迷歩録 覆水盆に返らず

　　春の花　　ぼやける程の　　朝霧や　　新芽に溜める　　水滴光る


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ


　　　　　昨日の雨は夜半には止み、夜明けとともに朝霧の中、三十メートル先も見えないほどの

　　　　深い霧であった。八時過ぎには霧もなくなり、暖かい日差しが大地を覆ってきた。昼前に

　　　　は暖かい夏日前といった感じの南九州である。

　　　　　コロナ肺炎ウイルスの話題が相変わらず続いている。昨日ごろからオリンピック延期の

　　　　話題も賑やかになって来た。商業主義を優先してきた人類の祭典も、ウイルスという極小

　　　　のものに、してやられる感じになって来た。人類全体の危機のように報じられるが、今ま

　　　　での歴史の中でこのような事はなかったのであろうか。人類は愚かではないはず、今の危

　　　　機を乗り越える準備は進んでいるのではないだろうか。

　　　　　覆水盆に返らずという諺がある。ウイルス対策が後手にまわりこのような結果にならな

　　　　い事を祈るばかりである。

　　　　　小さな判断ミスが取り返しのつかない事を起こす、そんな時に、以前こうしておけばな

　　　　どと後悔しても後の祭り、覆水盆に返らずである。

　　　　　大変な時ほど慎重に確実性を追求しながら物事を進めることが大切ではいだろうか。

　　　　過去は帰ってこないのだから。