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7月中ごろ、万博公園自然麦秋の森の遊歩道の脇で、全身白く儚げな姿の蘭が花をつけているのを見かけました。葉緑素を持たない腐生植物とわかりましたが初見のこととて名前がわかりませんでした。
あちこち調べているとタシロラン:田代蘭(ラン科トラキチラン属)というのに行き当たりました。
本州(関東地方南部)、四国、九州、琉球に分布し、常緑広葉樹や杉林の湿度の高い林床に生え、緑の葉をもたず全面的に菌に寄生する腐生植物で、高さ15~40㎝、鱗片状の葉をまばらにつけ、全体として透明感のある白黄色を帯びます。
6~7月、茎の上部に5~20個の花が下向きにきます。苞は長さ約8㎜、萼片、側花弁、唇弁ともに長さ8㎜、広卵形で背面が膨れます。
和名は発見者の田代善太郎氏の名をとり、牧野富太郎博士により命名されたといいます。
万博公園も植樹が始まって40年余、ようやく深山の趣も感じられたタシロランの出現でした。