へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

夏も過行くタコ壺保健室

2021-08-27 09:44:15 | へちま細太郎

「学校、9月からどうすつもりやねん」
と、タコ壺保健室では、ちり~んという風鈴のさわやかな音色とは裏腹に、毒づく養護教諭の東山先生の声を筆頭に学園の各養護教諭の女性たちの声が、けたたたましく響き渡っていた。
「文科省が今頃になって始まったから、県の教育委員会も右往左往ってことだよね」
「うちも理事長以下がさっさと結論だしてくれないとねえ」
「あ、あんたメロン食べないの?」
「食べちゃって、アレルギーになった」
「え~、メロンだめなの?かわいそう」
「舌の粘膜がやられてひりひり痛いのよ」
「ウリ科のアレルギーってやつ?スイカは?」
「平気平気、メロンに限ってよ。夏にスイカ食べられなくなったら最悪だよ」
「園芸科は、炎天下でも元気だよね」
「大学も園芸だけはリモートにできなかったしね」
「そうそう、それで新学期からの対策として…」

さっきから聞いてりゃなんなんだ女どもの会話は。全然進展しとらんじゃないか。それに、園芸科からの差し入れの果物を食い散らかす気かよ。
全く、ぼくの静かな夏の日をどうしてくれるんだい。。。
おっと、午後からカウンセリングの予約が入ってたんだ。仕事仕事…。
ジェントル片山教授でした。。。

「あ、あかん、教授、健康診断受けてきた?忘れたらあかんで」
昨日うけてきたって、いったろ~が!!