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自由再生(free recall>学生が解説すると

2019-09-22 | 心理学辞典
 
自由再生(free recall>
フリーリコールとは、フリーは自由、リコールは思い出す、ということで、順番などといった約束事なしで自由に思い出すことを言います。専門的に言えば自由再生と言います。自由再生が実際どういうものなのか、よりわかってもらうためにこれを利用した実験方法を紹介します。記憶に関する実験方法に再生法というものがあります。そしてこの再生法は自由再生法と系列再生法に分けられます。自由再生法は特別な条件をつけないで思い出すまま自由に再生(思い出す)方法であり、系列再生法は順序通りに思い出させる方法です。たとえば実験参加者に「電車、時計、本屋、鉛筆」という言葉を一つずつ見せて、その後に「電車、時計、本屋、鉛筆」という風に思い出させるのが系列再生、「時計、鉛筆、電車、本屋」という風に思い出すままに思い出させるのが自由再生、というものです。身近なものでいうと、クラスの子の名前を挙げていくときに、名簿順に思い出して挙げていくのが系列再生、思い浮かんだ順に挙げていくのが自由再生といえばわかりやすいでしょう。(HK)

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『自由再生』とは、ある情報を学習したあとで、それを自由に思い出してもらう(思出すこと、つまり再生です)という課題の一つです。例えば、意味に全く関連のない10個の単語(ケーキ しまうま ベッド ラーメンetc.)を覚えたあと、ここにかかれている順番に関係なくとにかく思い出してもらうというのが自由再生実験です。この自由再生実験で分かることは、一般的に、単語リストの最初のほうと最後のほうを思い出しやすいということ(これを系列位置効果と言います)です。逆の言い方をすれば、私たちが学習するときにはその範囲の中程で学んだことをあまり覚えていないことが多いということなのです。これを解決するためには、覚えるときにその単語たちをある決まりに従って自分の頭で整理することがポイントです。先の例では、ケーキやラーメンなどの単語が提示されているので、「食べ物」という枠で覚えたりするなど、自分の覚えやすい方法でカテゴリーごとに分類して頭に入れることが思い出すときには役に立ちます。(TH)

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フリーリコール(freerecall)とは、日本語では自由再生と訳します。Freeは皆さんも分かるとおり、自由という意味です。ここでの自由とは、順番や規則などに縛られないことです。Recallとは、認知心理学において、再生と訳します。認知心理学では記憶の過程を〈記名→保持→再生〉に分けてみています。これは、人間の脳の処理をコンピュータの情報処理過程のように置き換えているのです。コンピュータは、私達が打ち込む情報をコード化(記名):コンピュータの中で処理できる暗号にかえ、それを貯蔵(保持):ハードディスクなどに情報を保存し、検索(再生):再び、その情報を呼び出すことができますよね。人間において検索(再生)作業は、簡単に言えば「思い出す」ことです。
自由再生とは、いくつかの単語などを覚えた後に、順番などの規則にとらわれず、覚えたものを出来るだけ多く上げていくという、記憶実験の一つの方法です。これに対して、覚えた順番通りに思い出す方法が系列再生法です。たとえば、動物園を回ったときに、「まわった順に動物を上げていってください」というのが、系列再生。「とにかく見た動物を出来るだけたくさん上げてください」というのが自由再生です。しかし、順番を無視しているにもかかわらず、実験では、初めと終わりの数個が思い出す確率が高いという結果が出ています。(EM)
  

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