hayashi5 blog

Time goes by, Life goes on...

小が大を越えるマーケティングの法則

2012-03-04 21:46:15 | 書籍
小が大を越えるマーケティングの法則
静岡県立大学経営情報学部教授の岩崎邦彦市の著書。静岡の地場市場のマーケティング等を通して、小さな企業、商店が時代の流れを読み、大企業、大店舗にできない市場創出、マーケティングを行うにはどうすれば良いかについて書かれた著作です。

目次は以下。
第1章 マーケティング的発想とは何か
第2章 小さいことは、いいことだ
第3章 「小さな店にひかれる人々」を狙え
第4章 「ほんもの力(A)」を高める
第5章 「きずな力(B)」を高める
第6章 「コミュニケーション力(C)」を高める
第7章 小規模を「チカラ」に変えるために

著者は、多種多様化すう市場トレンドと成功している中小企業、商店の傾向を分析し、成功する3つの力を頭文字をとりABCとしています。
ー「ほんもの力(Authenticity)」 個性、こだわり、専門性から生まれる、魅力のある商品を提供できるか。まずは核となる商品、サービスを確立し、そこかそれに関連する商品へ展開すること。戦略なき総合化は個性をなくし、飽きられてしまう。またシンボルを作ることで個性を顕在化するのも効果的で、統計上もシンボルのある企業の方が業績の良い企業の割合が多いそうだ。シンガポール=マーライオン。マレーシア=???が良い例と。

ー「きずな力(Bond)」 消費者意識を調査すると、小さな店、地域の店を利用したいという割合が多いのだそうです。ただ小さな商店がその志向を捉えきれず、大店舗を小型していて、そこにギャップがある。小さな店ほど、顧客とのきずな、地域とのきずなを大切にし、きずな力を強化しましょう。

ー「コミュニケーション力(Communication)」 売りたい物、ある物を一方的にいるのではなく、顧客が欲しているものを捉え、提案できるアドバイザーになりましょう。また大々的な広告を打てない小さい企業こそ口コミをコントロールし、有効に使いましょう。よい口コミのを生み出す方法としては、伝えやすい(ネーミングの覚えやすさ、特徴、伝えたくなるネタ)と伝えたくなるなる(顧客満足、オリジナリティ、コミュニケーション、顧客の声を聞く)を意識しましょう。一方、悪い口コミを抑制する方法としては、周囲にではなく、直接文句を言える仕組みを考えましょう。そう。文句を言われるうちが華なのです。

これら、ABCをうまく組み合わせることで、大企業にはできない市場創出ができ、変化する時代だからこそ、経営者は失敗を恐れず、常に前向きに踏み出して行きましょう。という内容で本書は締め括られています。

企業業績というのは、色々な事由の組み合わせの結果であり、俗に言う市場調査という意味でのマーケティングは、その1つの要因に過ぎないと思います。ただ、市場創出という意味では、これだけのことをすれば、企業も顧客も満足し、結果地域活性に繋がると思います。ただそのためには、魅力的な商材(製品・サービス)を生み出す必要があり、商材が先か市場分析が先か非常に難しいところ。やっぱり経営者には創造力が必要なのです。

ちなみに、うちの会社も日本法人としては零細企業。ただ、本書は読むと身につまされる思いです...