観劇日:2007/6/16(土) 11:00~15:48
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階正面後方上手
1:妹背山婦女庭訓
小松原/花渡し/吉野川
◆配役
◆演目について
元は全五段の人形浄瑠璃で、今回の「小松原」は初段の一部、
「花渡し」「吉野川」(=山の段)は三段目に当たります。
ちなみに、先月の演舞場であったお三輪ちゃんの御殿の悲劇は
このあとの四段目に当たります。
初演時、歌舞伎に押されていた人形浄瑠璃が、この演目の上演で
イキを吹き返したとか。
◆のたりのねぼけ眼
自慢しちゃうと、ほぼ8割爆睡(^_^;)
いやー タイムテーブルみて、「2時間弱休みなしの「吉野川」は
危ないかもなぁ」 とは思ってたんですが、
初めて見る「小松原」「花渡し」に興味は結構あったのになぁ・・・<(ーー;)
そして、しまった、花道、両方とも、かろうじて本舞台と花道の
口のあたりが見えるだけで、ほぼ見えない(^_^;)
まぁ、「やっぱり」でもあったんだけど。
というわけで、以下、かろうじて目撃した部分から。
【小松原】
・梅玉さんの袴
花と紅葉の流水の刺繍入り。
狩に行く格好としちゃ 派手ではないかと。
蓑となんかアンバランスをかもし出してるし~(^_^;)
・歌六さんに似ている
姫のお付の腰元:小菊ちゃんが、なんとなく歌六さんに見えてしまうのは
私の気のせいなんだろうけど・・・(^_^;)
ちなみに演じているのは松本幸太郎さんです。
・吹矢の筒を使うと
矢を入れてフッとやりたくなるなぁ♪ とか思ってたら、
小菊ちゃんが ホントにやってくれた(^_^;)
・松江さんの赤っ面
うーん、格好は立派なんだけど、なんとなくセリフまわしが
ぎこちないような???
ここんとこ、いいなぁ~と思ってただけに、今回はそこが
ちょっと残念。
・せっかく
高麗蔵さんがお姫様だったのにっ!!
出てきたところは目撃したのに、気がついたら、梅玉さんと
引っ込むところだった~っ(/_;)
あぁぁ、釆女の局がいったいどうスジに関わってくるのか
ちっともわからない~っ"<(ーー;)>”
と思いましたが、幕間でイヤホンの解説でなんとか追いつきました(^_^;)
【花渡し】
最初は起きてたんです。
腰元に京妙さんがいる~っ とか、彦三郎さん、セリフが難しくて
セリフははっきりしてるのに、なに言ってるのか よくわからない~(ーー;)
とか思ってたんです。
で、気がついたら、入鹿が大判事と定高に桜の枝を渡してました(^_^;)
そうか「花渡し」ってのは このことか。
そういや、「吉野川」の2人の両花の出、桜の枝をもってたな~
あれはここから来てたのか。
で、「この桜の枝が河に流れるかどうかを入鹿側の手の者が監視してる」
と、イヤホンガイドの説明があったような気がしましたが、
いまいち うろ覚えです(^_^;)
そして・・・どうも、亀鶴さんの出番は知らないうちに
終わってしまったらしい・・・_| ̄|○
ちなみに「雛鳥の入内」はわかるとして、どうして「久我之助の出仕」が
難題なんだろう?と思ったんですが、これは、打倒入鹿作戦に加担の疑いがある
久我之助が出仕したら拷問にかけられること間違いなし状態だったからのようです。
【吉野川】
このお芝居、舞台装置が、とても素敵なんですよね~
クルクルまわる河といい、その河を中心上手下手に対称的な
舞台配置といい、上手下手にわかれる山台といい・・・
この舞台演出を最初に考えた人は、ほんとにすごいと思います。
・義太夫
上手と下手に小さな山台。太夫さんとお三味線一人づつスタンバイです。
これが、結構、入れ替わり立ち替わり。
上手下手それぞれ3回以上は変わったかと。(4回かな?)
霞幕、大活躍です。
常磐津と義太夫とか異種の掛け合いは 時々ありますが、
同じ義太夫のかけあいというのは、珍しいですね。
あと、すごく面白い!と思ったのが、義太夫さんのハモリ。
普段も聞いてると思うのですが、今回は1対1なだけに、
ハモリ具合が顕著で、聞いてて、すごく面白かったです。
あ、面白かったってのいうのは、「おかしみ」ではなくて
「聞きごたえがあって」という意味での面白かったです(^_^;)
・河ローラー
河の上手のローラーがクルクル回るのが なんか好きです♪
でも、思ってたより、ゆっくりとした回転でしたし、
最初の義太夫の演奏とともに動き出したと思ったら、演技が始まったら
止まってしまいました。
あとは、最後の河渡しまでストップしたまま。
前見たときも、そうだったのかな~。多分、そうだったんだろうけど、
なぜか、私の記憶の中では、ずーっとくるくる回ってるイメージがあったので、
その点では、ちょっと物足りなかったです。
・河
イヤホンガイドの解説によると、幅は100mくらいとお考えください
とのこと。(確か。違ってたらスミマセン。)
結構、ありますよね、100m。
まぁ、河ですし、そりゃ~ 防水処理も施さずに手紙なんか流したら、
間違いなく、墨がながれるか、沈むかどっちかだろうなぁ
とか
終盤、定高と大判事が、障子を開けて、互いに事態を理解するところ、
定高が刀を手にしてたのは、わかったとして、定高はよく
切腹してる久我之助が見えたもんだなぁ。
とか、
いくら緩やかな流れでも、幅100mの河にモノを流したら、対岸着くまでに
相当流されちゃうよなぁ。
とか。
考えてもしょーがないことをつい考えてしまったのは、半分以上
爆睡してて、話の感情の流れに乗れなかったからかと(^_^;)
そう、昔の人は、眼がよかったんですね。きっと。
ちなみに、河を渡らないかと持ちかけられた腰元の小菊ちゃんが
「海まで流されたら鮫の餌食」なんてこともいってました。
(最初、河で鮫が??と思ったんですが、よくよく考えたら
「紀州浦」といってたんで、多分、海に流されたら だと思います)
流れが結構、速いってことですかね。
・妹山+背山=妹背山?
下手のレディースサイドが「妹山」
上手のメンズサイドが「背山」
となるんですね。
・定高
最後、大判事はちゃんと草履履いて庭におりてきますが、
定高は、縁側から入ったはずなのに、いつの間にやら
草履が消えてて、最後の場面ははだしです。
まぁ、取り乱してるから、そんなことは気になんないとは
思いますが。
今回私が目撃できた範囲で、一番かっこよかったのは、
娘の首を落とした刀を手に、河側の障子を ピシャッとあけて
驚愕して静止する一瞬です。
あの形はとてもキレイでした。
・大判事
最後の乗り地(←これで、字はあってるんだろうか??)のところが、
イマイチはっきり聞こえなかったのは、残念でした。
それから「覚悟の切腹、せくことはない」というなら、刺す前に
せめて1回くらいは、引きとめてあげてください~(^_^;)
まぁ、できないのかなぁ、それは、武士として。<(ーー;)
・久我之助
最初の場面、袴は「小松原」の時と同じもののように見えました。
腹を斬ってからは、「あっ、まだ生きてた!」と思ったことが
3回くらい(ゴメンなさい^_^;)
勘平なみに 息が長いです。
しかし、梅玉さん、腹に刀を刺したまま、ピタッと静止してる時間が長いなぁ。
あれ、体制的に腰にきそうです。
あと梅玉さん、ちょっと声が枯れ気味でした。大丈夫かな。
・雛鳥
「小松原」では 朱鷺色の着物でしたが、「吉野川」では赤姫です。
この雛鳥も、結構、大役の赤姫だと思います。
・静止
話の進行は、終盤までは、片方が進行しているときは、
片方の障子が閉まるか、もしくは静止です。
静止は結構、きついと思うんですが、なんかこう、
スポットライトが反対サイドに移ったような効果があって
観てる方としては、面白いところです。
【その他】
・両家の不和は領地の境界争いが原因とか。
・雛飾りの犬がかわいかったです。金ぴかで派手でしたが(^_^;)
あれ、お嫁入り道具なんですね。犬は安産と関連あるからでしょうか?
◆花道度:高
やっぱり両花ですし。
しかし、それ以上のこと、例えば、
上手の花道が、「吉野川」の最初以外に使われたかどうか。
また、他にどんな花道の出が、入りがあったのか。
なーんてことは、ほぼ9割寝ぼけ眼+両花ほぼ9割見えなかった
今回のワタシに聞いてはいけません(^_^;)
2:閻魔と政頼
◆配役
◆演目について
狂言の『政頼』をもとにした松貫四(=吉右衛門さん)の脚本・構成による
新作歌舞伎です。
◆のたりの眼
これ、すっごく、楽しかったです♪
わたし、こういうの大好きです~♪
・タイトル
タイトルの「政頼」は「まさより」ではなく「せいらい」と読むのですね。
実在?伝説?の鷹匠だそうです。
・舞台
元が狂言 ということで、舞台は松羽目ですが、まぁ、そこはこだわらなくても
よかったんじゃないかな~と。
なんとなく閻魔様や鬼たちと松羽目がアンバランスな感じが(^_^;)
まぁ、そこも面白さなのかもしれませんが。
でも、松羽目って、無駄に明るいですし、やっぱり、も少し、薄暗い舞台の方が
閻魔様たちにはやさしいかと(^_^;)
【役者さん】
・富十郎さん/閻魔様
いやー、もう、すっごく、楽しんでらっしゃるみたいです♪
セリフが面白い上に、富十郎さんの言い方が、それをまたとっても
楽しくしてくださるんですよね~。
お、なにやらちっこい後見さんが(^_^;)
いや、鷹之資君まで出てくるとは思いませんでした。
というか、あんなに目立つ後見ってありなんでしょうか(^_^;)??
でも、この共演が、また富十郎さんには楽しいみたいです。
「なに、鷹??」といって鷹之資君と顔を見合わせ、
「わしは鷹には弱いのじゃ~っ」って、ベタなんですが、
なーんか、富十郎さんがやると、ほほえましくて♪
最後に「褒美を取らそう」まではよかったんですが、
「なんなりと申せ」はマズかったですねぇ(^_^;)
まぁ、そのなんともいえない人間くささ漂うマヌケ具合が
また、いいんですけど♪
ちなみに、富十郎さん、まだ、プロンプついてるみたいでした(^_^;)
・歌六さん・歌昇さん/赤鬼・青鬼
・・・げ、原型留めてないかも(^_^;)
ちゃんと手足に3本指手袋靴下つけてるところが細かい(^_^;)
・吉右衛門さん/政頼
出は、花道だったんですが、「チャリン」が聞こえなかったんで
七三からだったのかな?一応、亡者だし。
着けてる肩衣の絵はご自身のデザイン とイヤホンガイドの解説があったような。
図柄は富士山に丸々とした茄子。
「一富士、二鷹、三茄子」がモチーフなんですね♪(鷹は手に止まってます)
踊りの中には ハイジャンプあり。吉右衛門さん、そんなに軽くないだろうに。
すごいなぁ。
・後見さん
吉之助さん発見♪
閻魔様の前に出てきたあたりからの吉右衛門さんの後見が吉之助さんでした。
最後のところで、鷹の差し金を扱いますが、さすが、鷹っぽくみえる飛ばし方でした。
・鬼のみなさん
総勢10人ほどでしょうか。赤と緑の鬼軍団です。
緑ってのは、めずらしい?
・義太夫・長唄・お囃子
最初は上手の山台に4丁4枚の義太夫のみなさんでしたが、
途中、吉右衛門さんが踊るところで、背景の松羽目がはねて
7丁7枚の長唄連中+お囃子が登場します。
しかし、義太夫の歌詞で
「地獄の沙汰ぁもぉ~ 金次第っ!!」
というのは、初めて聞きました(^_^;)
清太夫さん、ああいう面白い歌詞をマジメに語ってくださるので
とても楽しいです(^_^;)
◆花道度:低
多分、政頼の出くらいです。
3:侠客春雨傘
藤間 齋 初お目見得
◆配役
◆演目について
筋書きをまだ購入してないので、詳しくはわかりませんが、
どうもこの大口屋暁雨(「ぎょうう」ではなく、「きょうう」
と読むらしい)さんは、かの助六のモデルになった方とか。
私はこの名前を聞いて、よく時代小説に出てくる
「吉原十八大通」のひとりの?
と思ったんですが、これも当たりのようです。
◆のたりの眼
染五郎さんが、斎ちゃんを もう、不自然なくらい、
本当に心配そうに、じ~~~っと見つめていらっしゃるんですよ(^_^;)
いや~、いくらおじいちゃんがいるとはいえ、お父さんは不安ですよね~♪
そのおじいちゃんは、予定のように斎ちゃんがリアクションしてくれず
ちょっと困った(^_^;)
本人は、もう悠々たるもんです。(^_^;)
まぁ、ひととおり、お辞儀も手振りもしてくれたし。
弁慶の六法もどきと思われるパフォーマンスもしてくれましたし(^_^;)
今までの2歳児のお目見え舞台の中では、1番マシだったかな~。
まぁ、他の方は、結構、演技させようとしたりしてましたからね(^_^;)
今回みたいに、シンプルにご挨拶だけの方が成功率高そうです。
お付き合いのご挨拶陣は 梅玉さんに、仁左さんに、吉右衛門さん。
うーん、なんて豪華な。
そして、斎ちゃんを見ようと、観客の皆さん(3階)も、身を乗り出す乗り出す(^_^;)
なんかすごい人気者状態でした。
さて、本筋。
高麗蔵さんの傾城が、とってもきれい~♪
やり手に歌江さんがいたり、和泉屋の女房に吉之丞さんがいたり、
個人的には要チェックの人が多いうれしい舞台でした。
暁雨さんは 黒地に浅黄色の帯。この帯が波と金の魚と面白いデザインでした。
しかし、黒に浅黄は映えますね~♪
最後に止めに入る芝雀さんは 墨絵の鶴と梅と松の打掛。
これも素敵な打掛でした。墨絵の打掛って、かっこいいですね♪
◆花道度:高
まぁ、斎ちゃんはじめ お歴々が出てくるし、(引っ込みは上手揚幕。)
暁雨さんの出はほとんど助六状態で傘を使った七三の見せ場がありますし。
会場:歌舞伎座
観劇位置:3階正面後方上手
1:妹背山婦女庭訓
小松原/花渡し/吉野川
◆配役
●小松原 | |
久我之助清舟 | 梅玉さん |
采女の局 | 高麗蔵さん |
宮越玄蕃 | 松江さん |
太宰娘:雛鳥 | 魁春さん |
●花渡し・吉野川 | |
太宰後室:定高 | 藤十郎さん |
久我之助 | 梅玉さん |
雛鳥 | 魁春さん |
荒巻弥藤次 | 亀鶴さん |
蘇我入鹿 | 彦三郎さん |
大判事清澄 | 幸四郎さん |
◆演目について
元は全五段の人形浄瑠璃で、今回の「小松原」は初段の一部、
「花渡し」「吉野川」(=山の段)は三段目に当たります。
ちなみに、先月の演舞場であったお三輪ちゃんの御殿の悲劇は
このあとの四段目に当たります。
初演時、歌舞伎に押されていた人形浄瑠璃が、この演目の上演で
イキを吹き返したとか。
◆のたりのねぼけ眼
自慢しちゃうと、ほぼ8割爆睡(^_^;)
いやー タイムテーブルみて、「2時間弱休みなしの「吉野川」は
危ないかもなぁ」 とは思ってたんですが、
初めて見る「小松原」「花渡し」に興味は結構あったのになぁ・・・<(ーー;)
そして、しまった、花道、両方とも、かろうじて本舞台と花道の
口のあたりが見えるだけで、ほぼ見えない(^_^;)
まぁ、「やっぱり」でもあったんだけど。
というわけで、以下、かろうじて目撃した部分から。
【小松原】
・梅玉さんの袴
花と紅葉の流水の刺繍入り。
狩に行く格好としちゃ 派手ではないかと。
蓑となんかアンバランスをかもし出してるし~(^_^;)
・歌六さんに似ている
姫のお付の腰元:小菊ちゃんが、なんとなく歌六さんに見えてしまうのは
私の気のせいなんだろうけど・・・(^_^;)
ちなみに演じているのは松本幸太郎さんです。
・吹矢の筒を使うと
矢を入れてフッとやりたくなるなぁ♪ とか思ってたら、
小菊ちゃんが ホントにやってくれた(^_^;)
・松江さんの赤っ面
うーん、格好は立派なんだけど、なんとなくセリフまわしが
ぎこちないような???
ここんとこ、いいなぁ~と思ってただけに、今回はそこが
ちょっと残念。
・せっかく
高麗蔵さんがお姫様だったのにっ!!
出てきたところは目撃したのに、気がついたら、梅玉さんと
引っ込むところだった~っ(/_;)
あぁぁ、釆女の局がいったいどうスジに関わってくるのか
ちっともわからない~っ"<(ーー;)>”
と思いましたが、幕間でイヤホンの解説でなんとか追いつきました(^_^;)
【花渡し】
最初は起きてたんです。
腰元に京妙さんがいる~っ とか、彦三郎さん、セリフが難しくて
セリフははっきりしてるのに、なに言ってるのか よくわからない~(ーー;)
とか思ってたんです。
で、気がついたら、入鹿が大判事と定高に桜の枝を渡してました(^_^;)
そうか「花渡し」ってのは このことか。
そういや、「吉野川」の2人の両花の出、桜の枝をもってたな~
あれはここから来てたのか。
で、「この桜の枝が河に流れるかどうかを入鹿側の手の者が監視してる」
と、イヤホンガイドの説明があったような気がしましたが、
いまいち うろ覚えです(^_^;)
そして・・・どうも、亀鶴さんの出番は知らないうちに
終わってしまったらしい・・・_| ̄|○
ちなみに「雛鳥の入内」はわかるとして、どうして「久我之助の出仕」が
難題なんだろう?と思ったんですが、これは、打倒入鹿作戦に加担の疑いがある
久我之助が出仕したら拷問にかけられること間違いなし状態だったからのようです。
【吉野川】
このお芝居、舞台装置が、とても素敵なんですよね~
クルクルまわる河といい、その河を中心上手下手に対称的な
舞台配置といい、上手下手にわかれる山台といい・・・
この舞台演出を最初に考えた人は、ほんとにすごいと思います。
・義太夫
上手と下手に小さな山台。太夫さんとお三味線一人づつスタンバイです。
これが、結構、入れ替わり立ち替わり。
上手下手それぞれ3回以上は変わったかと。(4回かな?)
霞幕、大活躍です。
常磐津と義太夫とか異種の掛け合いは 時々ありますが、
同じ義太夫のかけあいというのは、珍しいですね。
あと、すごく面白い!と思ったのが、義太夫さんのハモリ。
普段も聞いてると思うのですが、今回は1対1なだけに、
ハモリ具合が顕著で、聞いてて、すごく面白かったです。
あ、面白かったってのいうのは、「おかしみ」ではなくて
「聞きごたえがあって」という意味での面白かったです(^_^;)
・河ローラー
河の上手のローラーがクルクル回るのが なんか好きです♪
でも、思ってたより、ゆっくりとした回転でしたし、
最初の義太夫の演奏とともに動き出したと思ったら、演技が始まったら
止まってしまいました。
あとは、最後の河渡しまでストップしたまま。
前見たときも、そうだったのかな~。多分、そうだったんだろうけど、
なぜか、私の記憶の中では、ずーっとくるくる回ってるイメージがあったので、
その点では、ちょっと物足りなかったです。
・河
イヤホンガイドの解説によると、幅は100mくらいとお考えください
とのこと。(確か。違ってたらスミマセン。)
結構、ありますよね、100m。
まぁ、河ですし、そりゃ~ 防水処理も施さずに手紙なんか流したら、
間違いなく、墨がながれるか、沈むかどっちかだろうなぁ
とか
終盤、定高と大判事が、障子を開けて、互いに事態を理解するところ、
定高が刀を手にしてたのは、わかったとして、定高はよく
切腹してる久我之助が見えたもんだなぁ。
とか、
いくら緩やかな流れでも、幅100mの河にモノを流したら、対岸着くまでに
相当流されちゃうよなぁ。
とか。
考えてもしょーがないことをつい考えてしまったのは、半分以上
爆睡してて、話の感情の流れに乗れなかったからかと(^_^;)
そう、昔の人は、眼がよかったんですね。きっと。
ちなみに、河を渡らないかと持ちかけられた腰元の小菊ちゃんが
「海まで流されたら鮫の餌食」なんてこともいってました。
(最初、河で鮫が??と思ったんですが、よくよく考えたら
「紀州浦」といってたんで、多分、海に流されたら だと思います)
流れが結構、速いってことですかね。
・妹山+背山=妹背山?
下手のレディースサイドが「妹山」
上手のメンズサイドが「背山」
となるんですね。
・定高
最後、大判事はちゃんと草履履いて庭におりてきますが、
定高は、縁側から入ったはずなのに、いつの間にやら
草履が消えてて、最後の場面ははだしです。
まぁ、取り乱してるから、そんなことは気になんないとは
思いますが。
今回私が目撃できた範囲で、一番かっこよかったのは、
娘の首を落とした刀を手に、河側の障子を ピシャッとあけて
驚愕して静止する一瞬です。
あの形はとてもキレイでした。
・大判事
最後の乗り地(←これで、字はあってるんだろうか??)のところが、
イマイチはっきり聞こえなかったのは、残念でした。
それから「覚悟の切腹、せくことはない」というなら、刺す前に
せめて1回くらいは、引きとめてあげてください~(^_^;)
まぁ、できないのかなぁ、それは、武士として。<(ーー;)
・久我之助
最初の場面、袴は「小松原」の時と同じもののように見えました。
腹を斬ってからは、「あっ、まだ生きてた!」と思ったことが
3回くらい(ゴメンなさい^_^;)
勘平なみに 息が長いです。
しかし、梅玉さん、腹に刀を刺したまま、ピタッと静止してる時間が長いなぁ。
あれ、体制的に腰にきそうです。
あと梅玉さん、ちょっと声が枯れ気味でした。大丈夫かな。
・雛鳥
「小松原」では 朱鷺色の着物でしたが、「吉野川」では赤姫です。
この雛鳥も、結構、大役の赤姫だと思います。
・静止
話の進行は、終盤までは、片方が進行しているときは、
片方の障子が閉まるか、もしくは静止です。
静止は結構、きついと思うんですが、なんかこう、
スポットライトが反対サイドに移ったような効果があって
観てる方としては、面白いところです。
【その他】
・両家の不和は領地の境界争いが原因とか。
・雛飾りの犬がかわいかったです。金ぴかで派手でしたが(^_^;)
あれ、お嫁入り道具なんですね。犬は安産と関連あるからでしょうか?
◆花道度:高
やっぱり両花ですし。
しかし、それ以上のこと、例えば、
上手の花道が、「吉野川」の最初以外に使われたかどうか。
また、他にどんな花道の出が、入りがあったのか。
なーんてことは、ほぼ9割寝ぼけ眼+両花ほぼ9割見えなかった
今回のワタシに聞いてはいけません(^_^;)
2:閻魔と政頼
◆配役
鷹匠:政頼 | 吉右衛門さん |
赤鬼 | 歌六さん |
青鬼 | 歌昇さん |
閻魔大王 | 富十郎さん |
◆演目について
狂言の『政頼』をもとにした松貫四(=吉右衛門さん)の脚本・構成による
新作歌舞伎です。
◆のたりの眼
これ、すっごく、楽しかったです♪
わたし、こういうの大好きです~♪
※以下ネタバレあります!
これから舞台をご覧になる方は、その点 ご了承の上、お進みくださいませ。
これから舞台をご覧になる方は、その点 ご了承の上、お進みくださいませ。
・タイトル
タイトルの「政頼」は「まさより」ではなく「せいらい」と読むのですね。
実在?伝説?の鷹匠だそうです。
・舞台
元が狂言 ということで、舞台は松羽目ですが、まぁ、そこはこだわらなくても
よかったんじゃないかな~と。
なんとなく閻魔様や鬼たちと松羽目がアンバランスな感じが(^_^;)
まぁ、そこも面白さなのかもしれませんが。
でも、松羽目って、無駄に明るいですし、やっぱり、も少し、薄暗い舞台の方が
閻魔様たちにはやさしいかと(^_^;)
【役者さん】
・富十郎さん/閻魔様
いやー、もう、すっごく、楽しんでらっしゃるみたいです♪
セリフが面白い上に、富十郎さんの言い方が、それをまたとっても
楽しくしてくださるんですよね~。
お、なにやらちっこい後見さんが(^_^;)
いや、鷹之資君まで出てくるとは思いませんでした。
というか、あんなに目立つ後見ってありなんでしょうか(^_^;)??
でも、この共演が、また富十郎さんには楽しいみたいです。
「なに、鷹??」といって鷹之資君と顔を見合わせ、
「わしは鷹には弱いのじゃ~っ」って、ベタなんですが、
なーんか、富十郎さんがやると、ほほえましくて♪
最後に「褒美を取らそう」まではよかったんですが、
「なんなりと申せ」はマズかったですねぇ(^_^;)
まぁ、そのなんともいえない人間くささ漂うマヌケ具合が
また、いいんですけど♪
ちなみに、富十郎さん、まだ、プロンプついてるみたいでした(^_^;)
・歌六さん・歌昇さん/赤鬼・青鬼
・・・げ、原型留めてないかも(^_^;)
ちゃんと手足に3本指手袋靴下つけてるところが細かい(^_^;)
・吉右衛門さん/政頼
出は、花道だったんですが、「チャリン」が聞こえなかったんで
七三からだったのかな?一応、亡者だし。
着けてる肩衣の絵はご自身のデザイン とイヤホンガイドの解説があったような。
図柄は富士山に丸々とした茄子。
「一富士、二鷹、三茄子」がモチーフなんですね♪(鷹は手に止まってます)
踊りの中には ハイジャンプあり。吉右衛門さん、そんなに軽くないだろうに。
すごいなぁ。
・後見さん
吉之助さん発見♪
閻魔様の前に出てきたあたりからの吉右衛門さんの後見が吉之助さんでした。
最後のところで、鷹の差し金を扱いますが、さすが、鷹っぽくみえる飛ばし方でした。
・鬼のみなさん
総勢10人ほどでしょうか。赤と緑の鬼軍団です。
緑ってのは、めずらしい?
・義太夫・長唄・お囃子
最初は上手の山台に4丁4枚の義太夫のみなさんでしたが、
途中、吉右衛門さんが踊るところで、背景の松羽目がはねて
7丁7枚の長唄連中+お囃子が登場します。
しかし、義太夫の歌詞で
「地獄の沙汰ぁもぉ~ 金次第っ!!」
というのは、初めて聞きました(^_^;)
清太夫さん、ああいう面白い歌詞をマジメに語ってくださるので
とても楽しいです(^_^;)
◆花道度:低
多分、政頼の出くらいです。
3:侠客春雨傘
藤間 齋 初お目見得
◆配役
大口屋暁雨 | 染五郎さん |
逸見鉄心斎 | 彦三郎さん |
傾城葛城 | 芝 雀さん |
傾城薄雲 | 高麗蔵さん |
幇間善孝 | 錦 吾さん |
和泉屋女房お吉 | 吉之丞さん |
番新豊花 | 歌 江さん |
和泉屋新兵衛 | 友右衛門さん |
高麗屋齋吉 | 初お目見得 藤間 齋 (染五郎長男) |
大尽高砂屋梅玉 | 梅 玉さん |
鳶頭仁左衛門 | 仁左衛門さん |
播磨屋吉右衛門 | 吉右衛門さん |
高麗屋幸四郎 | 幸四郎さん |
◆演目について
筋書きをまだ購入してないので、詳しくはわかりませんが、
どうもこの大口屋暁雨(「ぎょうう」ではなく、「きょうう」
と読むらしい)さんは、かの助六のモデルになった方とか。
私はこの名前を聞いて、よく時代小説に出てくる
「吉原十八大通」のひとりの?
と思ったんですが、これも当たりのようです。
◆のたりの眼
染五郎さんが、斎ちゃんを もう、不自然なくらい、
本当に心配そうに、じ~~~っと見つめていらっしゃるんですよ(^_^;)
いや~、いくらおじいちゃんがいるとはいえ、お父さんは不安ですよね~♪
そのおじいちゃんは、予定のように斎ちゃんがリアクションしてくれず
ちょっと困った(^_^;)
本人は、もう悠々たるもんです。(^_^;)
まぁ、ひととおり、お辞儀も手振りもしてくれたし。
弁慶の六法もどきと思われるパフォーマンスもしてくれましたし(^_^;)
今までの2歳児のお目見え舞台の中では、1番マシだったかな~。
まぁ、他の方は、結構、演技させようとしたりしてましたからね(^_^;)
今回みたいに、シンプルにご挨拶だけの方が成功率高そうです。
お付き合いのご挨拶陣は 梅玉さんに、仁左さんに、吉右衛門さん。
うーん、なんて豪華な。
そして、斎ちゃんを見ようと、観客の皆さん(3階)も、身を乗り出す乗り出す(^_^;)
なんかすごい人気者状態でした。
さて、本筋。
高麗蔵さんの傾城が、とってもきれい~♪
やり手に歌江さんがいたり、和泉屋の女房に吉之丞さんがいたり、
個人的には要チェックの人が多いうれしい舞台でした。
暁雨さんは 黒地に浅黄色の帯。この帯が波と金の魚と面白いデザインでした。
しかし、黒に浅黄は映えますね~♪
最後に止めに入る芝雀さんは 墨絵の鶴と梅と松の打掛。
これも素敵な打掛でした。墨絵の打掛って、かっこいいですね♪
◆花道度:高
まぁ、斎ちゃんはじめ お歴々が出てくるし、(引っ込みは上手揚幕。)
暁雨さんの出はほとんど助六状態で傘を使った七三の見せ場がありますし。