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アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?イノベーションが次々に生まれ

2012-11-08 23:38:17 | 書籍
アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?イノベーションが次々に生まれる秘密
外交問題評議会(CFR)中東研究グループ訪問上席研究員のダン・セノール氏、エルサレム・ポスト紙のコラムニストのシャウル・シンゲル氏のよる共著で、イスラエル企業とそれ産み出す国家に関する解説書。目次は以下の通り。

はじめに
著者はしがき
序章
Part1 "なせばなる"の小さな国
第1章 粘り腰
第2章 戦場の起業家
Part2 イノベーションの文化の種をまく
第3章 "情報源"を自らつくる人たち
第4章 ビジネススクールより強い絆 ── 予備役
第5章 秩序が混乱に出会うところ
Part3 奇跡の経済成長のはじまり
第6章 うまくいった産業政策
第7章 移民 ── グーグルの人々の挑戦
第8章 ディアスポラ ── 航空機を盗む
第9章 バフェットのテスト ── 投資リスクをどう考えるか
第10章 ヨズマ ── 投資家と起業家の仲介役
Part4 "動機こそが武器"の国
第11章 ロケットの先端部から湯沸器まで
第12章 シャイフのジレンマ ── アラブ世界の起業家精神
第13章 経済的奇跡に対する脅威
終章 ── ハイテクを育てる農民
あとがき
謝辞

イスラエルのスタートアップ企業の誕生や発展、イスラエル建国から成長の歴史などを通して、イスラエル(企業)の強さの秘密を解説する著。

ドバイもそうでしたが、常に有事のことを想定し、先んじて決断を下すリーダーシップと国民の団結力と行動力。地勢学的にもっとも厳しい国と言えるイスラエルが、数々のバッシングや不安定性を乗り越え、世界にとって不可欠な国になるための試行錯誤が紹介されています。

イスラエル人の特長として、本著では"次につながる失敗"あるいは"知的な失敗"に対する文化的簡要さを挙げています。そしてまた、「他のどの国民よりも、イスラエル人は冒険的に世界を徒歩で旅行する価値観をみにつけてきた。つまり、遠くへ行け、長くとどまれ、深いところまで目を凝らせという価値観だ」というアウトサイド誌の論説を引用しています。どちらも、長い間流浪の民として、世界に拡がり、その土地に根付きながら、自らの土地を想いながら、建国の日を待ち続けたDNAなのでしょう。

世界の中枢に入り込んだユダヤ人達。とても優秀でありながら、故郷への想いは強烈であり、それ故にIntelやGoogleなど世界の名だたる企業を始めとした多くの企業やウォーレン・バフェット氏の様な投資家の戦略にも影響を与え続けます。そしてイスラエルで一番懸念される紛争リスクでさえ、戦時中もガスマスクを付けながら操業を続け、クライアントの注文応え続けるという最強ぶり。

アメリカの援助があるものの、まさに実力と覚悟で、世界を席巻するイスラエル。日本人にとって、遠くて怖くて馴染みの薄いイスラエル。

今まで、イスラエル企業と仕事をしたことはありませんが、一度訪れてみたい衝動に駆られる一冊です。