HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

月の光

2009年08月23日 | クラシック曲
Cさん(大人):
お盆休みが過ぎて、最初のレッスンです。
といっても、大人の生徒は ほとんどの人が月2のレッスンなので、夏休みとか関係なく、普通に先々週レッスンに来てから1週おいて来ただけなんですが。
でも、子どもたちがみんな「夏休み明け!」という顔で来はじめているこの時期なので、やっぱり何だか「久しぶり~。お休みどうだった?」という気持ちになってしまいます。

「いろいろ遊びに行ってましたね~」とCさん。
でへへ、バレてたか。
このところHP日記が、『遊びに行ったこと』ばっかりだったからな~ しかも連日…
この『日記』、普段は『レッスン日記』ですが、お休みの間は音楽やミュージカル、絵画などを観賞して 感性面を充実させたいですからね。

さて、Cさんの練習曲「月の光」…
始めから通して弾いてもらいました。
以前に比べてリズムがしっかり決まり、安心して聞けるようになって、嬉しく思いました。
ドビュッシーの曲は、声部やリズムが独特でややこしいんですが、Cさんはとても努力したと思います。
音色も、音のひとつひとつがクリアになり整ってきて、最初の頃のような バラバラした感じがなくなっています。
やったぞ♪ がんばったね。
例えて言えば、サラサラと流れる小川のような演奏ができてきた、と言ったらいいかもしれません。

ここに来るまで、ほんとに長い長い道のりでした。
川がよく流れるように、邪魔な石をどかしたり 流れの方向を修正したり、水の中の不純物を丹念にすくい取ったりという 地道な作業を何ヶ月も繰り返して、ようやく 透き通った水がサラサラと流れる小川ができたのです。

これでようやく「月の光」完成! かな?
いいえ、実はやっと、ここから本当の「音楽創り」が始まるのです。
「蒸留水」のように淡々と流れる小川は、いわば「素材」のキャンバスみたいなもの。
この澄んだ小川に、演奏者自身の手で 様々な色彩やドラマを与えていく旅が始まるのです。

あるときは緩(ゆる)やかに、あるときは急(せ)くようにと表情を変えながら流れる水。
水底には魚たちが潜んでいたり、また楽しげに水面で追いかけ合ったり。
花が群生する岸辺を通り過ぎたり、吹き寄せた葉っぱを遠くまで乗せていったり。
夜には月の光を映したり。

ああ、これからが本当の楽しみなの。
音楽を創造する歓(よろこ)びなんだよー \(^O^)/