アリスの前に羊肉の脚つまり大きり肉が続いて出される put on がアリスは心配になった。これまで彼女は大きり肉を切り分けたことがなかったから。それを見て赤の女王が「お前は少し恥ずかしがっているように見える。お前を羊肉の脚に紹介しよう」と言う。「アリス、こちらが羊肉さん。羊肉さん、こちらがアリス」と赤の女王。この不思議な事態はなぜ生まれたか。赤の女王は初めから羊肉の脚をアリスに「紹介する put on 」つもりだった。ところがアリスは羊肉の脚が「続いて出される(付け加わる) put on 」と思ったのである。あとは成行のまま。羊肉の脚が皿の上で起き上がりアリスにお辞儀する。アリスもお辞儀を返す。急のことでアリスは怖がるひまも面白がるひまもなかった。
女王アリスのパーティにアリスが登場し席に座る。しかしシーンと静かで彼女は居心地が悪い。誰かがしゃべってほしいと彼女は思う。赤の女王がしゃべり始める。「お前はスープと魚を食べ損なった」とアリスに言う。そして「大きり肉を次に持ってまいれ put on 」と召使に命じる。赤の女王は奇妙。①アリスがパーティに出席する前にスープと魚が出たことがアリスにどういう関係があるのか、つまりわざわざ言う必要があるのか。また②スープと魚を食べ損なうとなぜ次が大きり肉なのか理由がない。