鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

①ドア一般と個別的ドア、②ドアに「応じる」と「答える」(GLASS9-42)

2008-02-04 22:39:25 | Weblog
 アリスが戸口の前にいるとドアが少し開く。長いくちばしを持った生き物がちょっと頭を出して言う。「再来週まで入れない!」と。ドアがバタンと閉まる。アリスがたたいたりベルを鳴らしたりするが無駄。すると蛙が現れて「どうしたのだ?」と質問。「ドアに応じる to answer the door 召使は一体どこにいるのよ」とアリスが怒る。蛙が変なことを2つ言う。①「どのドアだ?」とドアが目の前にあるのに蛙がたずねる。「このドアに決まってるでしょ!」とアリスはいらつく。蛙はドア一般を考えているのに対しアリスは具体的or個別的ドアを考えている。次に②蛙が「ドアは何について質問したのだ? What has the door been asking of? 」とたずねる。「ドアに答える to answer the door 」のだからと蛙が言う。ここには「ドアに応じる to answer the door 」(アリス)と「ドアに答える to answer the door 」(蛙)の混同がある。

ベルの引き手事件:アリスが家に入れない(GLASS9-41)

2008-02-04 00:14:09 | Weblog
 アリスの家のアーチのある戸口にベルの引き手が二つある。一つは「客用ベル」、もう一つは「召使用ベル」。アリスは戸口の前で戸惑う。戸が閉まっていて入れない。ベルを引こうにもアリスは困る。「私はお客でないし召使でもない。女王用ベルがあるべきだ」と。だが困る理由は明白。アリスが女王なのに召使も連れずに外にいるからである。