へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

夏の終り…栄冠は君に輝く

2007-08-22 16:14:45 | へちま細太郎

早いものだねえ、残暑お見舞い申し上げます、おばあちゃんですよ。

甲子園も劇的な逆転満塁ホームランで、見事佐賀北の優勝で、高校野球も無事終了。
カープじゃなかった、阪神の金本の母校の広陵の勝ちかと思ったけど、わかんないもんだね。
子どものやることだ、強い弱いは関係ないって。
しかし、公立高校で甲子園に出てくる学校というのは、結構レベルの高いところが多いらしい。文武両道なんて言葉があったけど、ほんとだわ、昔の人のいうことは間違っていないわ。
まあ、うちのできそこないの息子2人も進学校に入れたけど、だめだわ、いくら勉強ができたからといっても、ああもふぬけでは…。
孫の細太郎に期待をしたところで、息子とはわけが違うし。
中学受験はどうするのかとか、将来はどうするのかとか、バカな父親は何をどう考えているのか、話し合っているのか、ちっともそんな気配がないので内心は気が気ではないんだな、おばあちゃんとしては。
いっそ、母親に連絡して向こうに預けてしまって、あっちの孫と交換してみてもいいかな、と恐ろしいことも考えてみたりもしている。
…。
さて、孫の行く末は行く末として、高校野球も終わったことだし、夏も終りになって、寂しさも募る中、そういえば、細太郎は宿題を終わらせたかな、と超現実的な心配事に気づいたりもするんだなあ。。。

そ~いえば、佐賀って、むかし、誰か、へんな歌うたってなかったけ?

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けんちゃんの残暑みまい

2007-08-21 19:57:56 | へちま細太郎

残暑みまいだ、けんちゃんだぞ。
って、もう残暑みまいかよっ

お盆休みが終わって部活を再開させたが、この暑さで練習にならないので、午前中早めに切り上げて、あとは勉強タイムにした。
ところが、亀梨軍団の連中は、大学のAO入試が始まっているのにもかかわらず、部室にきてはうだうだとボールで遊んでいる始末だ。
「志望理由書と面接の練習の息抜きだよ~」
と、いいつつどこで調達したんだか、ビニールプールで水遊びしていた。
どこで、どうなったらこんなやつらになっちゃうんだ…。
あ~。
しかし、暑い暑い…。
こんなんじゃ、俺もやる気でねえ。。。

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みかん

2007-08-20 22:52:36 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

おばあちゃんが買い物から帰るなり、
「みかん買ってきたわよ~」
と言って、袋に入った緑色のみかんを出しました。
「あ、ほんとだ、みかんだ」
「早いなあ…と思ったらハウスか」
緑色のみかんは、それでも甘くて、でも何となくすっぱい味がしました。
「秋だなあ」
けんちゃん先生が、しみじみと言いました。
「なんだなんだ、いい若いもんが」
おじいちゃんは、みかんをひとつむくと、
「すっぱいじゃないか」
と、目をつぶりました。 すっぱくても甘くても、ハウスでも路地でも、みかんはみかんです。
でも、なんかさびしくないですか? だって、まだ夏休みじゃないですか。
ぼくはまだ、夏の暑さに負けてないもんね。
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今朝のあさがお

2007-08-19 12:58:53 | へちま細太郎
こんにちは、へちま細太郎です。

今朝のあさがおは、今までで一番花が咲きました。
お昼になった今の時間でも咲き乱れています。
おばあちゃんみたいに元気だ
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ぐ~たらおとうさん

2007-08-18 23:13:43 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

欽ちゃんが走ってます。
「一週間は体がいてえだろうなあ」
と、おとうさんが言いました。
「リタイアできないからつらかっぺ」
おじいちゃんは、ビールを飲みながらのんきに笑いました。
「走ってから言え」
と、おばあちゃんはぶつぶつ文句です。
「冗談じゃなねえべよ、何で走んなきゃなんねーんだよ」
おとうさんは寝ころんだまま、ビールを一口。
「何でこんなにぐ~たらになったんだか
おばあちゃんは、情けなさそうにため息をつきました。
ため息をつきたいのは、ぼくも同じだい
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あさがお

2007-08-17 20:16:00 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

おばあちゃんの育てたあさがおが、毎日見事に咲き誇っています。
ブルーに少しピンクのしぼりが入っている花もあって、なかなか見応えがあります。
毎朝毎朝たくさんの花が開き、夜は夜でたくさんのつぼみが開花の準備をして、朝が楽しみなんだなあ。
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送り火

2007-08-16 23:16:57 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日はご先祖様があの世に帰る日なんですが…。
「なんじゃ、この暑さは」
近衛少将様が扇で仰ぎながら文句を言いました。
「この冷蔵庫とか申す食べ物の箱は、涼しくてよいの」
と、関ヶ原のおじさんが、首だけを出してからだを冷蔵庫に入れて気持ち良さそうにしています。 そこへ、何にも知らないおとうさんが冷蔵庫を開けて、
「スイカ、ねえのかよ」
と文句を言いました。
…(-.-)。
ご先祖様たちは、ここぞとばかりにぼくのうちを歩き回り、気配を察したリカが部屋のすみっこにおしりを向けて座り込んでいましたが暑さには勝てず、扇風機の前に陣取っていました。
そうなんです。
今日はエアコンでは間に合わないくらいの暑さで、みんなバテバテでした。
「普通、幽霊がいると寒いと思うんだけど」
とぼくが言うと、
「拙者は幽霊などではござらぬ」
と、鳥羽伏見のおじさんに言われました。
「うっひゃっひゃ」
と変な笑いは鎧姿のおじさんで、すっかりテレビが気に入ったみたいです。
たいていのご先祖様はおうち?に帰ったみたいですけど、何人かはこうして残って、ぼくのうちの中でふらふらと遊んでいました。
夜になって、テレビで京都の五山の送り火を生中継していました。
「拙者、京で見たでござるよ」
鳥羽伏見のおじさんが懐かしそうな表情をしています。
「あの時は、藩の京屋敷に詰めていたのでござるが、よもや幕府がなくなろうとは思いもよらなかったでござる」
テレビの中では、『大文字』『妙法』『舟形』『左大文字』『鳥居』と次々に点火されて行き、僕たちはその素晴らしさに目を奪われていきました。
「これでご先祖様ともお別れだねえ」
とおばあちゃんがつぶやきました。そして、
「細太郎も、大変だったねえ」
と、隣にいる鎧姿のおじさんをじろっと見ました。
「見えてたのか」
ギョッとした鎧姿のおじさんが、びっくりして後ずさりしていました。
おばあちゃん、ご先祖様にも怖がられている…。
「何わけのわかんないこと言ってんの」
おとうさんとおじいちゃんは、ビールを飲みながらテレビに見入っています。
のんきな人たちだなあ
テレビの五山の送り火が消え始めたころ、
「さて、そろそろ参ろうかの」
近衛少将様の声が聞こえたと思ったら、いつの間にかご先祖様たちの姿がかすんで見え、
「世話になった」
と言う声ともに姿がすっと消えてしまいました。
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今日誕生日の人

2007-08-15 23:09:20 | おたより
今日誕生日だという人を知っています。
だけど、今日何をしているのか、知りません。
人の出会いと別れとは、そんなものなんだな、と思いました。
元気でいるかな
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終戦記念日

2007-08-15 21:25:20 | へちま細太郎

「終戦記念日か」
と、坊主頭の兵隊さんがいいました。
「拙者は違うでござる」
これは、鎧甲のお侍さん。
「拙者は鳥羽伏見の戦いでごさった」
「わしは関ヶ原じゃ。ただわしの場合は殿が食いしん坊であったが故に、いくさ場では死なんかったがな」
食いしん坊の殿様って…(・_・;)
「そういえば、ここにいるもので、墓に体がおるやつはおるか」
いちばん偉そうな鎧姿の武士が、みんなを見回しました。 みんなはお互いの顔を見たりしていましたが、さっきの関ヶ原のおじさんとお公家姿の人が手を挙げました。
 「まろは、この地に戦で来たが、幸いに生き残ってしまったでおじゃるよ」
「おお、これはわが一族近藤家の祖である藤原近衛少将鷹仁殿」
「嫌みか、まろは解任されたが故に、かような地に参ったのじゃ。子孫なら少しは細太郎の前で敬うがよい」
なにやらご先祖様が、明日帰るらしく終戦記念日の今日、世界平和を憂える会議…なんていうのを開催していました。
今年、ぼくはお泊まりもせずにうちに帰ってきたので、おじいちゃんおばあちゃんのおうちからぞろぞろとご先祖様がついてきて、
「細太郎、泊めてもらうぞ」
と、ぼくの狭い部屋にひしめき合っていました。
「まあ、まろのぐちはよい。細太郎、かように戦というものはの、親からいただいたからだごと、我が家に戻ることなど不可能なのじゃ」
「よいか、命は粗末にするな。どんな場合にもくじけてはならぬ」
「そうじゃ、もう一人もそうして生きてる故な」
もう一人?
「何?知らぬのかえ?光一も梨香も困った親じゃ」
おかあさんを知っているの?
「知っているも知らぬも、まろが都においてきたわすれもせぬ恋人ゆえの」
は?
「少将殿、お人が悪い、梨香は拙者が都で関白様よりいただきもうした北政所様の侍女」
…よ~するに、代々女性の好みが同じってことね。
「ま、そういうことだよ」
坊主頭の兵隊さんがぼくをみてにっこり笑いました。
このお兄ちゃんは、去年お墓でおばあちゃんを待っていてくれた人です。 ぼく、このお兄ちゃんが何となく好きなんです。広之お兄ちゃんにどことなく似ているからかな。
「細太郎、また来年会おうな。戦争で死んだって、こうして家族のところには魂は帰ってこられるけど、寂しいぞ、みんなで過ごせないのは…」
そうだね。 ごはんも食べられないし、みんなと喧嘩もできないし、恋もできないし…。 普通の生活がみんなしたいし、守りたいんだと思う。
こんなささやかな願いが、戦争しちゃいけない理由じゃいけませんか?
ぼくは、ご先祖様たちのちっともまとまりのない話を聞きながら、そんなことを考えていました。
へちま細太郎でした。

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おぼんです

2007-08-14 23:57:50 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

昨日、1日みんなでゆっくり休んで、今日一気におじいちゃんのおうちとおばあちゃんのおうちに墓参りに行きました。
広之お兄ちゃんと慶子お姉ちゃんは、仲直りしたんだかしないんだか、なあんか今日も眠そうでした。 睡眠不足になるまで何してるんだろう
おじいちゃんのうちもおばあちゃんのうちも、相変わらずご先祖様でごったがえしていて、もうなれてしまったぼくに、
「細太郎、やあ、元気か」
とか、
「おまえは、わしの死んだ息子にそっくりだ」
というおじいさんの幽霊がぼくに語りかけると、
「確かにわしにそっくりじゃ」
と、おじいさんの幽霊が話しかけてくる、という状態でした。
全く…。
たまにはおとうさんに話しかけてよね、とつぶやくと、ご先祖様全員が口をそろえて、
「ありゃあ、だめだ」
と首をふりました。あ~、ご先祖様がそういうんだから、おとうさんはやっぱり情けないんだ、とちょっとだけど寂しく思いました。
おとうさん、ご先祖様にほめてもらえるような大人になってね。
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