むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ツガザクラ:栂桜(地味でも捨てがたい果実) 

2014-08-19 09:10:41 | 植物観察過去ログについて

池の平湿原の少し盛り上がった岩場にツガザクラ:栂桜(ツツジ科ツガザクラ属)が生えていました。
花期は過ぎて、茶色の果実(さく果)がきれいに並んで立ち上がっていました。
本州、四国の高山帯~亜高山帯上部の岩の隙間や礫地にはえる常緑小低木で、茎は地に伏して、上部は斜上し高さ10~15㎝、葉は小形の線形で、ツガのように密生します。日本特産でPhyllodoce nipponia MAKINOの学名があります。和名は葉がツガに似て、花が桜色でサクラのように5裂しているところからきています。
初夏に咲く花は、枝の上端に1~5個つき、淡紅色の壺状鐘形で、萼も濃い紅色、いかにも高山に似つかわしい美しさです。
亜高山帯~高山帯に生育するツツジ科の小低木の多くは壺状鐘形のかわいい花をつけ人気の高山植物となっています。よく似た花をつける仲間でも、液果になって食べることができるクロマメノキ(‘12年9月4日記事)や、萼が成長し多肉になり、さく果を包ん液果状になり食べられるアカモノ(’12年9月26日記事)、花が散ると子房が熟し、これが萼に包まれて段々肥大して白い球形のさく果になるシラタマノキ(’12年9月5日記事)など、果実の形がさまざまになって、花も実も楽しめます。
ツガザクラの場合、果実は地味ですが、行儀よく並んだ茶色の姿も愛嬌があるといえます。
近い仲間に花梗と萼が緑色で、花が白いアオノツガザクラがあります。(’11年8月7日記事)

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