『毎日新聞』8月27日 コラム「発信箱」今日は大島英利氏(社会部)担当
《 暴力が暴力を生む状況が世界各地で連鎖のように起きている。それは過去の悲劇の学ばないことが根元にあるのではないかと思う。
侵略戦争を起こしたわが国の加害の歴史と、原爆による被害の歴史を十分考慮しないと,さまざまなかたちの悲劇を生むだろうと8月6日から15日にかけて思う。
今夏、私の立つ立場から戦争を考える上で注目すべき報告書が出た。スエーデン政府が主導し各国の識者が集まった「大量破壊兵器委員会」(ブリックス委員会9がまとめたものだ。題名は「恐怖の兵器ー世界を核、生物、化学兵器から解放する」。
この中に「大量破壊兵器は誰の手にあっても危険だ」という指摘がある。
核問題に詳しいピース・デポ代表の梅林宏通さんは専門誌「核実験・核兵器モニター」でこれに注目している。
私も同感で、新世紀の一連の出来事を見るにつけ重みを持つ指摘だろう。
報告書はとくに核兵器に重点を置いて言う。
「どこかの国が核兵器を持っている限り、他の国が持とうとするであろう。核兵器が存在する限り、計画的であるにしろ事故にしろ何時かは使われる危険がある。使われたならば破滅である」。
まさに暴力の連鎖を危惧するものだ。
「核兵器を持つ政府は責任ある行動をとることもあれば、無謀な行動を取ることもある。政府は時がたてば交代する」
これは多数の核兵器を持つ米国やロシアを念頭に置いたものだろう。
米国の核の傘下に入る一方、近隣諸国との関係が、きしむ今の日本に私は強い違和感を持たざるを得ない。 》
憲法を変えて、外国へ戦争をしに行くことを可能にする。
核兵器を日本に持たせる、そして日本の若者に戦争をさせる。
今度は日本人が死ぬ番だと。
これだけ莫大なお金を負担し、基地を提供し、基地を移転すると言えば引っ越しの費用を出す。
いくら言いなりになっても日本のために米軍の兵士は死ぬことはないだろう。アメリカが守ってくれると日本人は信じているが、アメリカの世界戦略の一翼を肩代わりさせられてきただけである。
大変な額のミカジメ料を払ってきたけれどおそらくは無駄であった
ということに。
憲法を改悪する理由はそこにある。
日米安保条約を破棄して、以後付き合わないこと。それが一番。