中東ニュース 2010/02/2 No.449 TUFS中東イスラーム研究教育プロジェクト

2010-02-02 17:14:55 | 世界
━━━━━━━━━━━━━━
TUFS中東イスラーム研究教育プロジェクト
中東各国の新聞が報じた最近のニュース 2010/02/2 No.449
━━━━━━━━━━━━━━

〓アラブ諸国 アル・ハヤート紙、クドゥス・アラビー紙、アル・ナハール紙から〓

◆2010-02-01 コラム:湾岸諸国の対イラン武装 (al-Quds al-Arabi紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18383
このところアラブ地域におけるアメリカの動きが活発である。それは第一にイスラエル、次に湾岸諸国に集中している。アラブ・イスラエル闘争調停とは副次的にしか関わっていないこの動きの主眼は、イランの核への野望に対する措置である。アメリカの平和的提案を受諾するか否かのデッドラインは昨年12月の終わりに過ぎている。

アメリカの活動は二つに大別される。ひとつは米治安機関幹部らによるイスラエル非公式訪問である。先週はバネッタCIA長官が訪れネタニヤフ、バラク、及びダガン・モサド長官らとイラン核問題を協議した。1月初めには米国家保安局顧問ジョーンズ将軍もイスラエルを訪問した。

もうひとつとして、湾岸四カ国、特にサウジとアラブ首長国連邦への米兵器輸出が加速化している。これらは石油施設をはじめとするインフラ周辺の上空を防衛するために用いられるが、中にパトリオット・ミサイルの砲台も含まれている。イランが行い得るいかなる軍事攻撃も阻止しようとの狙いである。

多くの人が、このアメリカによる湾岸地域への軍事的関心を来るべきイランとの対決への備えとみなす。その時期は、イランに経済制裁を課す過程において、もしくはイラン核施設への空爆実施によって、あるいは、その双方によって到来する。特に首長国連邦とサウジを武装させる動きは、過去2年間であからさまになってきている。米公式報告によればその2国はこの2年間で250億ドルの米製兵器を購入した。

この武装の目的は、もちろんイランであってイスラエルではない。湾岸諸国とイスラエルは反イランで利害の一致を見た。したがってイランの軍事的能力、特に核兵器を破壊しようとするというのが大多数の観測者の見方である。イスラエルは事あるごとに湾岸諸国を煽り、イランを軍事的に叩かせようとする。サウジを名指して、イランを共通の敵とする軍事同盟の形成も要請した。イランがこの展開を座視するはずもなく、先週マヌーチェフル・モッタキ[イラン外相]は、イラン攻撃のため合衆国にその領土利用を許可した湾岸諸国に警告を発している。

米政権の親友たるブレア前英首相は、先週金曜、対イラク戦争調査委員会に召喚された際、イランに対する苛烈な扇動を試みた。今日のイランは7年前のサッダームのイラクよりもずっと危険であると彼は主張し、イランの核への野心に対しては、サッダームに対して行った以上の厳しい対処を欧米に要請した。そのブレアが、先週はサウジを訪問しアブドッラー皇太子他と会談した。イランの脅威についての見解を述べ、近い将来、核兵器所有に成功したイランとの対決が困難となる前に、力でもって対応するよう急きたてたに違いない。

嫌々ながらなのか進んでなのか、湾岸諸国は火遊びをしている。おそらく、彼らがイランとイスラエル・合衆国の対立における最大の敗者となるだろう。米イラク戦争では例外的な擦り傷(イラクのロケット弾数発がサウジの標的に命中した)だけで済んだが、今回は事情が異なるようだ。


◆2010-01-28 パレスチナ人犠牲者の臓器窃盗でハマース政権がイスラエルを告訴の構え (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18366
 ガザ地区の解任された[ハマース主導の]パレスチナ政府は、イスラエルがパレスチナ人殉教者の遺体の臓器を窃盗したという嫌疑について世界数ヶ国で訴訟を行う意向を表明した。解任されたパレスチナ政府のムハンマド・ファラジュ・アル=グール司法相は「訴訟のために、占領当局に遺体の臓器を窃盗されたパレスチナ人殉教者の遺族から情報収集している」と述べた。

 グール司法相は昨日(27日)の記者会見の場で「我々は、占領当局が殉教者の遺体を窃盗したことを確認する情報・文書を収集する準備を開始した。これは、各国の法廷に対してイスラエル政府を告訴するにあたって利用すべく、あらゆる側面で法的に整備された文書を作成するためである」と述べた。また「我々はパレスチナの各紙において、この件に関する何らかの情報を持っている国民は、この訴訟を有利に運ぶ情報を提供するためにガザ市の法務省庁舎に出向いてほしいと呼びかけた」と明らかにした。

 ガザ地区に住むタルズィー家は最近、パレスチナの第一次インティファーダ中の1988年にイスラエル軍によって息子のハディルを殺され、その遺体の臓器をイスラエル占領当局に盗まれたとして同当局を訴えている。また、スウェーデンの新聞が数ヶ月前に掲載した記事の中であるスウェーデン人記者は、イスラエルがパレスチナ人殉教者の遺体の臓器を盗んだことを明らかにし、この窃盗には証拠が存在すると述べている。


◆2010-01-27 レバノンで国籍法改正キャンペーン (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18382

◆2010-01-22 イスラエル、ミッチェル米中東特使の訪問に無関心 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18365

◆2010-01-17 パレスチナの人権団体がガザ侵攻に関する独自調査を自治政府に要請 (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18363
 パレスチナの複数の人権団体は、マフムード・アッバース大統領、およびガザ地区の解任された(ハマース)内閣のイスマイール・ハニーヤ首相に対しそれぞれ書簡を送り、ガザ地区に対するイスラエルの戦争に関する内部調査を直ちに始めるように両者に働きかけた。この調査は、国連高等人権調査団報告書(ゴールドストーン報告書)の勧告に従ったものであり、同勧告はイスラエルとパレスチナに「戦争犯罪」が行われたとの疑いについて「信用ある」調査を行うよう求めていた。

 この2通の書簡には著名な11の人権団体の運営責任者が署名しており、その中には、「ミーザーン人権センター」や「ダミール[良心]人権センター」、「アダーラ[公正]センター」、「バディール[オルタナティヴ]センター」などが含まれている。これらの諸団体は、「[この調査を]至急開始することは、国連総会での決議に加え、国連報告書の勧告を実行する追加的措置として不可欠である。国連レベルでパレスチナ解放機構(PLO)がこの報告書の支援に努めることが恒常的価値を持つことを確認するためにも、不可欠である」との見解を述べた。

 昨年[2009年]の11月に国連総会は、パレスチナとイスラエルの双方に「ガザ地区における国際人権規約や国際法に対する重大な侵害について、紛争で死亡した民間人犠牲者やこの侵害行為を犯した者たちを裁くため、国際基準に従った信用ある独自の内部調査を行うこと」を働きかける決議を採択していた。
(後略)


◆2010-01-16 米空軍のパキスタン北西部爆撃でアブー・ニダール派メンバーが死亡 (Al-Nahar紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18377

◆2010-01-09 イラク議会選挙にスンナ派有力政治家ムトラク氏の出馬禁止 (Al-Nahar紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18376


〓イラン マルドムサーラーリー紙、イラン紙から〓

◆2010-01-27 ラフサンジャーニー、ヤズディー批判に応酬:「陰謀のニオイがする」 (Mardomsalari紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18364

◆2010-01-24 強姦魔への死刑判決、最高裁で支持:処刑へのカウントダウン、始まる (Iran紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18384


〓トルコ ヒュリイェト紙、ミリイェト紙、ザマン紙、ラディカル紙、イェニ・シャファック紙から〓

◆2010-01-29 行政裁判所長官、問題発言「すべての党が解党命令の対象となりうる」 (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18370

◆2010-01-29 イスタンブルの第二空港サビハ・ギョクチェン、雪対策で落第 (Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18371

◆2010-01-28 お菓子のユルケル、ゴディバにつづき香辛料のマコ―ミックを買収か? (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18358

◆2010-01-28 アタチュルク廟への「おふざけ」記帳事件、11カ月の判決 (Yeni Safak紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18359

◆2010-01-27 「操縦ミスではなく、計器不良」、トルコ航空機アムステルダム事故へ調査報告 (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18347

◆2010-01-27 ナブッコ天然ガス・パイプラインの将来に暗雲? (Milliyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18348

◆2010-01-27 1657人が行方不明!―警察、不明児童データバンク開設へ (Zaman紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18350

◆2010-01-25 トルコの人口、7200万人に (Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18335

◆2010-01-24 イスラエルの労働組合、エルドアン首相に謝罪を求める (Radikal紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18326

◆2010-01-24 作家エジェ・テメルクラン、イスラムへの考えが変わった (Zaman紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18327

◆2010-01-23 トルコでアルカイダ掃討作戦、16県で140名逮捕 (Hurriyet紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=18323
-------------------------------

本プロジェクトの詳細はホームページでご覧いただけます。
東京外国語大学 中東イスラーム研究教育プロジェクト
http://www.tufs.ac.jp/common/prmeis/about_us.html


よろしければ、下のマークをクリックして!
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。