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迷歩録   かん

2016-12-14 10:16:19 | 日記
  雨の後  北風強く  落ち葉舞う  紅く染まりし  枦ノ木揺れる


                             ひのひら  ろくべえ




    「かん」この頃はこのように問うと「感」という字を使う人が多いようだが、直感や、第六感などを

    表す時は「勘」この字を使う、勘がいい、勘が働く、勘に頼るなどと使う。

     この漢字の意味は、考える、奥深く突き詰めるの意味があり、「感」強く心にこたえる、また強い

    刺激を表すこの漢字とは意味が異なる。

     対人援助職で求められる援助者の「かん」は、「感」ではなく「勘」であることを、漢字を学ぶこ

    とで知ってほしいものである。

     対人援助職の中で、クライアントの安全を守ることは第一義的な事だが、この安全をいち早く察す

    ることができる能力は、この勘働きが如何に鋭いかということにかかっている。この勘が鋭かれば、

    インシデントや、アクシデントをいち早く見つけ、あるいは未然に防ぐことができることとなる。

    このことがとても大切なのだが、多くの施設は、ヒヤリハットとか、インシデントと言った、事故

    に至らないが、そのような発見、あるいはそのようなことに至った経過を記録している所が多いと

    聞く。確かに参考にはなるだろうが、スタッフの行動目標とはなりにくい面がある。

     それ故に勘働き、という記録物を作成して、未然にどのような時にどのような事に注意したか、そ

    の理由や根拠を記録として残すことで、多くのスタッフが共有できることとなる。つまり一人のスタ

    ッフの勘働きが、事故発生を防ぐということに役立つのではないだろうか。福祉施設などでは、転倒

    ゼロ目標や、褥瘡ゼロ目標、誤飲ゼロ目標、インシデント、アクシデントゼロ目標をたてて、頑張っ

    ている施設が多いが、記録そのものは利用しきれてない部分もあるのではないだろうか。

     そこで、未然に防いだ記録というものを大事にするというように方向転換してみたらどうだろうか。

    気がつかなければ、あるいはサポートしなければ、インシデント、アクシデントに至ったであろう事

    案を、防いだ記録を参考にして、施設内議論を高めることで、スタッフの行動目標や、行動抑制、注

    意点などが明らかになっていく。

     このように「勘」というものは、考えて行動してるからこそ得られるものなのであることを、知るこ

    とも大切な事なのである。科学的思考が主流の現代、「かん」「勘」という精神活動を見直すことも人

    間的ケアなのかもしれない。人間による人間の援助を考えよう。

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