三流読書人

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天下り・寄生虫・パラサイト

2005年12月26日 10時20分56秒 | 教育 
 『朝日新聞』12月24日(土曜日)付 コラム欄「私の視点」ウイークエンドに次のような記事が載った。
 筆者は、吉田達也氏、東京都立大大学院生。
以下引用。
《◆国会図書館・「天下りでない館長選びを」  
 高額との批判を受けていた国立国会図書館長の給与を引き下げる改正国立国会図書館法が今春、成立し話題になった。だが、館長の身分はどんなものなのか、知る人は少ない。改めて国会図書館の存在意義を確認し、館長は官僚の横滑りでなく、創立の理念にふさわしい人物を選ぶべきだと訴えたい。
 18歳以上なら誰でも、それ以下でも支部図書館の「国際子ども図書館」を利用できる国会図書館は、戦後間もない48年に設立された。国会図書館法の前文にある理念「真理がわれらを自由にする」は、同図書館を日本の民主主義建設の礎にしようとした歴史学者の羽仁五郎(当時参院議員)が起草したものだ。
 大学院に入る前、私は彼が書いた「教育の論理 文部省廃止論」に出会い、彼が心血を注いだ国会図書館創設に興味を持った。羽仁は言論と思想の自由を奪った治安維持法で2度逮捕されたが、一貫して官僚支配にあらがった人だ。著書「図書館の論理」の中で国会図書館の使命を「議会政治が官僚政治を打破する」ことだと述べている。
・・・中略・・・
 「国権の最高機関」と言われながら、国会には独自の調査機関すらない。国会質疑で政府官僚が「公務員の守秘義務」を盾によく逃げ腰の答弁をするが、国会図書館が、各省が持つ資料室をその支部として管轄下に置くことが出来れば、行政資料を随時収集できる。議員が国会図書館に資料請求すれば「守秘義務」は隠れみのとして通用しない。
 羽仁がこうした機構の導入を委員会に諮ったとき、旧大蔵省などの官庁は猛反発した。だが実現してみると、たちまち効果を発揮した。第4次吉田内閣のバカヤロー解散(53年)は旧社会党の西村栄一議員が各国防衛省の資料を基に首相を追いつめたこことが発端だが、その資料は国会図書館に出させたものだった。
 創立当時の新聞はその意義を解せず「議員が本を読むと思うのか」と書いた。羽仁は「本を読む図書館じゃなく、立法の基礎をなす資料を官僚の手から議員の手に移すための図書館なんだ」と切り返している。
 このような価値を持つ国会図書館は国民の貴重な財産である。元来その館長に起用される人物には二つ以上の外国語を理解出来る能力が求められた。初代館長は、憲法学者の金森徳治郎であり、副館長は「図書館の未来像」を構想した思想家の中井正一だ。
 しかし、ここ40年以上、国会図書館長といえば国会官僚である衆参両院の事務総長が入れ替わり就く「天下りポスト」になっている。長く政権交代なきに等しい状態が続いたため、「民から官」へ移行してしまっているのだ。国会図書館は国民の財産であって官の私物ではない。創立の志に合った人選をすべきである。》

 創立の志に合っていないのだ。現館長は。こういうことは知らなかったなあ。しかし、他の天下りポストにも、いっぱいこういうヤツがいるんだろうな。
 

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1 コメント

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突然で恐縮ですがご招待です (素町人@思案橋)
2005-12-27 11:33:00
 「役人/天下り」に関するクイズを作りました。

「相も変わらぬ天下り天国。いっそ「天上がり制度」にしたら?」

という記事です。

問題は、「国土交通省の前次官の再就職先は?」

正解は→ http://blog.q-q.jp/200512/article_127.html

 他にも「政治/経済雑学クイズ」がたくさんあります。

 お近くへおいでの節は、どうぞ拙宅へもお立ち寄り下さい

(ご迷惑でしたら、お手数ですがコメント、TBの削除をお願いします)

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