「あなたね!」とアリスが赤の女王に食って掛かる。なぜなら赤の女王こそすべての悪戯の原因に違いないから。ところが赤の女王は突然小さくなってテーブルの上を走り回り自分の後ろにたなびくショールを追いかける。ほかのときならこの変身に驚いたろうがアリスは今ひどく興奮しているから何が起きようと驚かない。アリスは小さくなった赤の女王を捕まえて「あなたなんか振って子猫にしてやる!」と言う。アリスは癇癪持ちである。
スープのお玉がテーブルに沿ってアリスの椅子の方に歩いてきてどけとイライラしながらアリスに合図する。すでにろうそくがみな天井まで伸びビンが二枚の皿をくっつけてパタパタと飛び、白の女王が深皿のスープの中に消えたりしている。その上お玉ごときにどけと言われ「こんなこともう我慢が出来ない!」とアリスは叫ぶ。そして両手でテーブルクロスをつかみぐいと引っ張る。皿、客、ろうそくなどすべてがガチャンと落ち床に山になる。アリスは気が強い。赤の女王がいるのに自分のパーティが滅茶苦茶になったからと怒ったのだから。