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テレビ「心を元気にするもの」

2021-04-16 | ポジティブ心理学
テレビ「心を元気にするもの」

「心を元気にする玉手箱」

●テレビの計り知れない影響
 日本でのテレビの初放映は、1953年です。
半世紀を経て、ラジオと映画と無線通信を一緒にしたようなメディアがほとんどすべての家庭に入ったのです。表面的な影響だけでも大変なものがあります。ましてや、人々の心に及ぼした影響ははかりしれないものがあったはずですが、あまりに日常化してしまい、もはや判然としなくなってしまったようなところがありますが、端的には、次の2つだと思います。
①仮想世界を充実させた
量的にも質的にもその充実ぶりは驚くほどです。いながらにして宇宙旅行ができるのです。
②情報空間を拡大させた
 全世界と情報的に瞬時につながるのです。欲しい情報はいながらにして簡単に入手できるようになったのです。

●テレビとはさみは使いよう
 テレビの使い方はどんどんこれからも多彩になってくると思います。となると、「馬鹿とはさみは使いよう」と言いますが、テレビもまさに使い方が大事になります。とりわけ、子どものいる家庭でのテレビの使い方は、大事だと思います。
ここでは、心の元気との関係に限定した話になります。
うまく使えば、心元気に、心豊かにできますが、下手に使えば、現実から逃避し、心が疲弊するだけになります。

●心を元気にするテレビの活用のコツ
①元気をなくした時はともかくテレビをつける
心へ向きすぎる注意は自分でコントロールできている限りは問題ありませんが、というより、内省マインドの活性化ができますから、望ましいことになります。
問題は、心が落ち込んでしまった時に、注意が統制できなくなってしまう時です。注意が心に向きすぎてしまうことです。ネガティブ・スパイラルへと落ち込んでしまいます。
そんな時、手軽な助けとなるのが、テレビです。ただつけておくだけでも、さまざまな注意をひきつける仕掛けがありますので、注意をそれに向けさせてくれます。内向きの注意を外へ向けることで、どツボにはまり込むのを防いでくれます。
時には、ドラマの世界に没入することで、一時的にですが、心の不安やストレスから解放されます。
言うまでのないことですが、注意を仕事や勉強などに集中したい時のテレビは厳禁です。目で同時に2つを追うことはできません。せいぜい、ラジオかCDのバックグラウンド音楽くらいになります。
②視聴番組を習慣化する
 大好きなタレントの出る番組、あるいは、ストリーが大好きな番組などで連続ものをいくつか見ることを習慣にしておくのも、心を元気にするにはおすすめです。
 大好き番組の「習慣化」は、生活の区切りと気持ちの張りを造る習慣につながるからです。今日は、夜は「xxx」があるから、早めに仕事を切り上げて、となります。そして、その時間が近づくとわくわくしてきます。
 内容は必ずしもポジティブなものに限定する必要はありません。登場人物と一体になってわくわくどきどきを楽しめばよいのです。
 
 



祭り「心を元気にする文化」

2021-04-10 | ポジティブ心理学
祭り「心を元気にする文化」

「祭りは参加することに意義あり」

●阿波踊りは楽しかった。
 はじめて給料をいただいたのが徳島大学でした。はじめて結婚したのも徳島でした。というわけで、徳島は、自分にとって第2の故郷です。
その徳島での生活をして、2年目でした。誘われて、はじめて阿波踊りの連(グループ)に加わって一晩踊り明かしました。実に楽しい一夜だったことを今でもよしこののリズムとともに、ふつふつと思い出します。
もっと昔、子どもの頃にも、秋まつりは、楽しみの一つでした。普段とは違って、よそいきの着物をきて、普段とは違っておいしいものをたらふく食べました。いつの頃からか、その祭りもまったくやらなくなってしまいましたが。
祭り、最近では再び盛りかえしてきつつあるようです。あちこちで地域活性化の目玉のようになってきています。我が団地でも年に1度の夏祭りがあります。盛大です。
クリスマスからはじまって、バレンタイン、ハロウイーンなど、商業ベースのお祭りも増えました。安易に乗るのは考えものですが、楽しめるなら結構なことだと思います。
さて、ここでは、心の元気システムとしての祭りの活用を考えてみたいと思います。

●祭りの心
 祭りの楽しさはどこからくるのでしょうか。
いつもと同じことの持続は、心穏やかに過ごすためには、必須ですが、人間の感情はなかなか贅沢で、心穏やかがあまり長く続くと、心を揺さぶるものが時折欲しくなるようです。祭りは、その一つだと思います。けのなかでのはれですね。
いつもとは違った場で、いつもとは違ったことをするだけでも心が揺さぶられますが、さらに、そこにさまざまなポジティブになれる仕掛けが組み込まれているのが祭りです。
おみこしを担ぐ
お店で売り子をする
踊る
食べる
よそいきの着物を着る
いずれも、心躍る体験です。そんな体験ができると思うだけでも、心が元気になります。
さらに、祭りの楽しさを倍加するものに、ギャラリー効果があります。おみこしを担ぐ人々だけでなく、それも見物する人々がいるような状況です。
これも阿波踊りの話になりますが、昔は町のあちこちで勝手に自然発生的に踊っていたのを、桟敷席を設けて見物する人のところで踊るようにしたら、観光客が激増して一気に全国区になったのだそうです。見る人の元気が踊る人を元気づけるのがギャラリー効果です。これも馬鹿になりません。

●祭りで心を元気にするコツ
①当事者になる
 町内会の役員を1年間したことがあります。その仕事の一つに、夏祭りの企画、実施があります。射的をすることになり、その準備から実施までを担当しました。結構、大変でしたが、普段、話をしたこともない方々とわいわいがやがややりながらの準備は実に楽しいものでした。
やはり祭りは、当事者にならないと楽しさも半減です。花火大会に先日行きましたが、まさに見るだけ、すぐに飽きてしまいました。
阿波踊りも踊ってなんぼのものです。
②変身する
 祭り当時は、いつもの自分をすててしまうくらいの気持ちになることです。普段の謹厳実直をかなぐり捨てて、天衣無縫、明朗海闊、活発元気でいくことです。気恥ずかしさをかなぐり捨てるのです。
着るもの、食べるもの、飲むもの、付き合う人から態度振る舞いまで、あらゆることをいつもと違えるのです。そして、雰囲気に酔うのです。
 翌日は、宴のあとのむなしさ?を感ずるくらいになれれば大丈夫です。
③自己顕示欲を満たす
 変身しないまでも、普段は抑えている自分をこの際、思い切って表に出してしまうのも、爽快です。それができるのも、祭りだからこそです。

●にぎやかさはなぜ、心を元気にするのか

2021-04-07 | ポジティブ心理学
●にぎやかさはなぜ、心を元気にするのか
都会のよさの一つが、にぎやかさだと思います。
雑多なもの、人が溢れ、動いています。したがって、ただ歩いているだけでも、あれこれ刺激を受けます(多刺激性)。
そして、何でもできるような気持ちになれます(多彩な選択性)。
さらに一人になれる気安さもあります(匿名性)。
こうしたことが心を癒したり、元気にしたりしてくれます。

「遠くの親戚より近くの友人」

2021-04-01 | ポジティブ心理学
友人「元気づけ文化

「遠くの親戚より近くの友人」

●友人って一体どんな人
 親友が一人もいない人は、自分のようにいると思いますが、一人も友人がいない人はまずいないのではないでしょうか。
 とはいったものの、親友と友人を区別するものを挙げようとするとはたと困ります。
 親友の条件は
 ・なんでも相談できる
 ・付き合いが長い
 ・喜怒哀楽をともにできる
 「借金の保証人になってくれる」なんて基準もありそうですが、やや危ないかもしれませんね。親友でも、できれば、お金は介在しないほうが無難ですね。
 さて、ここでは友人。
 ・気軽に話せて
・適度にプライバシーが保たれていて
・遠近自在で
・あちこちにあれこれといて
・感情的に独立していて
といったような人々です。
 人数の多少はあっても、こんな人、誰にでもいるはずです。

●友人と心の元気
 対人関係は、なにかと面倒もあります。ストレスの原因(ストレッサー)のトップになるほどです。日常的に、無視、攻撃、批判、嘲笑にさらされるリスクがあるからです。
 それでも、対人関係を絶つわけにいきません。人間は社会的動物ですから。
 それだからこそ、友人関係は大事なのです。なぜかというと、
 ・あなたをそれとなく助けてくれるからです(支援機能)
 ・あなたと協働して何かを成し遂げてくれるからです(協働機能)
 ・何かと情報が得られるからです(情報交換機能)
 そして
 ・あなたを元気づけてくれるからです
 そんな友人をたくさん持っている人は、幸せです。

●心が元気になる友人をみつけるコツ
①接触頻度が鍵
 友人は自然にできて自然に疎遠になるのが自然だとは思います。それでも、少しは努力しないと、どんどん数が減っていきますし、関係が浅くなっていきます。
 盆暮れのあいさつ、年賀状といった定型的な接触もありますし、最近は、メールという便利なものもあります。
 何もなくともごぶさた挨拶だけでもともかく頻度を多くするのがコツです。
②つかず離れず
 これは友人関係だけではありませんが、親友にしても友人にしても、あまりべたつくのは好ましくはありません。お互いが自律していることを前提の友人関係が一番です。
③常に新しい友人を作る気持ちが大事
 これは高齢者は、つまり自分に言い聞かせていることですが、黙っていると急速に友人関係が疎遠になります。仕事から引退するととりわけひどい状況になります。
 面倒でも、一念発起する気迫?で、新たな友人をたくさん作ることも必要です。とりわけ、定年という状況の変化の際には。
 その際のコツは、気さくさです。偉ぶらず、おごらす、気楽に声をかけ、挨拶し、笑顔で接することです。ちょっとしたことをたずねるのもいいですね。それがきっかけで親しくなれることもありますから。


映画「心を元気にする文化」

2021-03-31 | ポジティブ心理学
映画「心を元気にする文化」

「孤独なハレ体験を楽しむ」

●小説と映画
 最近は時間があることもあり、さらに、シニア割引(1000円)もあり、近くにがらがらのシネマ館ができたこともありと、ありありで、よく映画を見ます。
直近では、といっても2,3か月前になりますが、吉永小百合主演の「母べー(かーべ-)」が印象に残っています。その前は、と思って思い出そうとしましたが、出てきません。これが映画の特徴の一つですね。見た、面白かった、でも忘れたとなりがちです。小説なら本棚に残っていますから、こういうことはないですね。はからずも、小説と映画の比較をしてしまいました。
 小説も映画も、仮想世界に導いてくれる古くからある2大仕掛けです。誰もがそれになり楽しめる仕掛けです。これにIT技術によるものが加わって、今や、仮想世界は、百家争鳴状態です。というような話は、小説のところでしました。
 今回は、映画。
小説と比較しながら、心の元気づくりとの関係を考えて見ます。

●映画は感情移入が容易
 文字表現の小説と映像表現の映画とには、読む者、見る者の心に訴えるものに違いがあります。
 映画は、映像で直接的に訴えます。文字なら百万言費やしても表現できないことをたちどころに直接見せてくれます。
 そして、かわいそうなマッチ売りの少女の立ち居振る舞いを直接見せられれば、ただちに感情を揺さぶられます。そして、感情移入してしまいます。
 小説よりもはるかに簡単に感情移入してしまいます。小説だと文字表現の知的理解というステップが間に入りますので、その分、感情移入の敷居が高くなります。
 
●映画で気持ちを元気にするコツ
①映画は内容が大事
 映画は見てすぐ感情移入をさせられますから、小説とは違って、気持ちを元気にするには、はやりポジティブな内容の映画を見る必要があります。
 となると、喜劇仕立てのものなら無難ですが、物語性、現実性がないと退屈してしまいます。
 やはり、はらはらどきどき、最後は、ハッピーエンドものですね。
 熱中して映画を見る体験だけでも気持ち元気になれますし、終わりよければ、気持ちよく映画館を出ることができます。
②ひとりこっそり楽しむ
 映画の元気づけ効果は、お酒によるそれと似たところがあります。
 一時の一人ハレ体験ですね。
その意味では、茶の間でよりも、真っ暗な映画館で一人こっそりがふさわしいと思います。
③頻度はほどほどに
 むしょうに物語が欲しくなることはありませんか。そして、気がつくと、かなり長い間、映画も小説もごぶさたしているというようなことがありませんか。人間には、物語欲求のようなものがあるように思います。
 今は、TVでも簡単に物語をみることができます。ですから、その気になれば、容易に物語を楽しむことができます。ありがたい環境です。
だからといって、四六時中、物語に浸っているのは不健全です。感情エネルギーが枯渇してしまいます。
ほどほどが一番です。「映画でもみたいなー」という気持ちが自然に湧いてきたときに、やおら映画館にいくくらいが適当ではないでしょうか。



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運「心を元気にするもの

2021-03-24 | ポジティブ心理学
運「心を元気にするもの

「幸運は呼び寄せるもの?」

●私にとっての運
「運命は神の考えるものだ。人間は人間らしく働けばそれで結構だ(夏目漱石)」
冒頭から引用になりました。
確かに、運(命)は、そんなものかもしれませんし、そんなものと考えておくのが無難なところかもしれません。したがって、こんなところで取り上げることはないのかもしれません。
しかし、それにしては、運は、個人的にも、心理学研究者としても、なにかと気にはなります。漱石のように達観できないところがあります。
 まず、個人的なほうから言うなら、古希もまじかになるこの年、つくづく、運がよかったなー、としきりに思います。
 あのときあーなっていたらどうなっただろう、としきりに考えます。そして、ぞっとすることもあります。挙げればきりがありませんが、一つだけ挙げよと言われれば、「東京教育大学に入れたこと」かなー?。本当は実力、いや努力のたまもの(笑)かもしれませんが、試験ですから、いくぶんかの、いやかなりの運は働いていると確信してます。
それまでのとんでもない崩壊家庭のしがらみから抜け出て、自分の人生を自分で作り上げる転機になった7年間の大学、大学院生活が遅れたからです。もっとも、その7年間にも、もしあーなっていたら、どうなったか、が沸々とそして、ものによってはぞっとする気持ちと一緒に頭に浮かんできます。
いずれにしても、運の良さをしきりに実感する今日この頃です。

●運の心理学
もう一つは、心理学研究者としての運です。
原因帰属理論という大変魅惑的な理論があります。人間は、失敗や成功をすると、それが何によってそうなったかを自分なりにーー客観的ではなくーー説明する心性があって、しかも、個人によって一定の傾向があるとする理論です。
そこで運が出てくるのです。先ほどの自分の例で言うなら、「今こうして幸せなのは、運がよかったから」というような説明です。ただ説明だけの問題ではなく、その説明の仕方によって、気持ちも世の中の見方も変わってしまうのです。たとえば、成功を「運がよかった」という説明をする(原因帰属する)ことで、自分の実力や努力を過大視する傲慢さはなくなり、人生や周りに対して謙虚になれます。

●心を元気にするために運とつきあうコツ
①ときおり運を楽しむ
 運は確かに自分ではコントロールできません。しかし、振り返って今のこの幸せな自分はその時の幸運のおかげと考えてみるのは、気持ちが元気になります。また、今のこの不幸せな自分はその時の不運のためと考えてみるのは、落ち込みを下支えしてくれます。
 いずも、いつもいつも運を持ち出してばかりは絶対にだめです。人生はギャンブルではありませんから。
人生は、自分の努力と才覚で切り開いていくのが王道です。ただそればかりだと疲れてしまうこともあります。そんな時には、運に助けてもらって、気楽になるのです。
もっとも、幸運と同じくらいの確率で不運も訪れます。この時、これも運命と思って、しっかりと受け止められることも必要です。
②くじは買わなければ当たらない
 年末ジャンボ宝くじ。かつて何度が買った記憶があります。そして、いつも、買わなければ1億円は当たらない、といいつつ買った記憶があります。(もちろん、一回も当たりませんでした。念のため)
「引き寄せの法則」というのがあります。関連ブログもたくさんありますので一度,覗いてみてください。「望めばかなう」という話です。ネットで偶然見つけたーーこれも引き寄せの法則!――浅見帆帆子『あなたは絶対!運がいい』 の前書きを紹介しておきます。
「自分の心の持ち方一つで、思い通りに人生は変えられる、変わっていく」
「自分の精神レベルが上がると、欲しいものが向こうから近づいてくる」
「心の底から思っている理想は、どんな大きいことでも実現する」
 「だれでも運のいい人になれる」
その背景の理論になると、宇宙の力がでてきたりで、サイエンスとしての心理学ではついていけないのですが、ここでの運の話のヒントにはなります。
つまり、何しないよりも、運を信じて行動するほうが、幸運にぶち当たる可能性は高くなるということです。当たり前ですね。
・よき伴侶に出会えるかもとの期待が、合コンへと導きます。そしてその機会を高めます。
・お金ももちになりたいとの希望が、一生懸命の働きをうながし、金持ちになるチャンスを与えてくれます。
幸運を呼び込む努力は間違いなくあります。やるだけはやった、あとは運を天にまかせる心境ですね。
この「やるだけやった」が大事ですね。
なにもしないで「寝て果報を待つ」はだめです。



ペット「心を元気にするもの

2021-03-21 | ポジティブ心理学
ペット「心を元気にするもの

「まるで孫のよう」

●団地中、犬だらけ
 我が団地、出来てほぼ30年。ごたぶんにもれず、高齢化がすすんでいます。それを実感する一つが、ペットづれの高齢者の多さです。孤独の癒しと心身の元気づけと、さらに防犯の役割まで果たさせているのだと思います。
日本のペットブームは今やペット文化と呼ぶに値するくらいです。
 ペットの種類は統計的にはどうか知りませんが、我家の近辺では、圧倒的に犬です。時折、広場では、ペットづれの方々の談笑風景も見られます。
びっくりするのは、雨中の犬連れの散歩、さらには電動車いすにのってものすごい大きな2匹の犬を散歩させている足の不自由な方の姿。
犬、大嫌い人間の自分には、想像もつかない光景が日常的に見られます。
なお、カーネギーが犬についてこんなことを言っていますのを見つけましたので、紹介しておきます。
「何の働きもせずに生きていける動物は、犬だけだ。鶏は卵を産み、牛は乳をだし、カナリヤは歌を歌わねばならないが、犬はただ愛情を人に捧げるだけで生きていける。」
犬だけでなく、ペットになる動物にはすべてこういうところはあると思いますが、なるほどという一節ですね。
さて、ここでは、なぜ、これほどペットが人々を元気づけるのかを考えてみます。なお、心理療法の一つに、動物療法というのもありますので、そのあたりも念頭に置きながらの話になります。

●ペットブームが意味するもの
 自分には孫はいませんが、ペットを飼う心理は、孫をかわいがる心理に通底するものがあると思います。

①かわいい
 3B(Baby,、Beast,、Beauty;幼児、動物、美人)が広告業界では、人をひきつける広告をつくるのに、3Bをいれるのだそうです。ペットには、幼児の要素もありますから、効果抜群のようです。
②何かすると反応してくる、何もしなくともちょっかいを出してくる
 身の回りに応答するものがあるのはうれしいものです。応答的環境と呼ばれています。
③きまぐれの付き合いができる
 面倒なら、無視したり、所定の場所に囲ったり(隔離したり?)できます。
④いつも少し気になる
子どもほどではないが、適度に気にかかる存在です。内向きになりがちな注意を適度に外へ向けることで、ネガティブスパイラルに落ち込むのを防げます。
⑤成長する
しつけができます。育てて育つのはそれなりの達成感をもたらしてくれます。

 まだまだあるかもしれません。
これが、孫になると、家系(血)の持続なんてことも加わりますから、それはすごいことですね。この年になると、そういう意味でも本当に孫がほしいです。
 いずれにしても、こうしたものが自分の身の回りにいるのは、本当に幸せでだと思います。いなくとも十分に幸せですが(笑)。
 もう一つ余談。
かつて、いや、今も、ペット(癒し)ロボットが話題になることがあります。有名な犬型ロボットのアイボ君なんて数年前に発売されました。買ってみようかと真剣に迷ったことがあります。確か、20万円くらいだったかと思います。でも、やはり何かが不足している感じがして決断できませんでした。

●ペットで心元気になるコツ
①成長するものを愛でる
 生き物の成長を見る楽しみは格別なものがあります。とりわけ、手塩にかけて面倒をみればみるほど、楽しみは倍加します。
 犬嫌い、昆虫嫌いなど生き物嫌いの人が結構、多いのではないかと思います。そんな人に、いやペットはかわいいし、心の癒し、さらに心元気になれますからぜひに、とは言えません。そんな無理は無用です。
 それでも、生き物のかわいさを身近にほしいという人は、植物はどうでしょうか。
 かわいいとまではいきませんが、成長の楽しみはあります。いつでも少し気になる存在です。これに、収穫の楽しみまで味わえる野菜栽培はどうでしょうか。
 あるいは、元気づけロボットなんかもこれからどんどん進化してくるのではないかと思います。一緒に過ごせば過ごすほどかわいくなるペットロボットですね。アイボ君の3代目あたりに期待したいところです。
②知識を仕込む
 ペットについての知識を仕込むのも、楽しいですね。頭を元気にしてくれます。
 知識が増えれば、またペットとの付き合い方にも深みが出てきます。感情的な付き合いに加えて、知的な付き合いができるようになります。
③ペット仲間を作る
 ペットを通しての仲間づくりもいいですね。
おすすめは、ブログです。
 ペット関連のブログは、かなりたくさん見受けられます。自分にあうブログを見つけてコメントを入れてペット仲間を増やし、さらに、自分のブログを立ち上げるのです。あまり心理的な負担もなく、ごく自然にすばらしい仲間ができるような気がします。





お金「心を元気にするもの」

2021-03-15 | ポジティブ心理学
お金「心を元気にする

「有りすぎてもなさ過ぎても困るもの」

  • 「貧乏は買ってでもせよ」
こんな格言がありましたね。
定年退職しての過去の振りかえりなら、この格言その通りの思いです。でも、貧乏だった大学生の頃までを考えると、あまり楽しい思い出もありませんし、生きるのに必死でした。子どもにはできれば貧乏を経験させまいとがんばってきました。
その貧乏。
確かに、心を鍛えてくれるものがたくさんあります。
・ 忍耐力がつく
  • がんばる習慣が身に付く
  • 弱者のこころがわかる
  • 物事の見方が厳しい(批判的)
  • 自律心がつく
  • 先のことを考える
これ以上に、ネガティブなものもあります。
  • ひがみっぽい
  • 不安傾向が高い
  • こまかいことにこだわる
  • 人間不信
  • 自信がない
  • お金にこだわりすぎる
  • 余裕がない
というわけで、貧乏も、あえておすすめする気にはなれないというのが正直なところです。

●お金持ちは幸福?
 お金と幸福感との関係は、結構、複雑です。
 おおまかには、お金があれば幸福感もだいたいは高くなりますが、あれ程度以上のお金持ちになると、幸福感はほとんど関係なくなるようです。
 これは、個人でも、国でも同じことがデータからもわかっています。
 ここにお金と心の元気とを考える上でのヒントがありそうです。
 その前に、貧乏に関する名言を一つ。
 「お金があるとどうしても、次がある、他の手段があると思う。けれど、貧乏だといま勝負するしかない。自分の未来は今にかかっている。」(斎藤孝「貧乏のすすめ」より)
 ついでにもう一つ、逆の名言を紹介しておきます。
 「私は、墓地で一番の金持ちになりたいとは思いません。」(ロビン・シャーマ)


ほンわかあ」1日10回運動(再再掲)

2021-03-14 | ポジティブ心理学
ほンわかあ」1日10回運動
――ポジティブコミュニケーションで自分も周りも元気にーーー
「ほ」める
「わ」らう
「か」んしゃする
「あ」いさつする


第1 「ほ」める
  • 何をほめる
  • すばらしいと思ったこと
  • 感心したこと
②どのようにほめる
  • 具体的に
「あなたはすてき」より「あなたの笑顔がすてき」
  • 結果よりプロセスを
「がんばった」「精一杯やった」
  • ほめるにあたり、注意すること
  • ほめすぎない
  お世辞になってしまう
  ほめられすぎると、舞い上がってしまい、学びが甘くなる
    ほめる時は、森を見る
    叱るときは、木を見る
 余談 高校野球では、絶対にネガティブなことは言わない
  三振したら、投手の球種をほめる
  エラーしたら、うった打者をほめる

  • 7つほめて、3つ叱れ
   ほめ言葉を豊富にしておく
  万能な魔法のほめ言葉もある
   「さすが」「えらい」「すごい」
  • ポジティブにみる
「これしかない」ではなく「まだこれだけある」
「――しないと、―――できない」ではなく、
  「――すると、―――できる」
「ちょこまか」ではなく、「よく動く」
「愚鈍」ではなく、「落ち着いている」
「きたない」ではなく、「使い古している」
「くさい」ではなく、「独特のにおい」


第2 「わ」らう
 笑い転げる猫

顔で笑って心で泣いているうちに、心まで笑ってくる(斉藤茂太)

表面をつくるということは、内部を改良する1種の方法である。(夏目漱石)

  • なぜ笑う
  • おかしいから(中枢起源説) 
普段とは違ったこと、しかし、安心できることが起こっている
  • 笑うから(末梢起源説)
   笑うからおかしいのだ
     笑顔作りのすすめ

  • 笑いの効果
  • 健康効果
   血糖値が下がり、中性脂肪も減し、病気も防止<<寄席効果
   「笑いは内臓ジョギング」
  • 心ポジティブ効果
   笑いには自分の心も周りの人の心もポジティブにする
   笑いは、伝染する
・行動促進効果
「野球のピッチングの練習を、笑顔でやるのと苦しそうな顔でやるのとでは、笑顔のほうが球速を持続させられる、というスポーツ心理学の実験研究もある。心理学の有名な実験に、氷水の中に手を入れておく時間を、笑顔の人と苦しい顔の人が競争すると、笑顔の人が勝つ確率が高い、というものもある。」
  • 善人宣言効果
   笑っている人に悪者なし
   まわりから受け入れられるし、好かれる
・周りを明るくする効果(「顔施;がんせ」効果)
  仏教用語であるが、笑顔で周りに施しをする
  顔施(がんせ)とは、にこやかな表情で人に接するということで、
和顔施(わがんせ・わげんせ)ともいう。
これなら誰にでもできる。
出家して以来、私はつとめてこれを心がけてきた。
和やかな表情に会い怒る人は、まず、いまい。

あらゆる職業の人にこの行を心がけてほしい。
生まれつき器量が悪くても、笑顔は人をチャーミングにも美人にも見せる。
 私はそういって特に女性に和顔施をすすめている。
──瀬戸内寂聴

布施(他人を助け、施しをする)というと何か難しく感じてしまうが、瀬戸内寂聴さんのこの言葉に触れ、目からうろこが落ちる思いがした。

笑顔を振りまくこと、それ自体がひとつのお布施になるのだ。
 いつもなごやかで穏やかな顔つきで人や物に接すること。

「参考」表情筋

●表情筋とは●

 顔の目や口、鼻などを動かす筋肉。
 顔には30種類以上の筋肉があり相互に作用し、人間の複雑な表情を作り出します。
 また、身体の筋肉は、骨と骨をつないでいますが、顔の筋肉は骨と皮膚につながっているため細かな表情を作り出すことができます。
 表情筋は通常の生活では全体の30%しか使っておらず、無表情で筋肉を使わなかったり、加齢などが原因で衰え、衰えた表情筋は今まで保っていた顔のハリなどのバランスを崩しシワやたるみになります。
  また、たるみが毛穴を目立たせたり、どんどん老け顔を招くきっかけになります。


第3 「か」んしゃする

読売新聞朝刊5月30日付けの「気流/U-25」から東京立川の中学生宮本くんの声をご紹介します。

 大切な感謝の一言
 部活から帰宅する途中、住宅街の細い道で、ボール遊びをしている親子を見かけた。その横を通ろうとした時、ボールが目の前に転がってきた。すぐに拾って渡すと、親から「すいません。ありがとう」と言われた。
  この親子と顔見知りだったわけではない。お礼の言葉をまったく予想していなかったので、あわてて会釈し、その場を後にした。家に帰ると、何だか温かな気持ちになっていた。感謝の一言をもらっただけなのに、ことは一つで気持ちは変わるものだと思った。今度は自分から声をかけよう。

  • 感謝するのは何のため
  • 自分のため
   感謝することで、謙虚になれる、自分一人ではないことを自覚
     少年院での「感謝療法」
  • 周りのため
   うれしい気持ちを伝える
②感謝の仕方
・魔法のことば「ありがとう」を惜しむな
・「すみません」より「ありがとう」
  • 「なになにしてくれて」、ありがとう
  ありがとうの真実味がでる
  相手も得心する
@@@
ポジティブマインドづくり「魔法の感謝ことば;ありがとう」
周囲をポジティブにする。それがひるがえって、自分をポジティブにする。
そのための格好の、しかも、強力なことばが、感謝ことば「ありがとう」です。
●深い思いやりから出る感謝のことばをふりまきながら日々を過ごす――これが、仲間をつくり、周りを元気にし、さらに、人を動かすコツです。
 ●感謝する技術とは、他人も幸福にしようと努力することで自分の幸福を感謝することである (W・A・ピーターソン][ジョセフ・マーフィー]
●他人から何かしてもらった時、感謝の言葉を述べるのはエチケットです。
 できるだけ即座に感謝すれば、あなたのアピール度は増します。 [ジョセフ・マーフィー]
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
考えてみよう(感謝 共感 動機づけ)
  • 今日一日を振り返って、「ありがとう」を何回言ったでしょうか?

  • では、今日一日を振り返って、どんなときに「ありがとう」と言ったか、あるいは言えばよかったでしょうか?
こんなときに、「ありがとう」と言った
こんなときに、「ありがとう」と言えばよかった
第4 「あ」いさつ

  • 挨拶の意義
  • 社会の安全な一員であることの宣言
  • 心のファーストタッチ、そして、ボティタッチへ

  • 挨拶が面倒なのはなぜ
  • TPOが難しい
   近隣の聴覚障害者との出会い
  • 相手が挨拶返しをしてくれない不安

  • あいさつの仕方
  • TPOを心得る
  • 先にあいさつ
  • 親しい人には目をみて
  • 見知らぬ人には目礼で

  


スポーツ「心を元気にする文化

2021-03-13 | ポジティブ心理学
スポーツ「心を元気にする文化

「心身一如はスポーツから」

●スポーツと芸能
新聞、TVニュースでは、必ず、スポーツと芸能があります。それも、かなりのスペースと時間が割かれています。
もちろん、スキャンダル、ゴシップねたも多いですが、多くは、元気づけ内容になっています。ファンならずとも、何かと元気になります。
今回は、スポーツを心の元気づくりに活用する話です。
ところで、あなたは、どんなスポーツをしていますか、あるいはしたことがありますか?
自分のスポーツ歴は、子どもの頃は、草野球、中学校では卓球、高校では体操部でインディアンクラブ(2本の短い棒を振り回す技能を競う孤独な種目)でした。大学時代は、アルバイトと通学に時間を取られて、まったくスポーツとは無縁でした。徳島大学に就職してからは、これまでずっとテニスです。
 スポーツ嫌い、運動嫌いも、それほど数は多くはないと思いますが、世の中にはいます。そういう方は、また別のところで、心の元気づくりをしていただくことにして、ここでは、なんらかのスポーツをする方を想定した話になります。
ただ、もし子どもがいるような方には、ぜひ、自分の子どもには、何かスポーツをさせるようお願いしておきます。スポーツができることは、心身の健康、元気づけにはとても効果的からです。

  • スポーツはどうして心を元気にしてくれるのか
 心身一如の項でも、からだと心の元気との関係についてかなり詳しく述べました。
 要約すると、次の2点になります。
〇心(意志)を心でコントロールすることはできますが、かなり難しいところがある
〇心と心の間にからだを仲介させるとコントロールがより楽にかつ効果的にできる
これが基本ですが、もう少し、スポーツが心の元気をもたらす理由を考えてみると、次のようなことがあります。
〇自己コントロール感 意志の力で心と体がコントロールできたという感覚
 例 相手の動きとは逆の場所にボールを打とうとして打てた
〇有能感 自分で自分がコントロールできた自分はたいしたものという感覚
例 ミスではなく、攻撃でポイントを奪えた自分はすごい
〇進歩感 前よりはうまくできるようになったという感覚
例 前は、力んでしまって、攻撃がミスに直結だったが、そういうことがなくなった
〇優越感 相手に勝つことができたという感覚
例 負けてばかりのペアーに勝てた
〇一体感 仲間と一緒に目標を達成したという感覚
 例 優勝までできたのは仲間と監督のおかげ

●スポーツを心の元気づくりに活かすコツ
①なにか一つ見つけて上達しておく
 スポーツはレパートリーが豊富です。早く自分にあったスポーツを見つけることです。なんといっても、時間のたっぷりある学生時代に見つけで、一定のレベルにまで上達しておくことです。
自分は、中学時代にたっぷりとやった卓球が、今でも楽しむことができます。からだで覚えたものは、一生覚えているものです。
②仲間と一緒に楽しむ
 スポーツは一人でやれるもの、楽しめるものもありますが、できれば、仲間と一緒のほうが、なにかとプラスです。スポーツを一緒にした仲間は、仕事仲間とはまた一味ちがって、親密さも格別です。
とりわけ、高齢者は、ともすると孤立しがちですので、地域でのスポーツ仲間を作ることが大事になります。行政の支援も結構ありますので、公民館あたりに出かけてみるとよいと思います。
③スケジュール化する
自分は、週末にテニスをします。「いつも時間にいつもの場所でいつものように」がスポーツをするための余計なコストを低減してくれます。おかげで長続きします。1週間の楽しみ目標にもなります。



シリーズ:心を元気にしてくれるもの

2021-03-09 | ポジティブ心理学
シリーズ:心を元気にしてくれるもの


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スポーツ

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テレビ

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祭り

若者 けんすぽHP

挨拶

2021-03-06 | ポジティブ心理学
挨拶「たかが挨拶、されど挨拶」

  • あいさつ実験
今日こそ、散歩をしながら、行き交う人々に挨拶しようと、出かける前に決心します。近隣には、自分とおなじくらいの高齢の方々がたくさん散歩しているし、あちこちに最近はられるようになった防犯ポスターの一つ「挨拶こそ 地域の絆づくりの第一歩」を実行せねばと思うからです。

ところが、これができないのです。つい、目をそらし、頭をたれて、通り過ぎてしまいます。
相手もその気持ちのほどはわかりませんが、先方から挨拶してくる人もまずいません。
でも、時折、思い切って挨拶すると、相手からも挨拶が返ってきます。これもおもしろいですね。しかも、うれしいですね。
まれですが、挨拶しても無視されることもあります。これは気持ち悪いですね。それがいやで、あるいは怖くて、率先挨拶をしたくないということもあります。

一方、わが大学のキャンパスでは、実によく学生から挨拶をされます。うるさいく
いです。
散歩している人も学生も、「挨拶することはよいこと、必要なこと」は知っているはずです。一方はそれができにくい、もう一方は、それがいとも簡単にできてしまうのです。
この認識と振る舞いのギャップの違いはどこからくるのでしょうか。

まずは、挨拶する人どうしの関係がありますね。
雑踏の中で誰かれとなく挨拶することは絶対にありません。
わが大学で先生に学生が挨拶するのは、面識こそないもののーーー実は、大学では、学生は先生を知っていて、先生は学生を知らない、という非対称性がありますーーー同じ組織に所属しているものどうしという前提があります。
でも、前にいた大学では、これほど挨拶されたことはありません。これは、たぶん、組織の大きさが一つは関係していると思います。

組織に関連して、もう一つ、挨拶の普及には、それなりの雰囲気づくりがあると思います。
わが大学の副学長は、「ではお隣同士挨拶してください」から会議をはじめます。
それくらい、挨拶を大事にしているのです。これがわが大学の挨拶文化を作り出すのに大きく貢献しているはずです。

そして、いったん、こういう文化ができてしまえば、あとから入学してくる学生、教員は、なんの抵抗もなく、これを受け入れます。もっとも、少数ですが、こういう文化を受け入れない人、あるいは、気がつかない人もいますが。

ところで、昔、生まれてはじめて富士山に登ったときのことを思い出しました。
苦労して登っていくと降りてくる人が挨拶をしてくれるのです。ちょっとびっくりしました。その後も何度か山登りをしましたが、同じように挨拶されました。
これはなんなのでしょう。たんなる山登りのマナーなのでしょうか。

  • 挨拶はなんのために
 挨拶は地球上のどこでも交わされる親しみのための儀式です。
儀式ですから、まず、するべき時と場所では必ずしなければなりません。そして、挨拶の仕方(マナー)もそれぞれの文化による違いはありますが、必ず決まっています。
外国訪問した際の要人どうしの挨拶がその典型ですね。聞いたところによると、外国訪問の際、まずは、要人へのレクチャーは挨拶マナーだそうです。

 こうしたいわば「公式的」な挨拶は、双方がして当たり前、しかも、その場のマナーに従ってして当たり前となります。できなかったら、恥知らずとなります。時には、国際問題にもなりかねません。

 ここで問題にしたい挨拶は、いわば「非公式の」挨拶です。これには、明確な決まりがない、しかし、強い「暗黙の」決まりがあるだけで前に紹介したような面倒が起ることになります。

ところで、こうした挨拶は何のためにやるのでしょうか。
感情表現は、自分の気持ちを伝えるシグナルなり、という考えがあります。それを敷衍すると、挨拶、それに伴う表情(笑顔)は、あなたの親しみの気持ちを相手に伝えるシグナルと言えます。

なんのために親しみを見せるかというと、
はじめての場では、
「攻撃しません、皆様の仲間です、あるいは、仲間にいれてください」
というメッセージを伝えるためですし、
親しい場では、
「これから、自分もその場にいれてください」
というメッセージを伝えるためです。

だとすると、親しい人の場合は違和感なくお互いに挨拶できますし、しなければ不自然になります。そして、相手が見知らぬ人だと、挨拶すると、予想外のことなのでびっくりされたり、なんでなれなれしくしてくるの、という警戒心を抱かせてしまうことになります。それが、無視、反発となります。
となると、見知らぬ人への挨拶が気持ちのよい挨拶返しをもたらすのは、予想や警戒心とは無縁な状況の場合だと思います。登山道の1本道でのすれ違いの挨拶交換がその例です。

近隣の散歩道でのすれ違いでの挨拶はどうでしょうか。
警戒する必要のない人、たとえば、犬をつれた人や高齢者には、自然に挨拶をしている自分に今気がつきました。

挨拶は、相互的なものです。
お互いが同じような状況認識ができれば、挨拶をめぐっての緊張関係や無視、反発は発生しないのですが、状況認識がずれると、挨拶したほうからすると無視がしゃくにさわる、挨拶されたほうは、びっくりしたり、警戒心を持ってしまった自分に罪悪感をちょっぴり抱いてしまうようなことになります。
この微妙な心の動き、たかが挨拶、されど挨拶ですね。

 
  • 挨拶で相手を元気にする
やや長い余談から入ってしまいました。仲間を元気する挨拶の話に入ります。

見知らぬ人からのいきなりの挨拶には身構えてしまいますが、仲間ならおおかたの挨拶には誰しもポジティブに反応するはずです。それはひるがえってあなたを元気にします。
自分のポジティブな気持ちが相手をポジティブな気持ちにして、それがまた自分をよりポジティブにしてくれる、こうしたコミュニケーションをポジティブ・コミュニケーションと言います。

挨拶は、ポジティブ・コミュニケーションの入口で大事な役割を果たしていることになります。
入口ですから、まずは入ることが大事、そして、できるだけすんなりと入りたいものですね。そのためには、どうしたらよいのでしょうか。
 
  • 相手も自分もを元気にするための効果的な挨拶とは
ここでも、たかが挨拶、されど挨拶です。
結構、身につけるまでは、面倒な配慮と努力とが必要です。大事と思われるものを箇条書きにしてみます。
  • 挨拶の頻度をやや多めに
ある小さい牛丼のお店に入ったときのことです。
ドアを開けると「いらっしゃいませ」席に着くと「いらっしゃいませ」、丼を持ってくると「お待ちどうさま」、レジでは「ありがとうございました、またのお越しをお待ちしてます」。
これを一組のお客に言うのですから、お客が5組もくると、しかも、店員さんが全員で言うわけですから、その凄さ、まさに挨拶騒音でした。
いくら挨拶の頻度を多めにといっても、ここまでやるのは行き過ぎです。
ただ、一般にはやや挨拶が少ないのではないでしょうか。あなたの身の回りではいかがですか。そして、全体が、やや不機嫌な雰囲気がありませんか。それは、よくないですね、挨拶の頻度を少し多めにしてみることをすすめます。

  • 挨拶返しがなくとも、ひたすら挨拶
インテーネットで素敵な話を見つけましたので、紹介させてもらいます。
よくすれ違う人に挨拶をしたら、無視された。しゃくなので、すれ違うたびに大声で挨拶することを繰り返した。何度かそうしたことが続いた。
あるとき、その人が待っていた。手紙とお菓子を黙って手渡してくれた。手紙には、「自分は、言語障害のため、あなたの挨拶に答えることができなかった。申し訳ない」と書かれてあった。
 挨拶の無視は気分が悪い、だから自分からは挨拶しない、いうのも痛いほどその気持ちは、わかります。でも、こういうこともあります。嫌味にならない程度に率先挨拶の方針でいきたいものです。
 挨拶しないー>気持ちが伝わらないー>不気味―>挨拶しない――――
というネガティブ・コミュニケーションに入り込んでしまったら、お互いに不幸ですね。

  • 心をこめる
ポジティブな気持ちがあれば、その表現は自然に表情に現れます。
いつもより大きな声、直立した姿勢、相手の顔に向けた安定した視線、そして、笑顔となって表出されます。
 したがって、心のこもっていない挨拶は、ただちに相手に見破られてしまいます。
挨拶にも儀礼的なものがありますから、いつもいつも「心をこめて」である必要はないのですが、やはり、こうした感情表現にも配慮したほうがよいと思います。

  • タイミングを見計らう
 散歩していて一番厄介なのが、1本道で先方から同じように散歩をしている人が近づいてくるときです。
視線配りがなかなか面倒なのです。
じろじろ見るわけにもいかないし、かといって、見ないわけにもいかないし。ましてや、さて、挨拶はどうしようと考えたりすると、逃げ帰りたいような気持ちになってしまいます。そんな経験、ありませんか。
 原則は、相手との距離120~360センチ、そして、視線があった瞬間。これが挨拶するタイミングだと思います。
 120~360センチ。これは、相手との関係によって、見知らぬ相手との最適な距離があるとするパーソナル・スペース論に基づくものです。
 見知らぬ人がこの空間に入ってきたときは、瞬間的ですが、お互いに仲間になるのです。ですから、挨拶をしよう、しなければ、となるのです


  • 多様な挨拶のレパートリーを
 挨拶は、声に出してするのが原則ですが、たとえば、エレベータに乗り込むときに見知らぬ先客がいる。こんなときに、いつものように大声で笑顔の挨拶というのはおかしいですね。
目礼、会釈くらいが適当です。これなら、一緒に乗っていて無言でもそれほど気まずい思いはしないはずです。 
 TPO(time.place,occasion)に応じた挨拶の仕方もありますから、言葉の使い方も含めて挨拶のレパートリーを増やすことも必要です。

  • 挨拶の次も大事
挨拶は、ポジティブ・コミュニケーションの入口にすぎません。だから大事なのですが、しかし、入口にとどまったまま、というわけには普通はいきません。
「おはようございます」、相手も「おはようございます」。
これで双方だんまりでは、行きずりならともかく、知り合いどうしでは、まずい状況になります。
さらに中へとはいっていく、それもできれば、ポジティブ・コミュニケーションの方向へもっていくための手立ても必要です。
定番は時候の挨拶です。
あまりに定番になっているため、かつて失敗しまったことがあります。外は雨なのに、何気なしに「今日は天気がいいので」と定番挨拶をしてしまいました(笑)。
これはご愛嬌ですが、いきなり用件とはいきませんので、入口の挨拶と用件までの間をつなぐ、話題のレパートリーも豊かにしておきたいものです。
 ・誰もが知っている、関心のある時事ネタ
 ・共通の友人の楽しい話題
 ・自分の失敗談
 などなど






おおらかさを身につけるコツ

2021-03-04 | ポジティブ心理学
おおらかさを身につけるコツ
①ルールや決まりに縛られない
 おおらかさには、ルールや決まりにはこだわらない、といより、そうしたものを超えたところに行動原理を求めます。天真爛漫、天衣無縫、子どものような振る舞いが自然にできるようになることと言ってもよいかもしれません。
 「官僚的」な行動原理の反対です。
 だからといって、周りとのあつれきや衝突、攻撃とは無縁。そんな振る舞い。難しいですが、できたらいいですね。
 でも、注意しなければならないのは、ついつい「大ざっぱ」になりがちなことです。どこかでここからはだめ、という枠を自分できちんと意識しておく必要があります。そのから外は絶対だめ、というものです。法律違反はもちろん、差別や人権侵害など、社会人としてのモラル。さらには、自分なりの生き方の上での大枠ですね。

②これだけは誇れるというものを持つ
 大きくは生き方、小さくは趣味。自分にはこれがある、何か人にほこれるものがあることは、おおらかになるためには必須です。それが自信になります。
 加山雄三の個展を拝見したことがあります。それはそれは見事な絵画でした。これがあってのあの自信なのだと納得しました。
 これがあれば、自身の弱さをさらけ出すのも平気です。そこに周りをひきつける魅力が生まれます。

③苦労から逃げない
 加山雄三のすごいところは、順風満帆の人生のようにみえながら(みせながら)、とてつもない苦労を潜り抜けての今のおおらかさがあるところです。それが人柄に厚みをつけています。浅薄なから元気ではなく、真正の元気が溢れさせているのも、その苦労と正面から格闘してきた賜物だと思います。

④ポジティブコミュニケーションをこころがける
 「ほンわか」ですね。
 ほめる(褒める)
 わらう(笑う)
 かんしゃする(感謝する)
 日常的なこころがけとして大事です。これがあなたに対するイメージを「おおらか」な方向へ変えます。そして、自分がそうなれます。
そして、ポジティブに振る舞へば、木より森をみるようにさせます。細かいことにこだわりません。人の欠点よりその人全体を受け入れることができるようになります。


 
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自分と周りを元気にするサービス心の活用のコツ

2021-03-03 | ポジティブ心理学
自分と周りを元気にするサービス心の活用のコツ

①いつもいつもサービスは疲れる
 サービス業に従事している人々を襲う病の一つに燃え尽き症候群があります。あまりに相手の気持ちにばかり配慮して自分の感情を抑えこんでしまった長年の心労が引き起こすものです。
 サービスは、あくまでサービス。所詮、あってもなくとも本質はかわらないくらいの気持ちがあって良いと思います。できる範囲でできるときにやればよいのです。無理は禁物です。

②気持ちが落ち込んでいるようなときに、あえてサービスしてみる
 気持ちが落ち込んでしまったようなとき、ずるいようですが、自分の気持ちを立て直すために、サービス心を発揮することもありです。これで、サービスを受けた人の喜んでくれれば、それが自分に返ってきてうれしくなります。
 会社で何かあったようなとき、一杯飲んでうさをはらすのもありですが、そんな時こそ、早く帰宅して家族サービスをするのです。

③自分ボランティアのレパートリーを増やす
 サービスの組織化されたものがボランティアです。
ボランティアの多くは、仲間と一緒に一定の手続きに従ってやります。となると結構、面倒です。それはそれでありですが、もう一つの自分なりのボランティアも大小とりまぜていくつか用意しておくと良いかと思います。
無償の善意の実行です。これは仲間不要です。でも、誰かのためになっている感覚は、真正の元気につながります。

④これが自分のサービスというものを一つ用意する
 前項と矛盾しますが、何か自分のお得意のサービス、あなたならではのサービスを一つ持っていると言いと思います。おいしいお茶をいれてあげるとか、宴席で喝采を浴びる瞬間芸とかです。
何のサービスをしようかと考える手間隙を省くためです。