迷歩録 新陳代謝

　<strong>　雲厚く　　陽射し届かず　　冬日和　　開花を待や　　梅蕾かな


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ



　　　　　雲が厚く、陽射もなく、冬日和そのものの天気、炬燵が友達、気分まで暗くなる。

　　　　話題が特にないが、初場所に稀勢の里横綱が出場予定との報道、春から縁起を乗せて

　　　　活躍してほしいものである。

　　　　　昨年のことは忘れ、自己の精神的新陳代謝を高め、前向きに望んでほしいものである。

　　　　身体的な新陳代謝は言うまでもないが、精神的新陳代謝が最も重要ではないだろうか。

　　　　　精神的新陳代謝というものを、意図的に行える者ほど強者という事になるのかもしれ

　　　　ない。身体的新陳代謝は、生物学的に行われるが、精神的新陳代謝は意図としなければ

　　　　行われない。その意図をどのように持つかが大切な事ではないだろうか。

　　　　　アスリートに求められる精神的な強さというものは、どれだけ精神的新陳代謝を行な

　　　　えるかという事にかかっているのかもしれない。

　　　　　いずれにしても、精神を水の流れと捉え、その水の流れを止めることなく、流し続ける

　　　　努力こそが、精神的新陳代謝という事になる。

　　　　　つまり、新しいものを吸収しながら、不要なものは捨て去る勇気を持つということでは

　　　　ないだろうか。

　　　　　稀勢の里風に言えば、がむしゃらに、相撲の新しいものを見つけることを前向きに行う

　　　　ことで、精神的新陳代謝が行われ、過去にこだわらない、一皮むけた、稀勢の里が誕生した

　　　　とき、新しい時代が見えてくるのではないだろうか。

　　　　　精神的新陳代謝を実践してほしいものである。