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失敗力をつける(保存用)

2009-04-27 | ヒューマンエラー
波2/4海保 111112222233333444445555566666 2部 自己管理力をつけるために心理技法 5章 失敗力をつける
「失敗は成功の第一歩です。失敗したことを喜びなさい」(マーフィーの法則)
5.1 失敗する 失敗は人の証 失敗さまざま 5.2 失敗するのはなぜ 失敗の原因さまざま 自分を知らないと失敗する 今現在の認知状態を知り自分をコントロールする 5.3 失敗力ってどんなもの 失敗力を構成する5つの力 失敗を拡大しない---失敗力その2 失敗から立ち直る---失敗力その3 失敗から学ぶ----失敗力その4  失敗を恐れない---失敗力その5  コラム「失敗タイプ別の生活指針」 ***** ********* 自己チェックリスト「あなたの失敗力は?」 次の各項目について、 「自分に当てはまっている」と思ったら--->3 「どちらでもない」と思ったら----2 「自分には当てはまらない」と思ったら--->1 (1)失敗しながら学ぶほうが身につくと思う  ( ) (2)失敗は自分だけに原因があるわけではない(  ) (3)失敗してもあまり落ち込まない(  ) (4)失敗を恐れては何もできない(  ) (5)失敗しそうなことあらかじめ予想するようにしている(  ) (6)同じ失敗を繰り返すことは少ない(  ) (7)失敗を隠してもしかたがないと思う(  ) (8)失敗してもあわてないほう(  ) (9)日本では失敗を厳しく考えすぎだと思う(  ) (10)他人の失敗から学ぶようにしている(  ) *20点以上なら、かなり失敗力があるほうです。 ******** 5章 失敗力を高める 5.1 失敗する 失敗は人の証  失敗したことのない人はいません。失敗は人間であることの証しと言ってもよいくらいです。  試しに、次の「学習力トレーニング」をしてみてください。 学習力トレーニング「自分の失敗体験をチェックをしてみる」******  先週に限定して、どんな失敗をしたか、あるいは、失敗しそうになったか(「ヒヤリハット体験」)を挙げてみてください。*1 **********  失敗の数の多さもさることながら、その種類の多彩さにも驚かされます。  これほど失敗を重ねてきた人間が長い進化の歴史の中で生き延びてきたのは不思議にさえ思えてしまいます。「猿だって木から落ちる」のですから、失敗はもしかすると生物に特有の生き残り戦略かもしれません。 いずれにしても、ここでは、失敗をネガティブにばかり考えないで、失敗のポジティブなところにも目を向けてみたいと思い、失敗力という言葉を使ってみました。 失敗さまざま  失敗の現れはさまざまですが、それを分類する視点がいくつかあります。ここでは、その一つとして、「計画(plan)ー実行(do)ー評価(see)]のサイクルを採用してみます。  「計画ー実行ー評価(PDS)」のサイクルとは、何かをするときにはいつでも、発生している過程です。  たとえば、数学の問題を解く過程を考えてみてください。どうすれば答が導けるかを考えるのが計画です。その計画に従って、計算したり証明するのが実行です。何か一つ実行するたびに、それが正しいかどうかをチェックするのが、評価です。   ***計画の埋込構造の階層 pp  「サイクル」の意味は、2つあります。  一つは、計画がより下位の計画、さらに下位の計画、---のように、埋込構造になっていて、最も下位の計画---これは、ほとんど意識することはできませんが---から順次上へ上へとPDSを繰り返すからです。  もう一つは、評価して目標に近づけなければ、また実行をやり直すこともありますし、時には、計画そのものを変更しなければならないこともあるからです。  さて、PDSサイクルの視点から、失敗はどのように分類できるのでしょうか。  図には、PDSサイクルの各段階で起こる失敗を示したものです。 ***図 PDSサイクルにおけるエラーの種類  pp 「思い込みエラー」  計画段階で、問題を誤って解釈してしまったため、誤った計画をたててしまい、かつ、その計画に忠実に従って実行してしまうエラーです。たとえば、  ・題意を取り違えてしまった  ・指示があいまいだったので勘違いしてしまった  思い込みエラーは、うっかりミスほど多くは発生しませんが、ひとたび発生すると、その検出は自分一人では難しいため、被害は大きくなります。 「うっかりミス」  実行段階でおこる、計画された行為とは異なる行為をしてしまうエラーです。たとえば、  ・計算ミスをした  ・問題の一部を抜かしてしまった  エラーのほとんどは、こうしたうっかりミスです。うっかりミスは、おかした瞬間にミスと気がつくことが多いので、訂正すれば、問題ありません。しかし、確認ミスもありますから、安心はできません。 「確認ミス」  実行したことが、計画通りに実行されているかどうかを確認する際のミスです。たとえば、  ・誤字を見逃した  ・確認のため再計算したがその計算でも同じ間違いをしてしまっ PDSサイクルの最終段階での確認が充分に機能すれば、おおかたのうっかりミスは防げます。しかし、確認をしないという確認ミスと、確認内容が充分でない確認ミスとがあるので、うっかりミスによる被害が発生してしまうことになります。また、確認は計画した目標を基準にチェックをしますので、思い込みエラーはチェックをすり抜けてしまいます。 学習力トレーニング「自分の失敗を分類してみる」******  先ほど挙げてもらった失敗を3つの失敗のタイプに分類してみてください。 ********** *1と*2 筆者の場合 「小さい失敗(1)1段落に1つくらいでワープロの入力ミス。(2)手紙の出し忘れ 「大きい失敗」(3)同じ時間に約束を2つ (4)炊飯器の蒸気吹き出し口で手に軽いやけど。(5)電話で同姓の別人と勘違い。  (1)から(4)はいずれもうっかりミス。(5)は思い込みエラー 5.2 失敗するのはなぜ 失敗の原因さまざま  失敗の現れがさまざまなように、それを引き起こす原因もさまざまです。そこで、ここでも、試験における失敗を想定して、その原因の分類をしておきます。  試験問題を作る側からすると、時折、ひっかけ問題を作ることがあります。知識が正確か、知識の使い方の精度が高いかをみるためです。内容の似た選択枝を入れたり、単純に考えれば答は自明なのにそれに気がつかれないような情報をあえて入れたりするのです。  当然、そんな問題では、失敗解答が多くなります。  このように、失敗には、失敗した当人にはあまり責任がない、外部原因によるものがあります。  一方、こうした意地の悪い試験問題でも、見事に正解する人もいます。となると、失敗してしまった人は、出題者の「意地の悪さ」を見抜く力がなかったことになりますね。  このように、失敗原因には、大きく、外と内の2つがあります。そして、いずれか一方だけが原因というより、外と内とが微妙に影響しあって一つの失敗をもたらしているのです。  自動車事故や工場での爆発事故などでも、その原因分析がおこなわれます。「人為ミス」と言う時は、内にほうに主たる原因がある場合、配管の老朽による事故と言う時は、外に主たる原因がある場合となります。  ここで、「主たる」というのは、いずれの場合でも、外にも内にも、「副となる」原因がありうるからです。配管の老朽化を見逃した人為ミスにも原因があります。  交通事故も、運転手の運転に主たる原因があっても、信号器が整備されていなければ、外にも原因がありとなります。  とはいっても、試験での失敗を、試験問題が悪いから(外に原因があるから)と言っていてもはじまりません。しっかりと、自分の内なる原因を見極めて、エラーに強くなっておかなければなりません。これが、失敗力の一つになります。   自分を知らないと失敗する  前章で、頭の中のもう一人の自分(ホムンクルス)の働きをメタ認知と呼ぶこと、メタ認知は、大きく、自分の頭の働きを洞察することと、自分の心と行為をコントロールすることとがあることを述べました。  内なる失敗原因は、この自己コントロール不全によるものです。自己洞察がきちんとできて、それにもとづいて自分の心と行為をコントロールできれば、失敗は起こりません。  だからがんばってください、といって、おしまいにしても良いのですが、それでは、竹槍戦法と同じになってしまいます。知りたいのは、どうやって頑張れば良いのかですね。  まず、失敗しないための自己洞察から。 1)知識不足は失敗をもたらしやすい  知識が不足していると、足らない部分は、既存の知識にもとづいて推測をすることになります。推測は、覚えている知識を思い出すときの失敗よりもずっと失敗する可能性が高くなります。  思い込みエラーが起こるのも、知識不足で問題や状況がよく理解できないような時に、勝手に自分なりの推論(解釈)をしてしまうからです。  知識不足による失敗を防ぐには、平凡なことですが、普段から、自分は何を知っていて何を知らないのかの洞察力を高めておくことです。既有の知識を探索するだけで解けるのか、あるいは、推測が必要なのかの仕分けができるだけでも、かなり失敗する可能性を下げることができるはずです。 2)能力不足は失敗をもたらしやすい  問題を解く能力がないのに解こうとしても、無駄です。失敗することにもなります。  試験では、100点をめざす必要はありませんから、これは自分の力では解けそうもないと判断できたら、手をつけないに越したことはありません。  とはいっても、この判断は、かなり難しいところがあります。普段の勉強のときに、安易にこの判断を乱用して、すぐに解答を見てしまうようでは、だめです。艱難辛苦して問題を解く体験を積み重ねる中で身に付いてきます。  さらに、自己洞察不足による失敗があります。節をあらためて考えてみます。   今現在の認知状態を知り自分をコントロールする  自分を自分でコントロールするためには、まずは、自分の今の認知状態がどうなっているかを知ることが先決です。その上で、認知状態を最適な方向に導いていくことになります。  試験のときに一番よくあるのは、あがりですね。あがってしまっていつもの力が発揮できず失敗という経験は、誰にもそれなりにあります。  あがりは、自己洞察力の過剰がもたらすものです。心臓がちょっとどきどきする。そのことに気がついて、落ち着かなければ、と思うと、ますますどきどきしてきてしまいます。悪循環がはじまってしまうのです。  これは感情の自己コントロールの領域なのですが、認知機能にも強く影響しますので、ほっておくわけにはいきません。  自己洞察力の過剰ですから、何か別のことに洞察の目を向ければよいのですが、これがなかなかできません。そこで、よく使われる手は、一層のこと、あがりの状態にもっと洞察の目を向けて、どれくらいあがっているかを調べてみるのです。「調べる」という気持ちが気持ちの知性化・客観化につながって、あがりをコントロールできるレベルにまで下げることができます。  もう一つは、あがりは緊張と連動していますので、緊張を下げること(「relaxsation」;弛緩)でそこから抜け出ることもできます。そのためには、3秒-2秒-15秒の丹田(臍下)腹式呼吸法が効果的です(斉藤孝氏による)。これを2,3回繰り返します。 (1)ゆっくり5数えながら、息を吸い込みます (2)それをへそ下3センチのところ(丹田)に3数えるまでため   ておきます (3)ゆっくり7数えながら、吐き出します  なお、過度のあがりは確かに困まりものですが、多少のあがり(緊張状態)は、かえっていつもより頭の回転をよくするところもあることも知っておいて良いかと思います。  あがり対策を長々と紹介してきましたが、これ以外にも、注意状態への洞察とコントロールも大事になってきます。1章で述べたように、注意は、認知機能を働かせるエネルギー資源だからです。  試験ともなると、注意の集中度は黙っていてもかなり高くなります。悪いことではありませんが、過度に集中すると、視野が狭くなって他のことに目がいかなくなります。視点をちょっと変えるだけで解けるのに、それができなくなったり、時間配分を間違えていまったりという失敗が起こります。  そこで、1章の繰り返しになりますが、3-7注意配分法を心がけます。注意のうちの7は問題を解くのに、3は周辺的なこと、たとえば、残りの時間はどれくらい?、問題の難易度は?、あとどれくらいで解けそうなどなど管理用に注意を配分します。3の管理用の注意が失敗を防いでくれます。  さらに、1日か2日の長時間の試験ともなると、さすがに、注意資源が枯渇してきます。これは、休憩時間の有効活用によって乗り切ることになります。  1個のあめ玉、一口のジュースが効果的です。軽い体操や散歩 好きな音楽もいいですね。友達との「軽い」会話もリラックスには効果的です。ただし「試験はどうだった」というような「重い」会話は厳禁です。試験が終ったら何して遊ぶ、くらいの楽しく軽い会話です。 5.3 失敗力ってどんなもの 失敗しない---失敗力その1  さて、ここまでは、試験に失敗しないようにする、という意味での失敗力の話をしてきました。これで話が終わりなら、あえて、失敗「力」を話題にする必要はありません。  本章であえて失敗力としたのは、「失敗しない力」に加えて、次の4つも含めて「失敗に強くなる力」を考えてほしいと思ったからです。   一つは、失敗しても、それによって被る損害、被害をできるだけくい止める力としての失敗力。  2つは、失敗しても、失敗から速く立ち直ってたくましく生きていく力としての失敗力。  3つは、失敗したことから将来役に立つことを学べる力としての失敗力。  4つは、失敗を恐れずに、困難なことに果敢に挑戦する力としての失敗力。  この5つを失敗力として考えてみたいのです。 ******図 失敗力を構成するもの 失敗を拡大しない---失敗力その2  失敗しないように努力しても失敗してしまうのが人の常だとしても、一つの失敗はそれだけにとどめておかないと、失敗が失敗を呼ぶ、「失敗スパイラル(渦巻)」ようなことになっては大変です。  不得意の数学で大失敗。それが尾を引いて、その後の得意の国語も英語もとなりがちです。そうなるのをいかに防ぐかです。  あるいは、試験に不合格、それを引きずっての進路の決定では、質のよい決定にはなりえません。  「失敗--->感情の乱れ--->頭の働きの混乱--->悪質な決定・行為」 の流れをいかに断ち切るかです。  まずは、事前の方策から。  人は予測していなかったことが起こるとびっくり仰天してしまいます。失敗の多くは、まったく予想もしていなかったことです。だからこそ、失敗すると気持ちが動転してしまうのです。  そこで、あらかじめ起こりそうな失敗を予測(失敗予知)しておくのです。どんな失敗がどれくらい起こりそうかを、さらに、失敗が起こったらどうするかを、イメージしてみるのです。  これは失敗を未然に防ぐにも有効ですが、実際に失敗が起こったときにも、想定した失敗が起こったということで、気持ちの乱れを抑えることができます。さらにいいのは、失敗したときの対処のレパートリにも幅がでてくることです。 学習力トレーニング「試験での失敗を想定してみる」*****  試験に臨むあなたに起こるかもしれない失敗を挙げてみてください。*1 ******  次は、事後対策。つまり、不本意にも、失敗してしまったら、さてどうするかです。  前述したように、うっかりミスは、ミスが発生した時点で、気がつくことがあります。あるいは、振り返りの確認によっても見つけることができます。これらは、時間内でただちに自分で修正すればことたります。  しかし、チェックをすり抜けてしまうミスがあります。試験が終った後で、答え合わせをしてみてはじめてミスに気がつくこともあります。  これが次の試験に影響しないようにしないと、失敗スパイラルの罠に陥ってしまいます。これが失敗力その3なります。   失敗から立ち直る---失敗力その3  失敗しても、失敗から速く立ち直ってたくましく生きていく力としての失敗力です。これは、失敗による負の影響を拡大しないためにも大事になってきます。  失敗すると誰しも、そんなことをしてしまった自分に嫌気がさします。恥ずかしくて穴があったら入りたくなります。  どうしてこんなことになってしまうかというと、失敗についてのあなたの考え(信念)が背景にあるからです。次の学習力トレーニングで確認してみてください。 学習力トレーニング「あなたの失敗についての信念をチェックする」  次の項目について、「そう思う時は、○」を、「そうは思わないと時は、X」をつけてください。 (  )失敗したのは自分が悪い (  )失敗は絶対にするべきではない (  )注意すれば失敗は防げるはずだ (  )自分は失敗はしない ***************************************  この項目は、失敗についての世間一般が抱いているイメージです。ですから、このすべての項目に○を付けた人がいても不思議ではありません。失敗自分原因説を信念として持っている人です。  こんな信念を持った人がひとたび失敗すると、激しく落ち込みます。立ち直りも遅くなります。その間に事態がどんどん悪いほうへと進展してしまいます。  そこで、こうした失敗についての考え、信念を変えてみることを提案したいのです。「人は誰でも失敗する」「失敗すること即悪いことではない」という方向へ考え、信念を変えてみるのです。  これは、かなり難しいことですが、次節で述べる「失敗から学ぶ」「失敗を恐れず挑戦する」といったこともあることを知ると、失敗自分原因説から脱却できるかもしれません。  失敗から立ち直る方策その2は、自分以外のありとあらゆる原因を考えて失敗に対して言い訳してみることです。  ・試験問題が悪かったのではないか  ・時間が短かったからではないか  ・運が悪かったのではないか などなど。ありとあらゆる原因を考えて自分を慰めてみるのです。ただし、これはあくまで落ち込みから回復するための方便ですので、いつもいつもこれをしていては、自己洞察力もつきません。  方策その3は、失敗の時に限りませんが、4章でも述べた感情のモニタリングとコントロールをすることです。  失敗で気持ちが落ち込んだ時には、気持ちを客観化することが効果があります。具体的には、日記に書いたり、親しい人に自分の今の気持ちを話してみるのです。気持ちを言葉によって知性化するのです。  絶対にあたふたと何かをしないことです。気持ちが落ち込んでいるときの判断や行為は、あまり良い結果を生ないからです。 失敗から学ぶ----失敗力その4   失敗したことから将来役に立つことを学べる力としての失敗力が、失敗力その4です。  一体何を失敗から学ぶのでしょうか。  一つは、同じ失敗を繰り返さない方策を学びます。はじめての失敗は許されても、2度、3度となると、ひどい自己嫌悪に陥ります。 周囲のあなたへの評価も下がってしまいます。  実は、筆者はワープロ入力で何度も同じミスを繰り返しています。「毛人」は「原因」の誤り、「狂句」は「教育」の誤りです。こんな入力ミスを繰り返しています。ミスの自覚がありますし、最終の確認もきちんとやっていますので、このミスがそのまま表にでることはあまりありませんので、そのままにしています。  しかし、試験最中にこんなことが起こるようなら大変ですね。普段の勉強や試験での失敗を点検して同じ失敗を繰り返さないようにすることです。  2つは、失敗を経験することで、失敗への認識を深め、そのときの自分なりの対処の仕方や心構えを学ぶことです。  たとえば、失敗すると心が乱れる。それをどう治めるかは、失敗体験を通してしか学べません。  3つは、失敗を体験することで失敗に強くなることです。失敗すれば、恥ずかしいし、自尊心も汚されるし、有能感も低下します。 失敗体験に伴うこうしたネガティブ感情も、体験しながら克服していく力を付けなければなりません。  最近は、失敗体験が極端に少ないまま成長してしまう子どもが多いようです。彼らが青年期になって社会の厳しさに直面しちょっと失敗すると、すぐにめげてしまいます。もっとたくさん失敗して、失敗にめげない強さ(「失敗耐性」)を付けて欲しいものです。 失敗を恐れない---失敗力その5   最後は、失敗を恐れずに、困難なことに果敢に挑戦する力としての失敗力です。これが失敗のポジティブな面になります。  失敗を過度に恐れると、失敗しないことしかしないようになります。いつもいつも成功、しかし、平凡なことしかしない人間になってしまいます。  難しい試験に挑戦する、無謀とも思える問題に挑むところにこそ、若者のバイタリティを発揮すべきです。  進路情報が豊富になったためでしょうか、リスクの高い選択を避ける傾向があるように思えてなりません。「若い時の失敗は買ってでもせよ」とも言います。  「失敗しながら生き生き生きる」くらいの気持ちで勉強でもスポーツでもやってほしいものです。 *1 (1)試験場までの失敗「寝坊する」「乗物を間違える」(2)試験場での失敗「部屋を間違えた」「受験票を忘れた」 (3)試験中の失敗「トイレに生きたくなった」「公式が思い出せない」(4)試験終了の失敗「受験番号を書き忘れた」「間違った答を書いた」  コラム「失敗タイプ別の生活指針」*********  図は、「失敗に対して厳しいかどうか」と「自分は失敗が多いほうかどうか」という2つの観点から人を類型化してみたものです。  どの型が良くて、どの型が悪いということはありません。  自分の型を知ってその特徴を活かす方途を考えればよいのです。遊び心で、自分のタイプを判定してみてください。  ちなみに、日本は、「丁寧型」「ねちねち型」、アメリカは、「創造型」「おっちょこちょい型」が支配的だと思います。 1 2 3 図 失敗に強い人、弱い人  pp 4 タイプ別、一言アドバイス ●「創造型」「おっちょこちょい型」へ ・あなたを理解してくれる味方を増やすこと ・失敗しても事故にならない仕掛けを用意しておくこと ●「ていねい型」「ねちねち型」へ ・時にははめをはずしてみること ・人の失敗には寛容になること ●「てきぱき型」「うるさ型」へ ・時には気持ちゆったりとすること ・自分の有能さに溺れないこと ●「じっくり型」「ぼんやり型」へ ・助けられる上手になること ・仲間への迷惑にも思いをはせること

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3 コメント

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う~ん、なるほど。 (green)
2009-04-27 20:54:58
読み出し初め、難しく感じて(寝ぼけまなこだったので;)、時間を明けて(脳みそが回転し始めたかなぁ~と思った時に)、更に読み返しさせて頂きました。 全てを拝見させて頂いて、脳みそがフル回転してきたかの様な、、 以前(私が失敗に対して過敏になって恐れているときに興味を持って購入した本。)先生の出版された本 「失敗を、まあ、いいかにする、心の訓練」←カワイイラッコの表紙 を読ませて頂いていたので、懐かしい様な?といったら変ですが、更認識、再確認させられた様な気がしました。と同時に、新しく知る事も出来新知識も得られ、勉強になりました~。 シンプルに言うと、、 《先生は、凄い!》 やはり、、 といった感想でした! 素人の私なので、こんなコメントしか言えず、纏まったカッコイイ言葉も言えず、タイトルも変てこりん; でゴメンナサイ… 連休には、ゆっくりと、先生の本を読み続けたいと思います!★★!
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Unknown (hかいほ)
2009-04-28 00:52:10
ブログを長期保存用に活用してます
よみにくくてすみません
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とんでもないでございます! (green)
2009-04-28 01:21:38
先生に謝らせてしまいました; ←とんでもないでございます! 先生の本を愛読させて頂いたおかげで、私greenも、心理学に興味を持てました! [あがり]の対処法 "丹田" を職場で参考にさせて頂きたいと思います★★ *ps* GWは先生の読書と、暫く会っていない施設に住む祖父母の面会にPLAN
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