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知的好奇心を絶やさない

2007-07-07 | 教育

8 知的好奇心をたやさない

 人間は好きなこと、興味のあることをしていれば飽きがこない。集中力も持続する。「集中力がなくて」とか言うときは、たいてい意に反した勉強や仕事をしている時である。
 したがって、集中力を持続させるのに一番いいのは、好きなこと、興味のあることだけをすれば良いのだが、現実にはそうもいかない。そこで、ここでは嫌いなものでも好きになる、興味を持てるようになるにはどうしたらよいかを少し考えてみる。
 好きなこと、興味のあることが生み出されてくる源は、知的好奇心である。知的好奇心をかきたてられる勉強や仕事はおもしろいし、やってみたいと思う。では、その知的好奇心とは何なのか。
 知的好奇心は、まず「これは一体なんだろう?」「不思議だ」といった疑問の形で現われる。疑問が出てくるのは、今、目の前にあることが、それまでの自分の頭の中にある知識では説明できないからである。
 犬が人をかむのを見ても疑問は湧かない。「犬はときどき人をかむ」ことを知識として知っているからである。しかし「人が犬をかむ」のを目にすれば、「なぜだ?」となる。既存の知識では、説明ができないからである。これが知的好奇心の発生である。
 知的好奇心を持ち続けるには、頭のなかに物事を説明する知識がなければよい。4、5才の子供がよい例である。質問ばかりしている。
 では、大人が好奇心を持ち続けるのにはどうしたらよいか。そのためには、自分の頭の中にある知識では説明がつかないものが満ちあふれたところに積極的に出かけて行くことである。自然と疑問がわいてきて、好奇心のかたまりとなれる。外国に出かけてみるのはc恰好のチャンスである。
 ただ、物事には常に限度がある。あまり説明できない物事ばかりにとり囲まれてしまうと、何が何やらわけがわからず、パニックに陥ってしまい、収拾がつかなくなってくる。適度の「わからない」環境に身を浸しているくらいがちょうどいい。
 そのためには、みずから目的を持ち、知的好奇心を喚起する領域をあまり広くしないことである。かりに、一人の作家でも、その奥行きは深く、その著書を読めば読むほどわからないことが出てくる。
 疑問から発する知的好奇心は、さらにその疑問を解きたい、という行為に駆り立てる。知的好奇心が、人を内から駆り立てる「内発的動機づけ」の一つとされるゆえんである。
 「疑問の発生→その解決のための行為→さらなる疑問の発生
     →解決への努力→ーーーー」
という具合にとどまるところを知らないのが、知的好奇心の特徴である。外からエサをもらう外発的動機づけでは、こうはいかない。ひとたぴ手に入れてしまえば、とりあえずはおしまいである。
 いつもわかりきった世界に浸っていては、知的好奇心は鈍ってしまう。時には、果敢に「わからない世界」に飛び出してみることである。

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