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2030年世界はこう変わる - アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」

2013-07-22 21:18:21 | 書籍
2030年世界はこう変わる -   アメリカ情報機関が分析した「17年後の未来」
米国国家情報会議(National Intelligence Council)による17年後の世界を分析する内容。以前は大統領やCIA長官等の一部の関係者のみに公開されていたものらしいが、今は一般に公開され、和訳版を読むことができます(但し、抜粋版でしょうが)。

目次は以下。

第1章 メガトレンドー「2030年の世界」を決める4つの構造変化
個人の力の拡大
権力の拡散
人口構成の変化
食料・水・エネルギー問題の連鎖

第2章 ゲーム・チェンジャーー世界の流れを変える6つの要素
危機を頻発する世界経済
変化に乗り遅れる「国家の統治力」
高まる「大国」衝突の可能性
広がる地域紛争
最新技術の影響力
変わる米国の役割

第3章 オルターナティブ・ワールドー「2030年」4つの異なる世界
「欧米没落」型
「米中協調」型
「格差支配」型
「非政府主導」型

目次にあるとある通り、今後の世界を観るキーワードとして、4つのトレンド、6つのゲームチェンジャー(変動要素)があり、その結果として、大きく4つの世界が想定されています。

アメリカの衰退、EUの崩壊、中印の台頭と懸念、そして進まないアフリカ諸国の発展等を予測データと考えられるシナリオを踏まえつつ解説。

なるほど、アメリカ大統領向けとあって、データの量と切り口に信憑性があります。一般公開向けがこのレベルなので、実際の大統領向けはもっと広範囲で深度の高い情報が織り込まれているのだと思います。

本著の主な論点として、先進国の衰退、アメリカと台頭する新興国の対立があります。但し、これはアメリカの国家機関が編纂した内容であり、そうなるべきに次なる手を打つべしと推挙するもの。これまで同様、同盟国を巻き込み新たな世界の枠組みを構築するのでしょう。ニュースなどの情報をから見えてくる情報は一部の公開できる内容であり、水面下では色々な思惑が蠢いているという認識が必要です。

今世界がどんな問題に直面し、どこへ向かっているかが理解できる書籍です。