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ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国―「経営と技術」から見た近代化の諸問題

2014-06-05 21:18:58 | 書籍
ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国―「経営と技術」から見た近代化の諸問題
日経BP社日経BPビジョナリー経営研究所上席研究員兼日経BPイノベーションICT研究所上席研究員(つまり日経のライター)の谷島宣之氏による、日本のビジネスモデルや習慣の問題点、改善点を説く著。

目次は以下です。

第一章 [実態]経営と技術を巡る珍現象
1-1. ソフトを他人に作らせる日本、自分で作る米国
1-2. 金を払って人に会う米国人、タダでも会わない日本人
1-3. トップがセールスする米国、表敬訪問する日本
1-4. 協会にうるさい米国、曖昧にしたい日本
1-5. 「協調性」を最重要視する世界各国、重視しない日本
1-6. 外資系に努めるとなぜ右傾化するのか

第二章 [総論]明治以来の難題に取り組む時
2-1. 適応異常に克つ
2-2. 全体像の力
2-3. 機能美を感じる
2-4. 今こそ自己本位
2-5. 立体思考の勧め
2-6. あえて労働集約

第三章 [原因]「言葉のインフレ」は恐ろしい
3-1. 専門家同士もわからない英略語
3-2. ”インテグリティ“をお持ちですか
3-3. ドラッカーの重要語に新訳が誕生した瞬間
3-4. 数値目標の暴走をどう防ぐか
3-5. 「言葉一つを生み落とす厳しさ」

第四章 [対策]答えは三十年前からそこにある
4-1. 古くい新しい「ITの前にビジネス」という教え
4-2. デザインがダメならカイゼンしてもダメ
4-3. 成功の担い手は意志あるマネジャと張り切る若手
4-4. 「システム内製」こそ理想の姿
4-5. “技術の暴走”に社長が備えておくこと

冒頭は、タイトルにあるソフトウェアの内製、外注の話から始まり、日本の企業と海外企業の違いを紹介。大筋は一章の表題を見てもらえば分かりますが、あるある話ばかりで、これなら、自分でも本書けるなと思うような内容。なお、本文にもありますが、日本の場合のソフトウェア外注ってだいたい子会社、孫会社が多いので、内製と言えば内製ですが、一方で海外企業では、子会社孫会社っていう概念がそもそもありません。

二章以降は、日本企業の問題点、原因と対策と来て、この辺りからは日経ビジネスの焼き直しのような内容で、あまり真新しい内容はないですが、日本企業がITを活用することや、海外流経営の導入という未だにハードウェア経営という点は納得できて、ただそれを今の経営者に言っても無駄だと思うのが私の意見。もっと若い世代に責任と権限(特にこれ)を与えることで、人も育つし、本当のグローバル化も出来ると思います。一人ないし少人数でアウェイに出て、自分の力で乗り越えてこそ。