ひとみの目!

元神戸市会議員・社会保険労務士・行政書士
人見誠のブログです。

フランス視察~東芝のリヨン・コンフュランスにおけるスマートシティ事業~

2015-11-17 22:54:25 | 日記
さらに、近くの「東芝」の事務所で リヨン・コンフュランスにおけるスマートシティ事業の取り組みの現状と課題などについてお話をお伺いしました。

リヨン・コンフュランスの地域は、昔は沼地だったところで、今は埋立地になっている。

リヨン・スマート・コミュニティ事業は、2008年にリヨン関係者が訪日して話が進み、2011年にグランリヨンとNEDOの間で協定が締結され、2012年から東芝を中心に順次スタートしている。

この事業のタスクは、
①新設ビルのPEB化、
②スマート交通システム、
③既設住宅のスマート化、
④CMS
の4つから構成されて、2011年から2016年の期間で行なわれている。

EU環境政策20-20-20(①1990年レベルに比べ、EUの温室ガスの排出を20%削減、②再生可能エネルギーから創出されるEUエネルギー消費の割合を20%に増大、③EUにおけるエネルギー効率を20%改善)やフランスの環境政策のグルネル法を踏まえた上で、
①この地域にスマートコミュニティのモデルを作る、
②日本の優れた技術の紹介・導入を図る、
③スマートコミュニティに必要なものを理解する、
ことを目的にしている。

東芝が全体を企画・管理し、多数の日系企業が協力している。

「新設ビルのPEB化」では、複合ビルの「HIKARI」を建設し、センサーで部屋にいる人数や何をしているかを把握しライトや空調を調整したり、菜種油を使ったCGSを導入したり、入居者にタブレットを配って消費電力を可視化するなど創エネ・蓄エネ・省エネ・エネルギー管理の実証実験を行なっている。

「スマート交通システム」は、PVをエネルギー源とするEVシェアシステムによるゼロエミッション交通の確立と交通渋滞・駐車場不足の解決を図るため、三菱自動車製とプジョーシトロエン製の電気自動車を6箇所に計36台と普通充電と急速充電のスタンドを設置してカーシェアリングを行なっている。

利用登録者は約180人で、ほとんどが個人。登録してネットで予約し、使った分だけ利用料を払うが、30分で4ユーロ程度。

借りたところと同じところに返さないといけないのが長所でもあり短所でもある。

μEMSで発電を管理している。

「既設住宅のスマート化」は、築80年の公営住宅7棟を住宅公社(グランリヨンハビタット)が改修し、全275世帯中200世帯以上にタブレットによる消費エネルギーの見える化(ConsoTab)に参加してもらっている。

電気・ガス・水道の使用量が見え、電気は家電ごとにも見れるようになっており、アドバイスも多く出して省エネに繋げている。

「CMS」は、①~③のタスクのデータをとりまとめて、分析などを行なっている。

リヨンのプロジェクトはステップであり、NEDOや協力企業等と課題を乗り越え、これらの4つのタスクを柱に快適なまち暮らしを実現したい、

といったお話でした。

リヨン・スマート・コミュニティの具体的な取り組みをお聞きしました。NEDOの実証実験で、NEDOなどからの出資により実施されていますが、交通システムや消費エネルギーの見える化など市民に具体的でわかりやすく、成果が実感できる取り組みが行われています。

神戸市においても環境モデル都市や「神戸スマート都市計画」によるスマート都市実現といった取り組みにおいても、リヨンの事例を参考にすべきところが多くあると思います。




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