですね

 

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