へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

パニック・イン・タコ壺保健室

2008-07-29 23:33:04 | へちま細太郎
こんばんは、へちま細太郎です。

今日は藤川先生に連れられて、しんいち君とたかのり君と孟宗学院に遊びに行った。
藤川先生は補講があるから、とぼくをタコ壺保健室においていってしまった。
タコ壺保健室は相変わらずタイガースグッズ一色で、部屋の片隅には不気味な…パフィオなんとかペンダントグッズとかいう蘭の…花がでんっ!!と“まだ”おかれていた。
「気持ちわりぃ、なんだこれぇ」
しんいち君が不気味な花をぺこっと弾いたとたん、
「あ
花がぽてっと落ちてしまった。
「やべえ」
ぼくらは、落ちた花をじいっとなすすべもなくみていると、
「世にも不気味なドドメ色、来るぞ来るぞ、げにおそろしき物体が~」
と、となりのカウンセリング研究所から片山教授が顔を出した。
「た~た~り~じゃあ」
「げえっ、何だこのおっさんはっ」
たかのり君が後ずさりをして、片山教授から遠退こうとした。 ところが、今度は表のガラス戸が開き、
「だれだあ、私の愛するさゆりをこんな目に遭わせたのは~」
と、中島教授…だよな?が入ってきた。
「げっ、まだ変なのが現れた」
そうなんだ、中島教授…だと思うけど…は、髪がボサボサで前髪が目をかくし髭は伸び放題でまるで、何日家に帰ってなきゃこんなになるの?という風体で出現したんだ。
「出たなあ、この妖怪植物人間」
と、片山教授が言えば、返す刀で、
「なぜ日本に帰ってきたのだぁ、この吸血鬼めぇ」
と中島教授が罵り返した。
「吸血鬼とはおまえのことじゃあ」
ぼくらは片山教授の顔をみた。
「黙れぇ、その胸に杭を打ち立ててくれるわ~」
今度は中島教授。
「うるさい~、杭を打たれるのはおまえのほうだ」
また片山教授。
「こなくそ」
またまた中島教授と、ぼくらは交互に2人を見比べていたが、ついにつかみ合いになったとたん、タコ壺保健室を飛び出した。
「なんだ、あれは」
しんいち君が青い顔をして息をついた時、
「また、あの2人かい」
と、目の前に匿名希望の東山先生が立っていた。
「こえ~よ、まじで」
たかのり君の訴えに、
「私の保健室で、なにやらかしとんじゃい」
と、匿名希望の東山先生はずんずんと保健室に立ち戻るなり、
「この、すかた~ん、毎度毎度やらかしてくれてっ」
と、中の2人を怒鳴りつけた。
「今のが一番こえ~っ」
しんいち君のつぶやきに、
「うん」
と、ぼくらはうなずいたのであった。