へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

文化祭初日

2010-06-19 15:23:44 | へちま細太郎
こんにちは、へちま細太郎です。

文化祭初日、朝のどんよりからイッキに好転して、今はだらだらの暑さだ。
ぼくらはタコ焼きの前で暑さでうだり、売れるかと思ったらそこそこだった。
「誰なんだよ~、たこ焼きが上手に焼けると女にモテるだなんていった奴は…」
文句も汗もだらだらと流れる中、
「細太郎君が焼いているなら買ってあげる
と、高校の先輩たちが押し寄せてきて、
「なんでおめえばっかりなんだよ」
クラスの男子は余計暑くなってしまった。
「かけるく~ん」
うっ、女の子に囲まれているぼくを本名で呼ぶ奴は、
「かき氷差し入れ~」
はるみのバカだ。
「何よ、あんた
「先輩こそ、なんですか~」
ぼくは、かき氷を隣にたっていた黒田に渡すと、
「食っていいから」
と、教室の奥に引っ込んでしまった。
とたんに、
「なんであんたがかき氷食べてんのよっ
という声が追いかけてきた。
なんでこんな日にこんな面倒なことがおこるんだよ。
とほほな文化祭だ。

こども手当て

2010-06-18 23:03:37 | へちま細太郎
へちま細太郎です。

そういえば、
「こども手当てが入ってたよ」
と、今頃おばあちゃんが教えてくれた。
「貯金しといた」
「ありがとう」
くれるものはありがたく貰っておくけど…。
「税金とられた分だけ帰ってきただけかあ」
おばあちゃん、それを言っちゃあおしまいだよ。
「嫌いなんだよ、カイワレ野郎」
あ、そ。

文化祭は…

2010-06-17 22:24:29 | へちま細太郎
「かき氷しようって、誰が言ったの?
「暑いから売れるだろ」
「日曜日の天気予報見たのっ?」
「知らねえ」
「雨よ雨
「ふうん」
ぼくはバスにゆられながら、はるみのヒステリックな声を聞いていた。
病み上がり、咳が残るぼくにはイライラするはるみのキンキン声だ。
「だからあ
「知るかよ、おまえのクラスの選択ミスだろ。ここで八つ当たりされても困る。うるさいから黙ってろ」
水嶋先輩の痛烈な一言ではるみのキンキン声がやんだ。
さすがだなあ。
ぼくのクラスはタコ焼きやだ。匿名希望の東山先生が師匠だ。
「まかしときい」
と、張り切って教えてくれたのはいいけど、
「関西の男はみんな作れるんやで」
と怒鳴られてもぼくら関東だもんな。バスの中は静かになった。
寝ようっと。
へちま細太郎でした。

選挙

2010-06-16 23:49:38 | へちま細太郎

「参院選、立候補しようかな」
と元ヤンの副住職が言った。
「えっ?」
「まぢ?」
「俺も出ようかな」
今度はのぶちゃんが言った。
「ばあか、生徒に投票させる気か」
「書き変えられるよりはマシだ」
「こえな」
「こえよ」
「バカ何言ってんだ、てめえらの立候補だ」
バカ殿激怒。
「冗談だよ」
のぶちゃんが言ったけど、副住職はまじめな顔で、
「いやスローガンは“天下御免のバイク道”」
と、言い放った。
「は?」
「党名は“美都滑走連合”」
「ばあか、てめえが頭はってたゾクの名前じゃねえか」
「滑ってたのか?」
「ドン引き」
「初代の総長が漢字を間違えたんだ」
「そりゃ総理になる資格十分だ」
「宇宙人だし」
「イライラだし」
「てめえ~」

… なんじゃ、この会話は…。
ひとつも理解できん 田吾作じゃ。
全く、久しぶりにあらわれてみるばこのざまじや。
まったく、藤川家が聞いてあきれるわっ