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わかりやすさをめぐって

2008-08-30 | わかりやすい表現
わかりにくくても問題、わかりやすくても問題なのである。畑村(2005)のことばと鷲田と苅部の対談「わかりやすく」の危うさ(2008)と司馬(2003)で序を締めくくる。

「“もっとわかりやすく”という欲求の高まりです。これは、現在われわれを取り囲むすべてのシステムが巨大化されたために、全体の理解ができにくくなっていることの反映なのです。―――」(畑村、p4)

「サービスに対して要求度が高くなり、ユーザとしてクレームをつけるようになりました。それが子供たちにまで浸透して、授業が面白くないとか、しんどいとか文句をつける。」(鷲田)

「わかるとかわかりやすさには2種類あると思います。一つは、ふだん漠然と思っていることや、もやもやと考えていたことを、他人が別の言葉でポンといってくれ、認めてくれる。――――もう一つは、わかったつもりのことが全部ちゃらになる。一から組み替えないといけない。」(鷲田)

「言葉をたどりながら、自分のなかに流れている時がじっくりと熟して、内容を腹の底から納得できるようになる。これが、「わかりやすい」表現の本当に大事なところなのだろう。」(苅部)

「わかりやすい、だれにでもわかる文章というものには、ごまかしが入る場合があります。自分の知らないこと、自分がちょっとぼんやりしていることをごまかすことがある」(司馬遼太郎全講演集1、p170)

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