名古屋・荒子川公園事件の真相と判決公判のお知らせ/笹島連絡会・藤井

2006-03-26 21:02:23 | 社会
05年10月22日、港区の荒子川公園で小学6年の男児が包丁のようなもので頭部を切られたということで、野宿者のKさん(69才)が傷害の現行犯ということで逮捕されました。マスコミは一部を除き、突然Kさんが切りつけた(一方的にKさんが悪い)かのような報道をしましたが、笹島連絡会の調査などで、今までに少年たちによる襲撃や嫌がらせなどが起こっていたこと、裁判を通して当日も少年たちが挑発を行い、エアガンで撃ってきたことなどの真相が明らかになりました。こうしたことは報道されていませんので、以下でお知らせすると同時に、3月30日の判決がこうしたことをきちんと踏まえるかどうかに、注目して頂きたいと思います。

 判決公判:3月30日(木)10時、904号法廷

1.当日の経過(3月20日の最終弁論より要約)
  甲3号証,乙2~6号証の同意部分,公判廷での被告人の供述より判明した本件の経緯は以下のとおりである。(以下要約)
 被告人は,買い物からの帰り,4人の少年グループと自転車同士ですれ違った(面識はなし)。すれ違う際に,被告人に一番近かった■■が,被告人に向かって,小馬鹿にするように「へいへい」と言いながら人差し指を1本立てて指を顔の自分の顔の前で倒す仕草をした)。
 被告人は,以前,同じ年頃の少年達に石を投げられたこともあり,腹が立って,「親の言うことを聞かん馬鹿たれめが」と少年らに言った。しかし少年らは謝ることも,そのまま去ることもなく,被告人に向かって「うるさい,はげ」「くそ」などといい,挑発し続けた。さらに■■が,被告人を脅してやろうと思い,被告人めがけてエアガンを撃った。弾は顔や背中にあたった。被告人は,目に入ったららいかんと思い,手で目をかばった。
 被告人は,相手が4人で怖かったことから,威嚇のため,自転車の前カゴから包丁を取り出し,手に数本を持った。被告人は,遠巻きで自転車に乗りながら挑発し続けている少年らに,「こっち来い」「きてから謝れ」と言った。
 ▲▲は,「タイマンはったる」と言って,被告人の目の前まで近づき、馬鹿にしたような口調で何か言い,反抗的な態度を取っていた。被告人は▲▲に「謝れ」と言ったが,謝る様子はなかった。再び■■が,被告人に向けてエアガンを撃ってきた。
 被告人は,エアガンを撃たれたことにカッとなり,また前に石を投げられたときの気持ちもあって,もう誰でもいいと思い,▲▲目掛けて右手に持っていた包丁を,パシッと殴るつもりで1回振り下ろした。被告人が気づくと目の前には▲▲はおらず,離れたところで頭を抑えており,▲▲から血が出ているのが見えた(加療約11日間と比較的軽微の傷)。■■が「こっちこい,はげ」と被告人に向かって怒鳴りながら,三度エアガンで撃ってきた。被告人は,■■らも追いかけたが,少年らの逃げ足が速く,追いつくことはできなかった。

2.争点
 12月22日の第1回公判で、弁護側は、①2回切りつけたのでなく1回であること。②4人の少年から挑発を受け、エアガンで撃たれており、Nさんの行為は防衛行為であり、結果として防衛の程度を越えてしまった過剰防衛だと主張した。

3.以前から襲撃はあった
 3月6日の第3回公判では、情状証人Aさん(笹島連絡会)が証人に立った。
 Aさんは、①野宿者へのいろいろな生活支援をしていて、荒子川公園の仲間に週一回ビラまきに行っていた、②事件を報じた新聞に、かつて子供のグループが野宿者に「ちょっかい」をかけていたと書かれていたので不審に思い調査に入った、③荒子川公園の仲間などから話では、事件の前にKさんのみならず他の仲間が、子供らのグループによって投石されたり、テントに花火やタマゴを投げ込まれたりしたことがあり、8月には子供ら10人ぐらいが警察に「捕まった」ことがあったと聞いた、④名古屋市内のみならず全国的に野宿者が襲撃されていること、などをのべた。そして、⑤子供の襲撃がおきるのは、野宿者の側に罪はないのであって、社会が野宿者に対して偏見と差別をもっているからだ、そういう大人社会の影響を子供は受けている、が、子供の方も行き場をなくしているという問題があると説いた。また69才になるKさんが執行猶予等になれば、生活保護がとれるようにしたい、と述べた。

4.被告人質問
 Kさんは事件について、子供らが先にエアガンなどで襲撃したことを謝ったなら包丁でたたくことはせずに我慢したが子供らが向かってきたのでカーっとした、子供を傷つけたことは「まづかったと思う」とのべた。生活については、九州から出てきていろいろな仕事をやった、トビ職や解体工事が多かった、年齢がいって仕事がなくなった、アパートに入っていたが出ざるを得なくなって野宿に至った、米野の空き地で5~6年野宿し、荒子川公園へは2年前ぐらいに来た、アルミ缶集めをやった、野宿生活をやめたい・死んだ方がましだと思ったこともある、等と話した。生活保護の申請は「はずかしい」からやらなかった、今は生活保護をとりたいと思っているとのべた。

5.論告求刑と最終弁論(3月20日)
 ①検察官は、基本的に冒頭陳述と同じ主張を行い、懲役1年6月の求刑を行った。
 ②弁護人は、証拠に基づいて詳細に弁論を行い、「過剰防衛の成立を認めた上、
諸般の情状を考慮し、その刑を免除する判決、少なくとも相当程度系を軽減した上で(仮に罰金刑を選択しても)執行猶予を付した寛大な判決を、切望する」と締めくくった。



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1 コメント

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この事件知っています (いばらのポン)
2006-12-26 12:01:31
事件の内容は当時ホームレスから聞いて知っていました。ほとんど聞いた内容と同じですね。マスコミのいい加減な報道に腹を立てた記憶があります。
ヤフーブログですが「いばらのポン」で記事を書いていますので宜しければ見てやって下さい。
この少年たちらしいのですがまだ懲りずに同じ様な事を繰り返しているみたいですね。
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