むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

モリアオガエル:森青蛙(変わった生活史) 

2016-07-04 16:32:36 | 植物観察記録



小さな沼の上にモリアオガエル:森青蛙(アオガエル科アオガエル属)の白い卵塊ができていました。
近くの木陰に複数のモリアオガエルが潜んでいます。
カエルは水中に産卵するものがほとんどですが、モリアオガエルは水面上にせり出した木の枝などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産みつけます。多くのアオガエル科のカエルとちがい、モリアオガエルは産卵場所が水面の上の目立つ樹上などなのでよく目立ちます。
繁殖期になると、まずオスが産卵場所に集まり、鳴きながらメスを待ち、メスが産卵場所にやってくるとオスが背中にしがみつき、産卵行動を始めますが、卵塊の形成が進むにつれて1匹のメスに数匹のオスが群がります。
産卵・受精が行われると同時に粘液が分泌され、この粘液を集まったオス、メスが足でかき回し、受精卵を含んだ白い泡の塊を作ります。直径10-15 cmほどの泡の塊の中には黄白色の卵が300-800個ほど産みつけられ、泡の中では複数のオスの精子がメスが産んだ未受精卵をめぐって激しい競争を繰り広げることになります。
1週間ほど経って卵が孵化し、孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨を待ち、雨で溶け崩れる泡の塊とともに下の水面へ次々と落下します。
イモリが下で待ち受けていて、落下するオタマジャクシの幼生をパクパク食べます。水中にすむいろいろな天敵から運よく生き延びたモリアオガエルはやがて上陸し森の生活に入ってゆきます。
繁殖期、人目によくつくモリアオガエルは、厳しい生活史を私たちの前で演じています。

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