1985年発売の 松田聖子 11枚目のオリジナル・アルバム。
アナログからデジタルへの移行期。LPからCDというメディアの変化だけではなく、録音、ミキシングなどの制作現場もデジタルの黎明期。さらに楽器演奏もシンセサイザーの「打ち込み」が流行した時期のため、ふんだんに打ち込みがある。
これに加えて、ジャケットも松田聖子のポートレイトと背景の珊瑚礁の海風景写真をデジタル合成。今見るとこのジャケットは背景との遠近感もなく、「コンピュータ合成でこんな写真も作れます」という制作者の自己満足としか思えない トンデモ 作品。
楽曲も、ボーカルの定位がフォーカスせず、シンセサイザーが最前面に突出したりする トンデモ 録音。デジタル機器を制作者が使いこなせていない、試行錯誤の時期であったのであろう。
「SQUALL」「Silhouette」の初期の頃のアナログで制作されていたら、名アルバムになっていただろう。