夏には高山植物が乱れ咲く秋の千畳敷カールも、10月ともなれば実をつけた草木がわずかに見られるだけでした。岩陰に目立つ白い実をつけていたのはシラタマノキ:白玉の木(ツツジ科シラタマノキ属)でした。
本州の中部地方以北、大山、三瓶山、北海道の亜高山帯~高山帯の草地や林縁に生える常小低木で、地下茎から枝を斜上して高さ10~30cmになります。 葉は互生で厚く無毛、皮質で光沢があります。
夏、上部の葉脇に白い花が1~6個つき、花冠は長さ約6mmの卵球形~卵状壺形で浅 く5裂します。
亜高山帯~高山帯に生育するツツジ科の小低木の多くは壺状鐘形のかわいい花をつけ人気の高山植物となっています。よく似た花をつける仲間でも、液果になって食べることができるクロマメノキ(‘12年9月4日記事)や、萼が成長し多肉になり、さく果を包んで液果状になり食べられるアカモノ(’12年9月26日記事)、花が散ると子房が熟し、そして萼に包まれて段々肥大し,白い球形のさく果になるこのシラタマノキなどで、果実の形がさまざまあって、高山のツツジの仲間は花も実も楽しめます。
アカモノに対し本種はシロモノの別名があり、果実は、つぶすとサロメチールの匂いがするといいます。
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