へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

細太郎たちのごはん

2016-06-07 21:21:41 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

毎朝のごはんは、隣室のたかのりと一緒に食べてる。
たまごかけごはんか、納豆ごはん。みそ汁は豆腐と決めている。キュウリの漬物…これは糠漬けが好物なはるみが、糠床を用意してくれた。
「あいつ、意外なもんが好きなんだな」
たかのりはうまそうにキュウリをまるかじりして、感想を言う。
「ああ見えて、料理はうまいんだよなあ。管理栄養士なんて資格だけ目指すのかと思ったら、調理師も目指すってさ」
俺は、バイト先で貰ったソフト麺にレトルトカレーをぶっかけた。学校給食でお馴染みのソフト麺を大量にくれたのは、種屋の息子さんだった。中学校の先生なんだとさ。
朝はたかのりの部屋、夜は俺の部屋、と食事を摂ることにしている。
たまにはるみが来ることはあっても、3人で食事をして、はるみは泊まらずに帰っていく。
美都まで帰るの大変だろ、と聞けば、あいつ、寮に住みこんでいて阿部さんの助手をしていた。
これには、少なからず俺が焦った。
「キチローと遭遇したらどうすんだよ」
「あら、大丈夫よ、今あいつ、岐阜の山奥に飛ばされたから」
「はあ?」
「なんで岐阜?」
「何でも、ナントカって温泉宿を買収したからって、掃除させられにいった」
と、くすりと笑った。
「だから、大丈夫」
「そうか」
俺はホッとして、はるみの髪に手を伸ばそうとしたら、たかのりが咳ばらいをした。
「あ、ごめん」
う~ん、ヤバい。はるみにメロメロになっちまいそうだ…。