学ぶ喜びを生きる力に☆奥田塾

三重県桑名市にある小さな英語塾・奥田塾のブログです。テーマは、学ぶ!楽しむ!分かち合う!

風の絵師からの贈りもの(1)

2015年12月16日 | 韓国・韓国語
前回の記事で「笙」という楽器について触れましたが、実はお隣の中国や韓国にも同じような楽器があります。(中国では日本と同じく「笙」、韓国では「笙簧」と少し名前が変わります。)

今回の記事『風の絵師からの贈りもの』は、僕が以前、韓国語弁論大会に出場したときのスピーチ原稿です。
「風俗画」や「笙」に焦点を当てた、ややマニアックな内容ですが、
「へえ~、こういうところに興味を持つ人もいるんだ~」
そんな感じで気楽に読んでいただけたらと思います。

*  *  *  *  *

바람의 화원에게 받은 선물
風の絵師からの贈りもの


여러분, '단원' '혜원'이라는 이름을 아세요?
네, 18 세기 말에 활약한 화가 김홍도와 신윤복입니다.
둘 다 조선 완조 시대 서민의 모습을 생생하게 그려서 '풍속화의 거장'이라고 불립니다.

皆さん、「タヌォン(檀園)」「ヘウォン(惠園)」という名前を知っていますか。
そう、18世紀末に活躍した画家、キム・ホンド(金弘道)とシン・ユンボク(申潤福)のことです。
二人とも朝鮮王朝時代の庶民の姿を生き生きと描き、「風俗画の巨匠」と呼ばれています。


저는 '바람의 화원'이라는 한국 드라마를 보고 이 두 화가에게 흥미를 갖게 되었습니다.
흔하게 볼 수 있는 일상생활 속의 한 장면을 현재 진행형으로 약동적으로 그린 김홍도의 그림을 보면 마치 제가 조선 시대 동네 거리를 걷고 있는 것 같은 착각에 빠집니다.
저는 특히 '서당'이라는 작픔을 아주 좋아하는데 그 그림 속에서 선생님에게 야단맞아 우는 아이의 모습이 너무 사랑스러워서 무심코 꼭 껴안고 싶어집니다.

私は「風の絵師」という韓国ドラマを見て、この二人に興味を持つようになりました。
何気ない日常の一コマを‘現在進行形‘で躍動的に描いたキム・ホンドの絵を見ていると、まるで自分が朝鮮時代の町角を歩いているような錯覚に陥ります。
私は特に「ソダン(書堂)」という作品が大好きですが、先生に叱られて泣いている子どもの姿があまりにも愛おしくて、思わず抱きしめたくなります。


한편 신윤복은 연애를 주제로 한 작품을 많이 남긴 점이 특징입니다.
드라마 속에서 "그리움이 그림이 되고 그림을 보면 더 그리워진다"라는 말처럼 독특한 감성으로 여자들을 섬세하게 묘사하며 그 심정까지 잘 표현하고 있습니다.

一方のシン・ユンボクは、恋愛を主題にした作品を多く残しているのが特徴です。
ドラマの中で「会いたい気持ちが絵になり、絵を見るともっと会いたくなる」と語っているように、独特の感性で女性を繊細に描き出し、その心情までも見事に表現しています。


그런데 김홍도의 작품 '송하취생도' 속에 남자가 어느 악기를 연주하고 있씁니다.
또 신윤복의 '연당의 여인'이라는 작품 속에서 기생이 손에 들고 있는 것도 같은 악기입니다.
무슨 악기라고 생각합니까?
그것은 일본어로 '쇼', 한국어로 '생황'이라고 불리는 관악기입니다.

ところで、キム・ホンドの作品「松下吹笙図」の中で、男性がある楽器を演奏しています。
また、シン・ユンボクの「蓮塘の女人」という作品の中で妓生が手にしているのも同じ楽器です。
何という楽器だと思いますか。
それは日本語で「笙」、韓国語で「センファン(笙簧)」と呼ばれる管楽器です。


(「바람의 화원에게 받은 선물(2)」에 계속)
(「風の絵師からの贈りもの(2)」に続く)


 송하취생도(松下吹笙図)


 연당의 여인(蓮塘の女人)

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雅楽ってどんな音楽?

2015年12月14日 | 音楽の愉しみ
先々週の幼稚園でのコンサートに続き、雅楽の仲間とともに、先週は桑名市内のS小学校を訪れました。
6月20日の記事「雅楽の授業」で書いたように、以前から依頼を受けていた「雅楽について学ぶ特別授業」を行うためです。



6年生の音楽の授業で、テーマは「雅楽ってどんな音楽?~日本の伝統音楽について学ぼう」。
内容は次の通りです。

*  *  *  *  *

1、演奏「陪臚(ばいろ)」
オープニングとして、いきなり演奏。まずは生の雅楽の音を聴いてもらう。

2、楽器紹介
*雅楽の歴史を簡単に説明する。
*篳篥・笙・龍笛の三管を中心に説明。それぞれの楽器の単独での音を聴いてもらう。
篳篥…「人間の声」→「地の音」
笙…「天から差し込む光」→「天の音」
龍笛…「龍の鳴き声」→「空の音」
*練習方法の紹介。

3、演奏「平調(ひょうじょう)・越天楽(えてんらく)」
雅楽の代表的な曲を聴いてもらう。(授業で習った「越天楽今様」を思い出しながら)

4、楽器体験コーナー
実際に楽器に触れてもらう。音を出してもらう。

*  *  *  *  *

1~4の中でいちばん大切にしているのは、「楽器体験コーナー」です。
やはり「百聞は一見に如かず」ですよね。
実際に見て、触って、吹いてみる。
これに勝るものはありません。

僕が担当するのは「笙」ですが、初めてこの楽器を手にする子どもたちにとっては、指の使い方がかなり難しいようです。
そこで、分かりやすく絵で示したり、楽器にシールを貼るなどして工夫しています。



授業後の休み時間に、何人かが音楽室に残って、プリントに授業の感想を記入していました。
その中に、楽器体験のときに音楽的センスの良さを発揮し、「すばらしい~!」と褒めてあげた女の子がいたので、声をかけてみました。
「『笙が上手だとほめられた』って書いたらどう?」
すると彼女は、人懐っこい笑顔で「うんうん」とうなずきながら、元気いっぱいの文字でこう書きました。
「笙の先生にほめられて、とてもうれしかった」

いやいや、僕のほうこそ、ホントに楽しかったです。
「笙」にチャレンジしてくれて、どうもありがとう! (*^^)v
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豆仏(まめぶつ)

2015年12月09日 | 日々の雑感
小さな小さなほとけさま「豆仏(まめぶつ)」のペンダントです。



おだやかでやさしいほほえみ。
すやすや眠る赤ちゃんの寝顔のようにも見えます。

「仏様に守られている」という安心感。
こころのやすらぎ。
まあるいしあわせ。
自然に感謝の気持ちが湧いてきます。

*  *  *  *  *

お隣の四日市市内に「木と漆のアトリエ・想(そう)」という工房を構える、ある女性仏師の方が彫られたものです。
ほとけさまのお顔の部分は約3センチ×2.5センチ。
材質はサクラの木です。
反対側の面に好きな文字を彫ってもらうこともできます。



桑名市内の寺町通り商店街、師走の三八市で、豆仏様に出会えます。 (*^^*)
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じゅうぶんしあわせ!

2015年12月03日 | 音楽の愉しみ
おかげさまで一昨日、無事にS幼稚園でのコンサートを終えることができました。
(このコンサートについては、前回の記事「あわてんぼうのサンタクロース」も併せてご覧ください。)

キラキラと輝く澄んだ瞳。
元気いっぱいの無垢な歌声。
心がほっこりするひとときでした。

今回、園児たちとのやりとりの中で、すごく印象に残った出来事があります。

越殿楽の演奏に合わせ、「天女様」に扮した二人が鈴の舞を披露してくれたあと、僕が園児たちに語りかける場面です。
「せっかくですから、天女様といっしょに、『幸せになれますように』ってお祈りしましょう。もうみんな、じゅうぶん幸せですか?」
すると、ある一人の女の子が答えました。
じゅうぶんです
会場は大爆笑! (^O^)/

「もうじゅうぶん幸せな子は、みんなのお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃん、そしてみんなのお友だちが幸せになれるように祈りましょう」
じゅうぶんです」 (会場笑い声)
「じゃあ、『今よりもっともっと幸せになれますように』って祈りましょう」
じゅうぶんです」 (再び笑い声)

キラッと光る彼女独特の感性に脱帽です。(*^^*)

もうそろそろ、「もっと欲しい」「もっともっと…」と求め続けることをやめてみない?
もう十分に与えられているでしょ?
これ以上、何が必要なの?
そんなんじゃ、いつまでたっても幸せになんかなれないわよ!

大人たちに対する彼女からの強烈なメッセージのようにも聞こえます。

「もうじゅうぶんしあわせです!」

欲を捨て、今あるものを喜ぶことの大切さを、改めて教えてくれた小さな天使に感謝。(^^)v
「ありがとう、キミに出会えてホントによかった」と思い切り抱きしめてあげたいな…
\(^o^)/


 (↑ 天使が舞い降りたS幼稚園の遊戯室です!)
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