China Now!メールマガジン第27号①

2006-05-16 19:55:56 | 世界

【1】台湾:教育の公共化を訴え教師・学生・親の団体が共闘【2】中国:中国レイバーネットが復活【3】香港:WTOは公共サービスに手を触れるな!共同声明

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■   China Now!   
■ 第27号2006年5月15日
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【1】台湾:教育の公共化を訴え教師・学生・親の団体が共闘
【2】中国:中国レイバーネットが復活
【3】香港:WTOは公共サービスに手を触れるな!共同声明

 

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【1】台湾:教育の公共化を訴え教師・学生・親の団体が共闘
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教育の公共化 教育部の冷遇
街頭の治安強化 警察の暴力団化
 
苦労報道2006/5/13
 
台湾の教育システムは、国家の後景化と「市場化」の浸透によ
り見るも無残な状況になっている。当局は、様々なセクターに
よる教育の商品化に反対する声に耳を貸そうとはせず、弾圧の
動きを強めている。今日、母の日を前に、教育部(文部省)に
対する請願行動が行われたが、警察による意図的な暴力的衝突
の発生によって、国家的暴力団が人質をとって集会を解散する
ように恫喝をするという大混乱劇に変った。
 
労働者家長連盟、教育公共化連盟、全国教師会、台北市教師会
が呼びかけた教員学生保護者による教育の商品化反対アクショ
ンは、保育園公共化行動連盟、全国自主労組連盟、工人立法行
動委員会、新竹県産業総工会などの保護者、教員、労働組合な
どが共闘して保育園から大学までの公共化を訴えた。デモは西
門地下鉄駅から出発し、学習塾通り、銀行街、立法院を経て教
育部まで行進した。今回の行動とこれまでの反学費値上げ反対
運動との最大の違いは、各レベルの教育の民営化の被害者が一
同に会したことである。しかし民衆の訴えに耳を傾けようとし
ない教育部は、一ヶ月前に教育公共連盟による申し入れ書を受
け取っておきながら、高等教育司(高等教育局)の役人の対応
でお茶を濁そうとしていた。
 
このような役人の怠慢に対して、行動に参加した大学生たちは
、その怒りを押さえ切れず、阻止線を張る警官隊に対して杜正
勝教育部長(文部大臣)が出てきて各団体の要求に対応するよ
う求めた。阻止線でのもみ合いの際に、警官隊は突然逮捕動作
を展開し、隊列の最前線にいた工人民主協会執行委員で、今年
から政治大学歴史研究所への入学が決まったY氏を拘束し、教
育部の敷地内へひっぱっていった。Y氏の拘束に対して、参加
者は座り込み闘争を展開し、当初の「教育の公共化」に加えて
「Y君を釈放せよ」と訴えた。
 
昨年7月に、学費値上げ反対連盟の大学生が教育部に対する請
願行動の中で警備当局から警告を三度受け、5名が起訴および
起訴猶予処分になった。そのうちの一人、林柏儀が人権弾圧の
集会デモ法による判決を不服として現在も裁判と闘争をたたか
うなかで、警察当局は請願者を拘束するというさらなる弾圧を
行ってきた。
 
その場にいた学生たちのさらなる怒りに対して、警察は、行動
の即時解散しなければY氏の釈放はないと開き直った。桃園県
教師会会長の彭如玉は、人質を取って民衆と交渉するという悪
辣な行為は決して受け入れることはできない、と警察の態度を
厳しく批判した。行動に参加していた大学教員の楊祖〔王君〕
、丘延亮、何春●(草かんむり+豕+生)、〔上+下〕維波な
どがつぎつぎ発言し、国家権力の粗暴な行為を批判したり、知
識生産労働者として民営化された学園における労働の問題点を
語った。
 
半時間ほどが経過したが、当局がY氏を釈放する様子がないこ
とから、その場にいた大学教授や全国教師会の執行部などが教
育部に入って警察と交渉を行った。その間もいくつもの情報が
伝えられた。ある警備担当者は、上から「治安強化は街頭から
始める」という指示があったので強制的な方法を取ったと語っ
た。街頭運動から出発した民進党は、政府内部の不正事件や、
治安当局が社会的不安を解消できないなどの事態を棚にあげ、
正当な街頭運動に対して圧力を強化している。一体何のための
「治安強化」なのか。警察のこのような姿勢に対して参加者か
ら罵声が浴びせられ、「治安強化は総統府から始めろ」「治安
強化は営利に走る教育部門に対して行え」とスローガンが叫ば
れた。
 
アクティビストバンドの「黒手流し」の楊友仁や事態を聞きつ
けて駆けつけた林生祥が闘争歌で参加者を激励した。状況の推
移を見守る中、教育部の中の警察からデマ情報が伝わってきた
。警察からは、拘束者がすでに中正第一警察署に移送され調書
をとっているとか、地検に送られて収容される可能性があるな
どと伝えられた。また、拘束を指示したのは警察ではなくY氏
の挙動が不審であると判断した現場にいた検察官であるなどが
伝えられた。
 
さらに警察はマスメディアに対して、Yは学生ではなく工人民
主協会の幹部であるという情報を流して、「外部」から学生運
動に介入しようとしているかの印象をメディアに与えた。教育
公共化連盟は、社会運動、労働運動、学生団体から構成されて
おり、教育や学費問題について誰もが意見を表明することがで
きる団体であることから、Y氏が学生かどうかは問題の本質で
もなんでもない。
 
教育部のなかで交渉をしていた教員たちから、事態は依然とし
て不確定であることが伝えられた。教員たちも座り込みを継続
し、三度目の警告ボードが掲げられた後、警官たちはつぎつぎ
に教育部の中に引き上げていき、それに続いてY氏が釈放され
た。
 
教育政策に対する要請行動が、拘束された人質の釈放を要求す
る行動になった。釈放は勝ち取ったが、この行動の参加者への
法的弾圧は避けられないだろう。また当初の要求が警察の粗暴
な行動によって台無しになってしまった。この間、多くの請願
行動や抗議行動が最後には警察の干渉によって、警察あるいは
司法との対決となるという問題に直面している。警察による意
図的な介入、集会とデモに対する破壊によって、政府が問題の
本質を回避し、司法を弾圧の道具とする。このような状況は戒
厳令の時代でさえおよびしないことだろう。教育の商品化に対
する不満の高まりに対して、教育部は依然として聞く耳を持た
ないだろう。今日、教育部の前に貼られていた張り紙に書かれ
ていたように「闘争は一年また一年と激化する」ことは想像に
難くない。
 

原文や当日の画像はこちら
http://61.222.52.195/news/Database/Interface/Detailreview-print.asp?ID=114067


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【2】中国:中国レイバーネットが復活
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解説:今年2月22日に中国当局によって閉鎖に追い込まれた
中国労働網(中国レイバーネット)が、台湾の社会運動ウェブ
サイトの協力で5月1日に復活した。閉鎖当日にはウェブ上で
インターナショナルを奏でながら、中国の労働者にしばしの別
れを告げた中国レイバーネットは労働者自身による情報発信と
経験の交流こそ、当局による閲覧妨害が行われているが、それ
でも少なくない中国のネチズンが当局の規制の網をかいくぐり
閲覧している。中国と台湾の草の根社会運動による交流は始ま
ったばかりだ。台湾をめぐる統一/独立問題も、これまでの支
配政党やアメリカ政府、日本政府から自立した思考と民衆レベ
ルでの連帯をつうじてあらたな状況を切り開くことができるだ
ろう。(編集委員会)

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祝メーデ  中国工人ネットの復活

中国工人ネットhttp://61.222.52.198/user/zggr/

毎年五月一日は、全世界の労働者人民の共同の祝日である。多
くの国々の労働者がさまざまな方法でこの日を記念する。中国
大陸では、一部の人々はこの日を「ゴールデンウィーク」に変
えてしまった。他の一部の人々は、この日が彼らの歴史と関係
する祝日であることを忘れてしまったかのようである。この忘
れ去られた日を記念するために、2005年5月1日、私たちは中国
工人ネットを創設した。

当初、中国工人ネットにアクセスしたのは労働者ではなく、中
国労働問題を研究する一部の学者と労働者の問題に関心を持つ
知識人であった。工場争議の報道および労働者自身による投稿
が増加するにつれて、労働者が中国工人ネットを閲覧したり、
書き込みの中心になった。

労働者による文章や書き込みはストレートであり、社会と工場
の暗部を暴露する際にも躊躇しなかったことから、一部の腐敗
勢力と権力者の怒りに触れることを避けるのは難しかった。今
年の「二つの会議」(全人代と全国協商会議)の直前、すなわ
ち2月22日、中国工人ネットはとある政府部門から、言われな
く強制的に閉鎖に追い込まれた。

中国工人ネットが閉鎖されていた期間、多くの労働者が手紙や
電話で閉鎖を解除するよう呼びかけた。ハンドルネームを紅草
という貴州大学法学院の大学生は、個人のサイト上で中国工人
ネット支援を呼びかけたがゆえに、大学当局と関連政府部門か
ら警告を受けた。著名な作家である魏巍もアピールを発した。
しかし、これら一切はまったく無視された。ウェブサイトを強
制的に閉鎖したある政府部門の責任者は、労働者達による書き
込みが「混乱を招く」という以外に、なんらまともな回答をよ
こしていない。「文化的なインターネットの構築」を謳う政府
行政機関のこのような反文化的な行為に対して、私たちは深い
失望と無力感を感じざるを得ない!

すでにおおくの人々が知る理由によって、中国の労働者は自ら
のウェブサイトによる交流のプラットホームを持つことが必要
になっている。かれらが中国工人ネットの復活を熱望すること
からも説明できる。あきらめムードの中、一部の読者から、外
国のサーバーを借りて中国工人ネットを維持してはどうかとい
う提案があった。どうして中国の労働者は自分の国で自分達の
ウェブサイトを持つことができないのだろうか。

台湾の同胞による台湾労働者のためのウェブサイト---「苦
労ネット」のスタッフが中国大陸の労働者の願望を実現してく
れたことに感謝する。かれらが中国工人ネットのためにすぐに
サーバーを提供してくれたことで、挫折していた中国工人ネッ
トが一年後に再生することができた。私たちは、中国工人ネッ
トの運命に関心をもってくれた外国の友人と組織に感謝する。
かれらからは中国工人ネットに対して多大な同情と支援を寄せ
ていただいた。今年もまた新しいメーデーの日がやってきた。
中国と台湾の労働者階級と全世界のプロレタリアートはともに
この日を祝おうではないか! そして中国と台湾の労働者階級
は自らのウェブサイトを通じて理解と連帯を深めることを願お
うではないか!

万国の労働者、団結せよ!

中国工人ネット編集部

2006年5月1日

原文はこちら
http://61.222.52.198/user/zggr/static.php?page=chxs


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