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心理学用語「あ」

2007-07-23 | 認知心理学

◆アイドマ(AIDMA)の法則

広告宣伝を効果的なものにするには、「注意を引くこと(Attention)」「興味・関心・利益に訴える(Interest)」「欲求に訴える(Desire)」「記憶してもらう(Memory)」「買ってもらう(Action)」の五つの観点が大切となる。
◆愛着(attachment)

サルや人の新生児において観察される、母親とのもっぱら身体的接触を介して得られる情緒的一体感のこと。乳幼児期での、母子分離による施設などでの養育には、この点に十分な配慮をしないと、施設病(hospitalism)とよばれる発達障害の発生が懸念される。逆に、この時期の十分な愛着経験は、後々の安定した世界観の確立に寄与するとされている。


◆アージ理論(urge theory of emotion)

進化論的な立場から、感情を認知システム全体との関連でとらえようとした戸田正直によって提唱された理論。

アージとは、人間を有無を言わせず駆り立てる強い力の意で、人間は、野生のなかで生き残るために、次の4種類のアージを発展させてきた。食や性など基本的な欲求に対応する維持アージ、恐怖や不安など外界の脅威に対応する緊急事態アージ、認知的情報をつかさどる認知アージ、協力や援助など他人とのかかわりに関する社会関係アージ。それぞれのアージは、それを始動させる認知システム、内的活動と行動リストを有する。このうち、内的活動は、行動の準備活動としての身体活性化と、事態に対処する最適行動を選択するための集中的な情報処理とを行う。

戸田によれば、こうしたアージ・システムは、野生の欠如した文明環境下では適切に作動しないことが多く、そのことが、感情の非合理的、反知性的、破壊的側面を強調させることになっているとして、心のソフトウェアとしての感情の正当な位置づけを試みている。
● アハー体験(aha experience)
問題解決の過程で、突然、問題の見え方(表象)が変わり、解に到達できた時の「あーわかった(アハー)」という主観的な体験のこと。この体験を得るには、これに先行する解決のための試行錯誤の過程が必須であるが、その内容がどんなものであればアハー体験につながるかはわかっていない。

◆アフォーダンス(affordance)

自分で身体を動かせば、それによって見えてくる世界は変わってくる。そして、動くことによってはじめて利用できる環境的変数(不変項)がある。その不変項の直接知覚が、世界認識の基本となっているとして、J・J・ギブソンは、その子細な分析を行い、アフォーダンス(行為を引き出すもの)なる概念を提唱した。
 アフォーダンスの考えは、適切な行為を自然に(考えるまでもなく)誘うような人工物を設計するにはどうすればよいかについて、貴重なヒントを提供してくれる。


◆暗黙知(tacit knowledge)〔1991年版 心理学〕

自動車の構造や運転の仕方をいくらことばで説明されても、実際に運転できるようにはならない。何度も自ら運転してみて、どのように運転すればよいかを意識しなくなったとき(知識の手続き化)、はじめて熟達した運転手になったといえる。

哲学者(かつては化学者)M・ポラニーは、このように、人間は語ることができるより多くのことを知ることができる、という事実から出発して、暗黙知という概念を提唱した。この概念によって、「語ることのできない」非言語的な知識は、意味を求めて現実に対して働きかける個人的で、能動的な活動の結果として形成されることを、主張した。


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