注意(attention) (注)3人の学生による解説です
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注意という言葉は日常でも良く使われている言葉です。心理学の世界で注意に関する研究が行われるようになったのは20世紀中ごろになってからです。
注意には2つの側面があります。「焦点的注意」と「注意の分割」です。
焦点的注意とは、ある1つの対象に注意を集中させることに関するものです。それは、主に視覚的なもの、聴覚的なものがあります。例えば、一度にいくつかの違う情報が耳から入ってきたとき、その中からひとつの情報をうまく選択して聞き取ることができるのは、焦点的注意の働きがあるからです。
注意の分割とは、同時に生じる2つ以上の刺激のすべてに注意を向けて、同時にそれらの処理を行うということに関するものです。ここでポイントになるのが注意資源という考え方です。人間が持っている情報処理の容量には限界があり、その決まった量をいくつかに分けて情報処理を行っているというのが、注意資源の考え方です。この量が多ければ多いほど同時にいくつものことをできます。例えば、車の運転になれていない人は運転しながら会話をすることは難しいでしょう。これは、運転初心者は運転することに注意資源がかなり必要なため、会話に注意を分配できないからです。またこの注意資源は、補給されたり消費されたりするものです。そのため長時間集中するときには休憩を入れるなどして注意資源を蓄える必要があります。(YN)
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人間は,目や耳などのから入力された膨大な情報のすべてを処理しているわけではなく、生活するのに必要な情報を 選択的に処理しています。この選択をする行動が注意です。
人間の情報を処理する能力には限界があるため、注意には範囲があります。注意の範囲が広くなればそこでの情報分析能力は粗く、注意の範囲が狭くなれば詳細な情報分析がなされる、と考えられています。注意の範囲は、ストレスあるいは覚醒レベルによって影響を受けます。たとえば、ストレスが溜まっていたり、眠かったりすると注意の範囲は狭くなります。
また、私たちは特定の情報だけに注意をむけ、そのほかの情報を無視も出来ます。たとえば、大勢の人間が話をしている場所で、自分の名前だけが聞き取れた経験があるでしょう。この場合、あなたの注意は自分の名前にだけ向けられていて、そのほかの情報は無視されています。これをカクテルパーティー現象といいます。
人間の注意の状態をリアルタイムで客観的に推定することは、作業をしている場面での事故防止や作業効率の向上などに役に立ちます。現在では、脳波の状態も含めて、注意の状況を総合的に調べる研究も行われています。(TK)
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注意という語は日常的に用いられる用語ですが、心理学の立場からは、すでに今から100年ほど前に、ウィリアム・ジェームスによって説明されています。それは、『注意がどんなものであるかは、誰でも知っている。それは、同時に存在しうるいくつかの思考の対象や連鎖のうちの一つを、明白かつ鮮明な形で心にとらえることである。意識の焦点化、集中が注意の本質である。それは、ある事柄を効果的に取り扱うために、それ以外の事柄を引っ込めてしまうことを意味する。』というものです。
なかなかこれを聞いても良くわからないと思うので、ここで一つ例を挙げて説明してみたいと思います。それはカクテルパーティー現象というものです。多くの人々が集まったパーティ会場では、あちらこちらに人の輪ができて、にぎやかに談笑が行われています。会場全体がかなり騒々しさに包まれていますが、そのなかで誰かと話に夢中になっているときには、周りのほかのグループの話し声やざわめきはあまり気のなりません。また、たまたま隣のグループの話題が自分の関心事であることに気が付き、そちらで交わされている会話に耳を傾けると、急に隣の人の声が大きくなったわけでもないのに、そこで話されている内容が理解できるようになる、というものです。
この例でもわかるように、注意には2つの側面があります。ひとつは、周りの騒々しさが気にならなくなり、話している相手の声がしっかりと聞き取れるようになる焦点的注意ともうひとつは、相手と話しながらも、隣のグループの話題にも耳を傾けることができる注意の分割と呼ばれるものです。(SA)
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注意という言葉は日常でも良く使われている言葉です。心理学の世界で注意に関する研究が行われるようになったのは20世紀中ごろになってからです。
注意には2つの側面があります。「焦点的注意」と「注意の分割」です。
焦点的注意とは、ある1つの対象に注意を集中させることに関するものです。それは、主に視覚的なもの、聴覚的なものがあります。例えば、一度にいくつかの違う情報が耳から入ってきたとき、その中からひとつの情報をうまく選択して聞き取ることができるのは、焦点的注意の働きがあるからです。
注意の分割とは、同時に生じる2つ以上の刺激のすべてに注意を向けて、同時にそれらの処理を行うということに関するものです。ここでポイントになるのが注意資源という考え方です。人間が持っている情報処理の容量には限界があり、その決まった量をいくつかに分けて情報処理を行っているというのが、注意資源の考え方です。この量が多ければ多いほど同時にいくつものことをできます。例えば、車の運転になれていない人は運転しながら会話をすることは難しいでしょう。これは、運転初心者は運転することに注意資源がかなり必要なため、会話に注意を分配できないからです。またこの注意資源は、補給されたり消費されたりするものです。そのため長時間集中するときには休憩を入れるなどして注意資源を蓄える必要があります。(YN)
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人間は,目や耳などのから入力された膨大な情報のすべてを処理しているわけではなく、生活するのに必要な情報を 選択的に処理しています。この選択をする行動が注意です。
人間の情報を処理する能力には限界があるため、注意には範囲があります。注意の範囲が広くなればそこでの情報分析能力は粗く、注意の範囲が狭くなれば詳細な情報分析がなされる、と考えられています。注意の範囲は、ストレスあるいは覚醒レベルによって影響を受けます。たとえば、ストレスが溜まっていたり、眠かったりすると注意の範囲は狭くなります。
また、私たちは特定の情報だけに注意をむけ、そのほかの情報を無視も出来ます。たとえば、大勢の人間が話をしている場所で、自分の名前だけが聞き取れた経験があるでしょう。この場合、あなたの注意は自分の名前にだけ向けられていて、そのほかの情報は無視されています。これをカクテルパーティー現象といいます。
人間の注意の状態をリアルタイムで客観的に推定することは、作業をしている場面での事故防止や作業効率の向上などに役に立ちます。現在では、脳波の状態も含めて、注意の状況を総合的に調べる研究も行われています。(TK)
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注意という語は日常的に用いられる用語ですが、心理学の立場からは、すでに今から100年ほど前に、ウィリアム・ジェームスによって説明されています。それは、『注意がどんなものであるかは、誰でも知っている。それは、同時に存在しうるいくつかの思考の対象や連鎖のうちの一つを、明白かつ鮮明な形で心にとらえることである。意識の焦点化、集中が注意の本質である。それは、ある事柄を効果的に取り扱うために、それ以外の事柄を引っ込めてしまうことを意味する。』というものです。
なかなかこれを聞いても良くわからないと思うので、ここで一つ例を挙げて説明してみたいと思います。それはカクテルパーティー現象というものです。多くの人々が集まったパーティ会場では、あちらこちらに人の輪ができて、にぎやかに談笑が行われています。会場全体がかなり騒々しさに包まれていますが、そのなかで誰かと話に夢中になっているときには、周りのほかのグループの話し声やざわめきはあまり気のなりません。また、たまたま隣のグループの話題が自分の関心事であることに気が付き、そちらで交わされている会話に耳を傾けると、急に隣の人の声が大きくなったわけでもないのに、そこで話されている内容が理解できるようになる、というものです。
この例でもわかるように、注意には2つの側面があります。ひとつは、周りの騒々しさが気にならなくなり、話している相手の声がしっかりと聞き取れるようになる焦点的注意ともうひとつは、相手と話しながらも、隣のグループの話題にも耳を傾けることができる注意の分割と呼ばれるものです。(SA)
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