
03/12/4 kaiho
付属 冬休み前 あいさつ
「勉強の心構え」
●日本の最近の若者の「3低」
昔、結婚の条件に「3高」というのがありました。「学歴が高いこと」「年収が高いこと」「背が高いこと」を女性にとっての結婚の条件に、というものでした。
それにならって言うなら、「3低」というのが、若者について言われれるようになってきました。
・学力低下
・意欲低下
・規範(モラル)低下
今日は、3低の一つである、学力低下について、少し話しをしてみます。
●若者がだんだん勉強しなくなった!!
NHK放送文化研究所編「中学生・高校生の生活と意識調査」(NHK出版)によると、学校外での1日の勉強時間は、
1982年時点で、中学生113分、高校生99分
2002年時点で、中学生 73分、高校生55分
となり、20年間で序々に減少しここまで短くなってきました。
また、別の調査(内閣府「第2回青少年の生活と意識に関する基本調査」2000年)では、1995年と2000年とを比較すると、小学生から大学生まで、「ほとんど勉強していない」と答えた割合が、増え、さらに、
その割合は、小中高大となるにつれて増加し、
高校生では39・7%、大学では、なんと47.5 %が「ほとんど勉強していない」と答えています。
勉強時間が長ければよいというものではありませんが、どこまで短くなってしまうか、やや心配です。
●勉強することは良いこと
勉強時間の長短はともかくとして、若者にとって勉強することが「良いこと」であるのは、間違いありません。
・長い人生で役に立つ知識をたくさん仕込むことができます。
・集中力、記憶力、思考力などの能力も陶冶(とうや)できます。人生で何回かは 挑戦しなければならない、知識競争、能力競争に打ち勝つための強力な武器を身につけることにもなります。
そこで、今日は、勉強するときに心がけてほしい原則のようなもの3つ、話しをしてみます。
●その1「勉強の目標を時折、点検する」
「今、勉強するのは、なんのため」ということを時折、点検してみることです。
目標には、長期的な目標、短期的目標があります。あまり先の目標を想定すると、目の前の勉強に力が入りません。また、あまり短期的な目標にこだわると、勉強が狭くつまらないものになります。
長期目標と短期目標との間で行ったり来たりしてするような気持ちで、今している勉強はなんのためかを点検してみるのです。
明日の不得意科目の試験のための勉強が、将来つきたいと思っているパイロットの仕事に役立つと考えれば、勉強への動機づけが高まります。
●その2「全体-部分関係、部分-部分間関係を考えながら勉強する」
今している勉強内容を孤立させないで、より大きな内容と、あるいは、他の内容と関係づけるようにすることです。
孤立した知識はすぐに忘れてしまいます。生きた知識になりません。
豊かな関係のネットワークを作っている知識ほど、あなたを支える知力となります。
たとえば、3角関数は、音楽の周波数分析にも使えます。
徳川家康は、織田信長、豊臣秀吉とどういう関係にあるかがわかると、もっと面白くなります。
**
ここで、クイズ。これはなに。これだけみれば、そうですね。ところが、こうした文脈でみれば、どうですか。
さらにこれならどうですか。
これが、関係づけということです。
●その3「大事なこととそうでないところのメリハリをつけて勉強する」
若者にとって勉強しなければならないことは山程あります。そのすべてを同じように力を注いで勉強するには時間が足りません。
そこで、勉強にメリハリをつけます。大事なところにより多くの精力を集中します。
何が大事かは、一つには、勉強の目標によります。だからこその目標の点検です。
さらに、たとえば、三角関数の勉強では何が大事かといったこともあります。これは、授業で先生が随所でメッセージを諸君に伝えているはずです。それを逃さずにとらえることです。
ただ、大事でない部分も、実は、大事なものと微妙に関係しています。無視すると、大事なものが死んでしまいます。人間にとって大事なのは、心臓と脳ですが、それだけでは生きられませんね。
「知識は、われわれが天に飛翔する翼である。」というシェークスピアの言葉を、最後に紹介して、冬休み前の校長あいさつとします。
*************************
●知識は、われわれが天に飛翔する翼である。(シェークスピア)
●デカルトは、記憶がだめ。それが、「方法序説」で、確実な前提から出発し、論理的な連鎖によって物事を原因から演繹的にとらえる方法を打ち立てた。(中村雄二郎)
付属 冬休み前 あいさつ
「勉強の心構え」
●日本の最近の若者の「3低」
昔、結婚の条件に「3高」というのがありました。「学歴が高いこと」「年収が高いこと」「背が高いこと」を女性にとっての結婚の条件に、というものでした。
それにならって言うなら、「3低」というのが、若者について言われれるようになってきました。
・学力低下
・意欲低下
・規範(モラル)低下
今日は、3低の一つである、学力低下について、少し話しをしてみます。
●若者がだんだん勉強しなくなった!!
NHK放送文化研究所編「中学生・高校生の生活と意識調査」(NHK出版)によると、学校外での1日の勉強時間は、
1982年時点で、中学生113分、高校生99分
2002年時点で、中学生 73分、高校生55分
となり、20年間で序々に減少しここまで短くなってきました。
また、別の調査(内閣府「第2回青少年の生活と意識に関する基本調査」2000年)では、1995年と2000年とを比較すると、小学生から大学生まで、「ほとんど勉強していない」と答えた割合が、増え、さらに、
その割合は、小中高大となるにつれて増加し、
高校生では39・7%、大学では、なんと47.5 %が「ほとんど勉強していない」と答えています。
勉強時間が長ければよいというものではありませんが、どこまで短くなってしまうか、やや心配です。
●勉強することは良いこと
勉強時間の長短はともかくとして、若者にとって勉強することが「良いこと」であるのは、間違いありません。
・長い人生で役に立つ知識をたくさん仕込むことができます。
・集中力、記憶力、思考力などの能力も陶冶(とうや)できます。人生で何回かは 挑戦しなければならない、知識競争、能力競争に打ち勝つための強力な武器を身につけることにもなります。
そこで、今日は、勉強するときに心がけてほしい原則のようなもの3つ、話しをしてみます。
●その1「勉強の目標を時折、点検する」
「今、勉強するのは、なんのため」ということを時折、点検してみることです。
目標には、長期的な目標、短期的目標があります。あまり先の目標を想定すると、目の前の勉強に力が入りません。また、あまり短期的な目標にこだわると、勉強が狭くつまらないものになります。
長期目標と短期目標との間で行ったり来たりしてするような気持ちで、今している勉強はなんのためかを点検してみるのです。
明日の不得意科目の試験のための勉強が、将来つきたいと思っているパイロットの仕事に役立つと考えれば、勉強への動機づけが高まります。
●その2「全体-部分関係、部分-部分間関係を考えながら勉強する」
今している勉強内容を孤立させないで、より大きな内容と、あるいは、他の内容と関係づけるようにすることです。
孤立した知識はすぐに忘れてしまいます。生きた知識になりません。
豊かな関係のネットワークを作っている知識ほど、あなたを支える知力となります。
たとえば、3角関数は、音楽の周波数分析にも使えます。
徳川家康は、織田信長、豊臣秀吉とどういう関係にあるかがわかると、もっと面白くなります。
**
ここで、クイズ。これはなに。これだけみれば、そうですね。ところが、こうした文脈でみれば、どうですか。
さらにこれならどうですか。
これが、関係づけということです。
●その3「大事なこととそうでないところのメリハリをつけて勉強する」
若者にとって勉強しなければならないことは山程あります。そのすべてを同じように力を注いで勉強するには時間が足りません。
そこで、勉強にメリハリをつけます。大事なところにより多くの精力を集中します。
何が大事かは、一つには、勉強の目標によります。だからこその目標の点検です。
さらに、たとえば、三角関数の勉強では何が大事かといったこともあります。これは、授業で先生が随所でメッセージを諸君に伝えているはずです。それを逃さずにとらえることです。
ただ、大事でない部分も、実は、大事なものと微妙に関係しています。無視すると、大事なものが死んでしまいます。人間にとって大事なのは、心臓と脳ですが、それだけでは生きられませんね。
「知識は、われわれが天に飛翔する翼である。」というシェークスピアの言葉を、最後に紹介して、冬休み前の校長あいさつとします。
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●知識は、われわれが天に飛翔する翼である。(シェークスピア)
●デカルトは、記憶がだめ。それが、「方法序説」で、確実な前提から出発し、論理的な連鎖によって物事を原因から演繹的にとらえる方法を打ち立てた。(中村雄二郎)
お爪 もかわゆい!
カイホナイズされて賢いお嬢さまになりますね。