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メノンのパラドックス

2018-06-20 | わかりやすい表現
メノンのパラドックス(プラトンによる)

「わからないことは何がわからないのかわからないのだからわかることはできない。わかっていることは、わかっているのだから、あらためてわかる必要がない」。

 「はじめに知識ありき」では説得力がない。長期記憶に格納されていない新しいことがわかるようになるということは、どう考えたらいいのであろうか。知識形成の基本的な問題に対して、メノンのパラドックスは鋭い問いかけをしているのである。

 決定的な解答があるわけではない。少しずつわかってくるという事実の中に、一つの示唆があるかもしれない。わくわくしながら推理小説を読んでいるときの状態を思い出してほしい。つまり、照合できない部分が、少しずつ短期記憶や長期記憶の中に残って、それが、次の入力との照合を期待しながら待機している姿が、現実的なところかもしれない。逆に言うなら、この待機している要素の数が「適度」なときに、もっと読みたい、もっと知りたい、との思いにかられることになるように思う。この「適度」がむずかしい。このあたりの勘どころがつかめたとき、すぐれた表現者になれるのであろう。


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