昔から北欧では、ロシアとの問題がくすぶっているようです。
日本人の場合、ロシアについては
北方領土だけにしか関心がなさそうで、3年前(2014年)に、ロシアがウクライナ領クリミア半島に武力侵攻しEUなどが制裁を加え続けていることが加わっただけのようです。もう少し関心のあるかたなら、中露の国境紛争のことを思い出すかも知れません。
そしてなぜか、ロシア人は「恐ろしや」に象徴されますが、あのあくどい中国人よりはマシだ、と考えている人が多いようです。
しかしヨーロッパでは相当「嫌われ続けてきたスラブ民族」であり、その代表として悪質なロシア民族を警戒し続けてきたようです。尤も、どちらが悪かったのか、簡単には判断できませんが。
2017年になって「広域暴力団」アメリカにトランプ大統領が誕生したこともあり
- 南シナ海への領土拡張をする中国
- ウクライナへの領土拡張をするロシア
これら元共産主義国家(元なんとか組の暴力団みたい)いや今でも立派に全体主義的な共産主義国家を演じ続けている両国を、その領土的野心を中心に、注意深く監視していかねばならないようです。
北欧3国について、簡単な絵を描いてみました。
これらを参考に、次のニュースを御覧下さい。
ノルウェー議員の入国拒否=ロシア
【オスロAFP=時事】ノルウェー政府は1日、ロシアがノルウェー議員2人の入国を拒否したとして、オスロ駐在のロシア大使を呼び抗議した。
議員2人は5日から2日間の日程でモスクワを訪れる予定だった。ノルウェーのブレンデ外相は「ビザを拒否された。理不尽かつ不当だ」と記者団に述べた。
これに対しロシアのコサチョフ上院外交委員長はロシア通信に対し「ロシアの議員もノルウェーのビザを拒否されてきた」と反論した。ノルウェーはロシア領内を通りシリア難民が自国に来る問題にいら立ちを強め、ロシアはノルウェーが冷戦時代にもなかった米軍駐留を最近認めたことに怒り、さらにウクライナ問題をめぐり両国は緊張を高めている。:時事通信 2017/2/2(木) 6:33配信
北欧3国といえば、税金は高そうだけれども、福祉関係が充実しているらしいキリスト教系の「寒冷地国家」で、年末にノーベル賞の発表でにぎやかだ(スウェーデン・ノルウェー)・・・・・・。
日本人の多くが、この程度の理解に留まっているようですが、ヨーロッパで繰り広げられた争いの数々が複雑なそれぞれの民族史に根ざしており、そう簡単には善悪を判断できないのでしょう。
「特殊な見方」というのは、漢族の視点・スラブ民族の視点・ゲルマン民族の視点、などがそうで、これらを使って世界全体を理解しようとするのは「手っとり早い」ことなのかも知れませんが、あくまでも「特殊な見方」であり、それだけでは危険なのです。
私がヨーロッパ史について詳しいとは言えませんが、それぞれの国の人たちが対立を繰り返す中で自分たちの歴史観を育み、近年に至り部分的とは言え「EU」を拡大してきた壮大な志向を理解しているつもりです。アジアでは、まだまだ無理だからです。
北欧の中でも
特にフィンランドは、西のスウェーデン・東のロシアに挟まれて、何かと歴史的に困難な時期がありました。
また今回引用したように、ロシアから一番遠いはずのノルウェーもまた難しい外交問題をかかえています。今回新しく発見したことは、そのノルウェーがロシアと、北側で陸地の国境(ストールスコーグ:Storskog など)をもっていることでした。
中東の難民たちは〔難民の発生については、ここでは不問〕
- 海洋ルート〔危険な小型船に難民を押し込む悪徳業者が多い〕
- トルコルート〔受け入れを渋り始めたEUの手前で立ち往生か〕
ではなく、陸路ロシアルート〔内陸ロシアを経由してロシア・ノルウェー国境越え〕をとる難民がいることもわかりました。
ノルウェーはEUに加盟していないけれども、難民に関してはほとんどEU諸国と同じ扱いをしているらしいのが安心感をうむようです。
北極圏の国境を自転車で、難民たちのロシア経由ルート
以下では、ややロシアに厳しい視点から、今回の記事を書いてみました。
この北欧3国は、上記でもわかるように
軍事関係のNATO
政治経済関係のEU
との関係が、それぞれ微妙にことなり、使っている通貨もバラバラなようですが、近年さらに危険な兆候があるようです。
私の個人的な見解ですが
- ロシア
- 中国
が今、世界を脅かしている「国々」で
- シリアなどの中東諸国
が、世界を悩ませている「国々」だと考えています。
もともと、その原因がどこにあったのか、については見解が分かれることでしょう。
アメリカは、世界への進出をもくろみ、その結果、国内をおろそかにしてきたため、トランプのような「いびつ」な大統領を生んでしまいました。
私のみるところトランプは、オバマに比べて相当レベルは低いものの、まだアメリカは中国・ロシアよりは相当マシだと考えています。それだけ中国・ロシアがひどすぎる、とも言えますか。
北欧3国の話に戻りますが
特に「独裁者は独裁者を好む」例から見て、ロシアのプーチンが、アメリカのトランプを「クリントンよりはマシ」と、みなしているようですが、とうてい本音とは思えず、どの程度のつくろいなのかを、見きわめなければなりません。
しかしトランプは、中国についてはかなり強硬そうですから
- 中国の見方:「アメリカがロシアに接近して、中・ロ関係にひびを入れようとしている」ことに危機感をもっている。せっかく中国は、アメリカに対抗するためにロシアへ接近しつつあるのに!
- 北欧3国の見方:「アメリカがロシアとの関係を改善しようとしている」ことに危機感をもっている。せっかく北欧3国は、NATOに頼ってロシアの脅威を押えようとしていたのに!
- ロシアに対する問題のほかに、北欧3国同士の目に見えない葛藤と、北欧3国とEUとの距離の問題が加わります。
つまりロシアは
アメリカの新しい大統領トランプを、民主党のクリントンよりは与み易しと考え、トランプをおだてることによって、北欧3国への影響力を強めようとしているのではないか、と疑う人がいるのです。
これはEUが2012年にノーベル平和賞を受賞したので、ロシアはEUが強硬に出ないと判断して、2年後にウクライナ領クリミア半島を武力侵略したことを想起させます。
ノルウェーに関することでは
- ノルウェーが、中国で服役中の劉暁波 (りゅう ぎょうは)へノーベル平和賞を与えたのを根にもつ中国が、ノルウェーを強迫した
- ロシアがノルウェーを強迫している
と言えます。
全体主義的で攻撃的な中・露は、ノルウェーを威嚇しやすいのでしょうか。
難民が北欧3国へ入る道は
- ノルウェールート
- スウェーデンルート
- フィンランドルート
があるようです。
このあたりの大国であるスウェーデンも、貧しい時代に移民を輩出していたことから、豊かになってからでも積極的に難民を受け入れてきた経緯がありますが、受け入れすぎて国内でも問題が多くなっているようです。
フィンランドでも難民を受け入れてきたようですが、これまた多くなりすぎ、最近ではロシアからの難民をロシアへ強制送還しているとのことです。
これまでの例を見ていると、受け入れ先での問題点もおおく、やがて拒絶され強制送還される運命のようです。
なんとなくイギリスがEUを離脱しようとしている意味が分りそうです。
さてさて、皆様はどう思われますか。